忍者ブログ

菜の花の大学図書館日誌

理系出身だったことを忘れかけている司書・菜の花の、大学図書館な日々。

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

OCRのリクリエイト版に、ハングルか!

202日目(通算899日目)。れしーぶ、れしーぶっ!(>_<)

午前中、カウンター当番をしながら書誌作成。こちらで難関として菜の花の前に現れたのは、電子的復刻本でした。どうやら80年以上前に出た本を、スキャンしてOCRのソフトウェアで読み込んで印刷したらしいもの。(と、タイトルページ裏にひっそりと書いてあった。)何が嫌かって、元本情報がまったく書かれていないこと。まあ、あれですけど、その本自体が元本を指し示しているから、それでいいといえばいいのかもですが。びみょーにタイトルが違うというか、タイトル関連情報が落ちていたりして、若干の違いはありましたが、多分、これだろう、とは推定は容易。で、更に嫌だー!と思ったのは、出版社名は書いてあっても出版地がそこそこ謎とか。何か書いてある住所、別の組織の住所に見えるんですけど。出版地不明にする?と悩みに悩んで、規定の情報源以外から無理に取って補記([]。規定されている情報源以外の場所から得た場合はつけます)にしてみましたが…、何かあやしいなあ…。WebサイトのURLも書いてあったのでいってみましたけど、その出版社はどうも、物理的に存在しているかどうか不明。オンライン上でしか存在が確認できず。企業などの住所などの情報を集めているサイトでも、社名はあっても住所欄は空欄になってましたし。あと、その出版社、とっても評判がよろしくない…。「poor quality」とか言われちゃったりして…。実際に、資料の中身をぱらぱらっとめくってびっくり。これはひどい。本文、読めない部分がかなりあります。言語が難しいとかではなく、意味不明の記号の羅列になっているページとか、英語なのですが全部大文字で表記されている段落とか、スペースが凄いことになっている部分とか。まさに、OCRでやりました!!という感じ。これ、売るんだ…売っちゃうんだ…。そして先生、買っちゃったんだ…。書誌、何とか作りましたけど、先生がこれを返品したい、と仰られたらどうしよーと思いつつ。。。。


午後からは更なる難関が、菜の花の前に立ちはだかっていました。もはや超えられない無限大の壁っぽいです。井戸型ポテンシャル無限大。これを超えて向こうの世界に行くには最早、トンネル効果しかないね、みたいな。量子力学的トンネル効果、Quantum tunnelling。自分で書いてて、すでに意味不明。でも気にしてはいけません。そんなことが気にならないくらい、この難関は、素敵ハードルだったので。

午後から菜の花がトライしたのは、ハングルの図書でした。ハングルはダメ。もう全然ダメ。文字に見えませんもん。模様です。菜の花の中ではキリル文字と並んで、模様です!以前に菜の花が扱ったハングルの資料は雑誌で、書誌修正だったのですが、今回は完全新規作成。どこにも書誌がない。いや、正確に言えば、原書の書誌はありました。原書、日本語。がー!!!何故日本の大学図書館で、自館で日本語で書かれた原書が選書対象外になっているのに、わざわざハングルに翻訳されたものを入手しているのですか~っ!!!…え?寄贈?そうですか…。何故、日本の方が寄贈されたものが、ハングル…?ハングル、堪能?

メインタイトルなど、ある程度の部分は、ISBNをGoogleに放り込むことで、韓国の書店サイトでコピペしてこられました。もちろん、1文字ずつ照合はしますが。問題は、細かい部分。誰々著、の部分が、誰々の名前は書店サイトにあっても、資料本体のタイトルページと一言一句同じ形では「著」や「翻訳」の部分のハングルがなくって。結局、自分で打たなくては!ということになったのですが…、どうやって打ったらいいのかさっぱり分からない!教えてっ、Google先生っ!

結果、言語の設定をして、IMEで韓国語を扱えるようにすればよいことが分かったのでやってみましたが…、キーボードの配置とかよく分からないし…。試行錯誤をしたところ、ハングルでもちゃんと手書きパッドが使えることが分かったので、目の前にある文字を「絵」としてマウスで書いて入力することに。しかし、似たような形が多くて困りました…。あと、フォントが違うと別ものに見える文字!これは困るー。日本語などだと、ちょっとくらいフォントが違ってもそれが他の文字とは異なる、ということが認識できますが、まったく知らない文字だと、よく似た別の字があるのかどうかが区別できません…。菜の花がとても悩んだのは、資料上だとカタカナの「ス」の下に「T」があるみたいな字。これがどうやってもそういう文字が画面上に出てこなくて。どうやら、画面上にいる「一」「人」「T」が縦に並んでいるみたいなのが同じ文字らしいですね…。似た字に「人」「T」もありましたが。分からなかったので、目録のかかりちょうに内線で尋ねた菜の花です。

「すみません、ちょっと教えてください!」
『はい、なんでしょう?』
「"す・てぃー"って、"いち・ひと・てぃー"と同じ文字ですか!?」
『………』
「それとも"ひと・てぃー"と同じ文字ですか!?」
『………』
「………」
『…はい?』

いつもいつも、ご迷惑をおかけしております!

ようやく、入力は出来ましたが、今度はTRのヨミでつまずきました。ハングルの場合は、ヨミには分かち書きしたハングルを入れるそうで。えーっと…、どこまでがひとつの単語か分からないっ!!!日本語だって分かち書きは難しいのに!しかも、うちの素敵に賢くなりきれない業務システムは、ハングルをすべて「くち」にしてくれます。タイトル以下、画面上には無数の「□」が並んでいます。簡体字のときは、普通の漢字の中にちょこちょこと「□」が入っていてパズルみたいになっていましたが、ハングルになると全面「□」なので、もはや何が何だか分かりません。何だこの伏字の嵐は。文字数しか分からないよ!どこでどう分かち書いていいものやら、なんてレベルの話じゃない…。仕方ないのでコピーして、Win標準テキストエディタ・われらが「メモ帳」にぺたっ。お、ハングルになった。模様だ。ふう、「メモ帳」に負けるうちの業務システム。この辺で1単語かねえ?というところを、ここからオンライン辞書にぷちぷちとコピペして単語を割り出して分かち書きしました。あとは、「参考までに」な助詞の一覧表を見て、助詞っぽいのは確認。何とか分かるものですねえ。菜の花、オンラインのツールがなければ、絶対目録なんか途中で投げ出していましたわ…。今の時代に図書館員になって、ホントによかった!20年前だったら、挫折して転職間違いなし。

さあ、次は出版地。どこに書いてあるのでしょう。やみくもに探して、「これだー!」という記述を見つけ、頑張って手書きパッドでハングルを入力し、それをオンライン翻訳にかけてみました。画面には無情な二文字。「住所」。…間違えたー!その後ろだー!!惜しい!!!

出版年月は多分、これだな!とあたりをつけて念のため、これも手書きパッドで入力して翻訳にかけてみましたが、文字が若干間違っていました。出てきたのは「2009ニャン」…何だそれー!?あ、横線の出てる向きが逆だった。もう一度書き直して入れたつもりでしたが、前の文字が消えていなくて、その後ろに入れてしまったものだから、翻訳はますます謎なことに。すなわち「2009ニャンニョン」。…何か可愛いな。。。

まあ、そんなこんなで、叫びまくりつつ嘆きまくりつつ、いちいち目録かかりちょうに内線をかけて訊きまくり(そして途中で番号を1桁分間違えて、システム系のK氏にかけました、お騒がせをば)、何とか1書誌完成。3時間以上かかったよ…。脱力。でも何とか、菜の花はレシーブした!…と思ったのですが、今ふと思い出しました。しまったー!AL(著者名リンク)に、翻訳者の名前入れるの忘れた!明日の最初の仕事はそれね…。ふぅ…。


で、明日も、まだハングル資料が1冊あります。あー…。

あと、何だかこの作業のさなかに、システム課から何かのマニュアル作って依頼が来ていたのですが…、日本語思考力停止状態の菜の花は、引き受けてしまったのですが、、、何か首絞めましたね、また。はー…。




拍手[1回]

PR

この記事へのコメント

Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
管理人のみ閲覧できます
 

この記事へのトラックバック

トラックバックURL

プロフィール

HN:
菜の花
性別:
女性
職業:
大学図書館職員11年目
趣味:
読書、アニメ、ゲーム、Alto&Tenor Sax
自己紹介:
理系院卒の大学図書館員。産休・育休を1年挟み、ついに採用11年目。「参考調査担当」(3年間)→「某文系図書室(主担当:和洋図雑の目録)」(3年間)→「某資料室(主担当:総括&和洋図雑の目録)」(2年10ヵ月)→産休・育休(1年2ヶ月)→「閲覧担当」(2016年4月~)

フリーエリア

カレンダー

08 2024/09 10
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30

菜の花にメールする

最新CM

アーカイブ

最新TB

ブログ内検索

アクセス解析

広告

忍者アナライズ

Copyright ©  -- 菜の花の大学図書館日誌 --  All Rights Reserved

Design by CriCri / Photo by momo111 / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]