菜の花の大学図書館日誌
理系出身だったことを忘れかけている司書・菜の花の、大学図書館な日々。
図版の著作権は特に難しい
- 2007/02/08 (Thu)
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195日目。ちょっと疲れてます。
wwwメンテの関係はいつものように依頼が何回か。
あまり時間はかけません。
IT事情の原稿は、これまでのところをチェックしてから、
いよいよ電子ジャーナルの部分を書くために、
統計データを色々触ってみました。
何か面白い情報はないだろうかと。
でもあまり綺麗な解析結果は得られず。
どうも数値とかグラフとか見ると、とりあえず計算したくなる菜の花です。
これ、きっと長年の研究室生活のせい。
まあ最初は標準偏差でも出しとけ!みたいな。
結局使えない解析ばかりか。
院生の頃も、数日徹夜して出したデータを、
1年くらい解析し続けたりしました。ハズレが多いんですね。
たまに大当たりが出て、2・3回使いまわしで学会に持っていける感じ。
結局最初にぱっと計算した値くらいしか、ネタになりそうなものもなく。
とある出版社の出している電子ジャーナルを、
うちの大学全体でどれくらい全文ダウンロードをしているか?という数字。
かなり驚きのある大きな値だったので、面白半分で365で割って、
1日あたりの数を出してみたのです。
それも大きかったので更に24で割って、更に60で割って。
つまり、1分あたりにどれくらい利用されている?という値ですね。
これが1を越えました。2まではいかなかったですけど…。
考えてみると怖い値ですこと。
だって、これはあくまで全文利用であって、検索をかけた数ではないのです。
検索するだけしてヒットしなかったとか、
ヒットして要旨は読んだけど本文は見なかった、というのは除外されます。
しかも、使える電子ジャーナル全部じゃないのです。
たった1社が出している電子ジャーナルです。
と言っても最大手の出版社なので、雑誌数は多いですけど。
それでもみんな、どれだけ見ているんだよ…と。
電子ジャーナル以外では絶対出来ない芸当ですね。
だって考えてもみて下さい。図書館にある本。
これを365日24時間不休で、1分あたり1つずつ、
コピーしていく人がいるということです。ちょっと多すぎない?
図書館のコピー機、フル稼働ですよ!
さすがに全論文を読むことは出来ないのではとも思います。
ダウンロードだけしてしまいこまれている論文もあると見た。
午後からはカウンターでした。
大きなレファは2つ。著作権に関することと、メールでの事項調査。
著作権の方は、難しかった…。
ある本を持ってきて、この本の絵をコピーしたいが著作権はどうなるか?
ということを訊きに来た学生さんがいまして。
それは古い絵だったので、絵自体の著作権は切れていました。
が、絵画には所蔵権があるので、その絵を持っている美術館などに
利用してもよいか?という許諾をとらないといけない、という話に。
更に、最初に持ってきた本からコピーするということなので、
この本の著者にも許諾を得ないといけない。順番はこれが先。
で、翻訳ものだったので、原著の方の許諾も必要です。
更に原著者が取ったであろう許諾(上の所蔵権所有者など)も必要。
絵の写真を撮った人の許諾も必要。
著作権は難しいのです。
でも著作権には例外規定があります。
個人が楽しむために自分が購入したものをコピーするのはOKだとか、
図書館で研究・調査に利用するための資料の一部を1人につき1部だけなら
コピーするのは可能とか。
(友達の分、と言って2部コピーしたら著作権法違反になります。
あと、本をまるごと一冊コピーしても違反です。)
今回の場合も「非営利目的でコピーするならかまわないのでは?」と
利用者さんに指摘されました。が、よくよくお聞きすると、
これを更にコピーして、非営利団体の勧誘に使いたい、ということでした。
これは上の例外規定の「個人の…」には当たりません。
特に、不特定多数に配布してしまう場合は、営利・非営利問わず、
譲渡権などにかかると思われます。
というわけで、許諾無しで勝手に本の絵をコピーして配ると
著作権侵害になっちゃいますからお気を付けを。
不特定多数に配布する、の時点で例外規定はなくなります。
ただし、授業などに利用する場合に、その授業に直接関係する人数分だけ、
コピーをとるのは例外規定に入るはずです。
今回は、例外規定のないケースなので、許諾を得るのが前提になります。
または著作権が完全に切れている本くらいですね、使えるのは。
比較的許諾を取りやすいのはインターネットで公開されているもの。
管理者に問い合わせればOKです。まあその管理者が別のところから
許諾を得ている場合はそちらにも問い合わせは必要ですが。
ただ、ネットで公開するのは「公衆送信権」という権利に関わり、
この権利にも例外規定はなかったと思いますので、
元の著作者の許諾を取っているはずです。
または管理人本人の著作物か、元々著作権が切れているものであるか。
(もしこのいずれにも当たらない場合は、その管理者が著作権法に触れています。)
公衆送信権の許諾を取れるような著作権者相手なら許諾は取り易いでしょうし、
管理人本人の著作物なら、その人に許諾をとれば終わりです。
著作権が切れているものであれば特に許諾はいらないですし…、
どのパターンであっても、最も許諾の取り易いもののひとつでしょう。
ということで、そういう紹介をしておきました。
でも、ちゃんと著作権を守ろうという姿勢は素晴らしいですね。
ちなみに著作権侵害は、親告罪です。
メールでのレファは、1ヶ月ほど前の調査で回答した方が、
再び送ってきた次の質問でした。
私企業の企画部の方で、何周年記念かの本を出すために
調査していらっしゃるということです。
また人に関する調査でした。
昭和30年代の内閣府の職員録やら、紳士録やらをひき、
人名辞典に新聞データベース、サイニィなんかをフル活用で、
何とか回答を作成。本日中に返信できました。
かなり時間がかかってしまった…。
途中でカウンターにお客様がきたりして、ばたばたしましたし。
というわけで午後は殆ど、原稿書きは出来ず。
でも本日は是非、電子ジャーナルの部分は書きたかったので、
ひっそりこっそり居残りで形だけ整えてきました。
もう少し足さないと駄目かな、とは思いますが。
ああ、それにしても眠い。ちょっと疲れました。
明日は掛長がお休み。
頑張らなきゃー!なんですけど、頑張れるかなー。
wwwメンテの関係はいつものように依頼が何回か。
あまり時間はかけません。
IT事情の原稿は、これまでのところをチェックしてから、
いよいよ電子ジャーナルの部分を書くために、
統計データを色々触ってみました。
何か面白い情報はないだろうかと。
でもあまり綺麗な解析結果は得られず。
どうも数値とかグラフとか見ると、とりあえず計算したくなる菜の花です。
これ、きっと長年の研究室生活のせい。
まあ最初は標準偏差でも出しとけ!みたいな。
結局使えない解析ばかりか。
院生の頃も、数日徹夜して出したデータを、
1年くらい解析し続けたりしました。ハズレが多いんですね。
たまに大当たりが出て、2・3回使いまわしで学会に持っていける感じ。
結局最初にぱっと計算した値くらいしか、ネタになりそうなものもなく。
とある出版社の出している電子ジャーナルを、
うちの大学全体でどれくらい全文ダウンロードをしているか?という数字。
かなり驚きのある大きな値だったので、面白半分で365で割って、
1日あたりの数を出してみたのです。
それも大きかったので更に24で割って、更に60で割って。
つまり、1分あたりにどれくらい利用されている?という値ですね。
これが1を越えました。2まではいかなかったですけど…。
考えてみると怖い値ですこと。
だって、これはあくまで全文利用であって、検索をかけた数ではないのです。
検索するだけしてヒットしなかったとか、
ヒットして要旨は読んだけど本文は見なかった、というのは除外されます。
しかも、使える電子ジャーナル全部じゃないのです。
たった1社が出している電子ジャーナルです。
と言っても最大手の出版社なので、雑誌数は多いですけど。
それでもみんな、どれだけ見ているんだよ…と。
電子ジャーナル以外では絶対出来ない芸当ですね。
だって考えてもみて下さい。図書館にある本。
これを365日24時間不休で、1分あたり1つずつ、
コピーしていく人がいるということです。ちょっと多すぎない?
図書館のコピー機、フル稼働ですよ!
さすがに全論文を読むことは出来ないのではとも思います。
ダウンロードだけしてしまいこまれている論文もあると見た。
午後からはカウンターでした。
大きなレファは2つ。著作権に関することと、メールでの事項調査。
著作権の方は、難しかった…。
ある本を持ってきて、この本の絵をコピーしたいが著作権はどうなるか?
ということを訊きに来た学生さんがいまして。
それは古い絵だったので、絵自体の著作権は切れていました。
が、絵画には所蔵権があるので、その絵を持っている美術館などに
利用してもよいか?という許諾をとらないといけない、という話に。
更に、最初に持ってきた本からコピーするということなので、
この本の著者にも許諾を得ないといけない。順番はこれが先。
で、翻訳ものだったので、原著の方の許諾も必要です。
更に原著者が取ったであろう許諾(上の所蔵権所有者など)も必要。
絵の写真を撮った人の許諾も必要。
著作権は難しいのです。
でも著作権には例外規定があります。
個人が楽しむために自分が購入したものをコピーするのはOKだとか、
図書館で研究・調査に利用するための資料の一部を1人につき1部だけなら
コピーするのは可能とか。
(友達の分、と言って2部コピーしたら著作権法違反になります。
あと、本をまるごと一冊コピーしても違反です。)
今回の場合も「非営利目的でコピーするならかまわないのでは?」と
利用者さんに指摘されました。が、よくよくお聞きすると、
これを更にコピーして、非営利団体の勧誘に使いたい、ということでした。
これは上の例外規定の「個人の…」には当たりません。
特に、不特定多数に配布してしまう場合は、営利・非営利問わず、
譲渡権などにかかると思われます。
というわけで、許諾無しで勝手に本の絵をコピーして配ると
著作権侵害になっちゃいますからお気を付けを。
不特定多数に配布する、の時点で例外規定はなくなります。
ただし、授業などに利用する場合に、その授業に直接関係する人数分だけ、
コピーをとるのは例外規定に入るはずです。
今回は、例外規定のないケースなので、許諾を得るのが前提になります。
または著作権が完全に切れている本くらいですね、使えるのは。
比較的許諾を取りやすいのはインターネットで公開されているもの。
管理者に問い合わせればOKです。まあその管理者が別のところから
許諾を得ている場合はそちらにも問い合わせは必要ですが。
ただ、ネットで公開するのは「公衆送信権」という権利に関わり、
この権利にも例外規定はなかったと思いますので、
元の著作者の許諾を取っているはずです。
または管理人本人の著作物か、元々著作権が切れているものであるか。
(もしこのいずれにも当たらない場合は、その管理者が著作権法に触れています。)
公衆送信権の許諾を取れるような著作権者相手なら許諾は取り易いでしょうし、
管理人本人の著作物なら、その人に許諾をとれば終わりです。
著作権が切れているものであれば特に許諾はいらないですし…、
どのパターンであっても、最も許諾の取り易いもののひとつでしょう。
ということで、そういう紹介をしておきました。
でも、ちゃんと著作権を守ろうという姿勢は素晴らしいですね。
ちなみに著作権侵害は、親告罪です。
メールでのレファは、1ヶ月ほど前の調査で回答した方が、
再び送ってきた次の質問でした。
私企業の企画部の方で、何周年記念かの本を出すために
調査していらっしゃるということです。
また人に関する調査でした。
昭和30年代の内閣府の職員録やら、紳士録やらをひき、
人名辞典に新聞データベース、サイニィなんかをフル活用で、
何とか回答を作成。本日中に返信できました。
かなり時間がかかってしまった…。
途中でカウンターにお客様がきたりして、ばたばたしましたし。
というわけで午後は殆ど、原稿書きは出来ず。
でも本日は是非、電子ジャーナルの部分は書きたかったので、
ひっそりこっそり居残りで形だけ整えてきました。
もう少し足さないと駄目かな、とは思いますが。
ああ、それにしても眠い。ちょっと疲れました。
明日は掛長がお休み。
頑張らなきゃー!なんですけど、頑張れるかなー。
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プロフィール
HN:
菜の花
性別:
女性
職業:
大学図書館職員11年目
趣味:
読書、アニメ、ゲーム、Alto&Tenor Sax
自己紹介:
理系院卒の大学図書館員。産休・育休を1年挟み、ついに採用11年目。「参考調査担当」(3年間)→「某文系図書室(主担当:和洋図雑の目録)」(3年間)→「某資料室(主担当:総括&和洋図雑の目録)」(2年10ヵ月)→産休・育休(1年2ヶ月)→「閲覧担当」(2016年4月~)
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