菜の花の大学図書館日誌
理系出身だったことを忘れかけている司書・菜の花の、大学図書館な日々。
危機感
- 2007/10/19 (Fri)
- 1-3年目(参考調査編) |
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360日目。あ、結構好みの数字。
本日は朝から事務室の流しを磨きました。でも、うちの事務室って元々書架だったところを無理矢理パーティションで区切って作ったところなので、流しといってもトイレの手洗いくらいが1つあるきりです。いや、それどころかトイレを何年か前に改修した今となっては、トイレの流しの方が上等です、明らかに。うう、トイレに劣るのか…。
昨日書いたニュースのミス指摘が課長補佐からやってきて(いや、そもそも課長補佐の送ってきた原稿が間違っていたのであって、菜の花がミスしたわけではない)、それを修正。
そのあと、最近の新しい習慣。係のM嬢が出勤してくる前に、彼女の本日のお仕事をメールで依頼すること。いつも係長にも「何か頼む仕事はありますか?」とお聞きしています。すでにメールを打ちながら聞いたところ、即答でした。
「机!を片付ける!」
…はあ…、机ですか。確かに菜の花の机ってば、ノートPCが書類の山の下から救出されたりしてますね…。って、あ、菜の花じゃなくって?
とりあえず、係長命令発動ということで、机の上をみんなそれぞれ片付けることにしました。菜の花も片付けます。がしがし。がしがし。がしがし…。
ををを、見て下さい、この机をっ!天板可視率、高っ! これは凄いですよっ。快挙かも。お見せできないのが残念です、ええ。いやあ、素晴らしい。清々しい。あまりの爽やかさに、むしろ落ち着かないくらいです。
まあ…この世界には、エントロピー増大の法則という、逆らいがたい恐ろしい物理法則が存在するので、いつまで維持できるか…。大体、菜の花の片付けられない友人達は皆さん、そう仰るのです。基本、理系の友人が多いので、そんなことばっかり思いついちゃうのですね、怖いぞ理系女性。
だが、菜の花は主張しましょう。それは違うのだ!生き物らしく生きるためには、片づけが必要なのです、ええ。生物は放置すれば増大する一方のエントロピーを、下げよう下げようとします。それが生きるってことだ!とすら言えるかも。というわけで、生きるとはエントロピーを下げる行為、生物の矜持としてエントロピー増大則に甘んじてはならないのです、ってことで。
それはおいといて。
まあ、机がすっきりしたところでM嬢へのメールを送信。それから秋季講習会のポスターをひっつかみ、営業活動に出掛けました。
各部局の事務室、図書室、コンピュータ関連のセンター。様々な場所を巡って、ポスターをがっつり貼ってきました!ええ。10枚くらい、貼れました。でもお昼になっちゃったので戻ってきました。
途中で寄った生物系の図書室で、懐かしいものを見せてもらいました。その図書室は狭いので、第2書庫があるのですが、そちらの鍵の貸出記録でした。そんな大したものではなくて、自己申告でファイルに記名するだけの記録ですけれども。この書庫は基本的に非常に古い雑誌のバックナンバーだけが置かれています。菜の花が生まれる前の学術雑誌とか。その入室の記録が何と、古いものもちゃんととってありました。凄いかも。菜の花が卒研生時代のものまであったのです。確かに、今と変わらない菜の花の筆跡。自筆だ、間違いない。ぱらぱらページをめくると、数回、菜の花の名前が出てきました。菜の花の所属していたのは物理だったのですが、この生物系の図書室は結構利用していたのです。懐かしい名前が沢山で、思わず遠い目。あー、この方、今はK大学でポスドクだよね、とか、彼は企業さんで働いているんだっけ、とか、S先生、今頃どうしているかしら?とか。面白かったです、ええ。Sさん、どうもありがとうございました。
それにしても凄いのは、菜の花が来ていた初期は、この記録は毎日のように記入があるのですが、だんだん利用者が減っているのですよね。今年なんか5月くらいの次に8月だったりしましたからその減りっぷりの激しさよ。第2書庫は古い学術雑誌のバックナンバー、最近はうちの大学でも電子ジャーナルの導入が盛んで、これらが全部、オンライン上で読めちゃったりするようになったのです。それで、実際に書庫まで来る人が少なくなってしまったのですね。こういうのを見ているとやはり、図書館の将来に思いをめぐらせてしまいます。今のままの姿の図書館はきっともう、存続し得ない時代が来ているのです。この実例を見て下さい、と言いたい。
その対策を色々上の皆々様が考えていることは知っています。今日も回覧が来ていましたね、全国の数大学の図書館関係のお偉いさんが集まってやった会議の資料。そこでも盛んに問題提起されているこれ。でも、お偉いさんのやることは、お偉いさんの話。予算とか、運営とか…。それは、とても大事で、まずは予算の確保なく、または運営の方針なくことは絶対に進まないのですけれども、その円滑な進行に必要不可欠なのが、職員全体にいきわたる共通認識、ここでは特に危機感でしょうか。それは、足りているのだろうか。本当に、崖っぷちに立たされているというのが、肌で感じられ、目に見え、噂が耳に届いているのでしょうか。ここには、それがある。でも、この危機感を本気で図書館員全員が感じているのでしょうか。
やはり、たまには図書館から出て、もっと見て、訊いて、感じないと、と切に思います。でも聞こえないのですよね。この図書室の職員Sさんも、危機意識はあるものの、院生の声は届かず、何かを変える余裕もないようでした。何故なら彼女は、この図書室の唯一の職員だから。彼女しかこの図書室にはいないので、すべての仕事を1人で行なうことになります。そりゃ余裕なんて出来ない。
つい先ごろ、この図書室が所属図書室である院生の友人と話したばかりだったのですが、彼女の意見は「あの図書室、要らない。」でした。それが多分、院生の正直なところでしょうね。それは、殆どページが進まなくなったこの利用簿を見たって一目瞭然なのですから。院生にそう言わせてしまうこの図書室、どうしたら変えられるかを、思わずしばらく熟考してしまった菜の花でした。来年はうちの図書館、新規採用者が3名もいるようですが、願わくばその3名全員が、こういう危機意識を持ち、更にそれを何とかしていくすべを考えられる、柔軟なタイプの人でありますように。そうでなければ菜の花はきっと、どうしたら図書館を解体できるかについて考えをめぐらす人間になってしまいそうです。昔ながらの図書館を維持しようとするくらいなら、大学図書館は解体された方がいい。そしてすべてをシステム系の人間で置き換えた方が建設的で、費用対効果も高いと踏んでいるのですが、さすがにそれは暴論か。でもそれくらいの意識は、必要かもね。目先のことだけ、目先の忙しさだけを見ていては立ち行かない、ということを忘れないようにしようっと。
何て言っている間に時間がなくなってしまった…。困ったことです。こんなことをしている場合じゃなかった。何だかんだで今週は全然、帰宅してから仕事にならず。来週の目標は残業ゼロ&ブログ短文化。ということで。
本日は朝から事務室の流しを磨きました。でも、うちの事務室って元々書架だったところを無理矢理パーティションで区切って作ったところなので、流しといってもトイレの手洗いくらいが1つあるきりです。いや、それどころかトイレを何年か前に改修した今となっては、トイレの流しの方が上等です、明らかに。うう、トイレに劣るのか…。
昨日書いたニュースのミス指摘が課長補佐からやってきて(いや、そもそも課長補佐の送ってきた原稿が間違っていたのであって、菜の花がミスしたわけではない)、それを修正。
そのあと、最近の新しい習慣。係のM嬢が出勤してくる前に、彼女の本日のお仕事をメールで依頼すること。いつも係長にも「何か頼む仕事はありますか?」とお聞きしています。すでにメールを打ちながら聞いたところ、即答でした。
「机!を片付ける!」
…はあ…、机ですか。確かに菜の花の机ってば、ノートPCが書類の山の下から救出されたりしてますね…。って、あ、菜の花じゃなくって?
とりあえず、係長命令発動ということで、机の上をみんなそれぞれ片付けることにしました。菜の花も片付けます。がしがし。がしがし。がしがし…。
ををを、見て下さい、この机をっ!天板可視率、高っ! これは凄いですよっ。快挙かも。お見せできないのが残念です、ええ。いやあ、素晴らしい。清々しい。あまりの爽やかさに、むしろ落ち着かないくらいです。
まあ…この世界には、エントロピー増大の法則という、逆らいがたい恐ろしい物理法則が存在するので、いつまで維持できるか…。大体、菜の花の片付けられない友人達は皆さん、そう仰るのです。基本、理系の友人が多いので、そんなことばっかり思いついちゃうのですね、怖いぞ理系女性。
だが、菜の花は主張しましょう。それは違うのだ!生き物らしく生きるためには、片づけが必要なのです、ええ。生物は放置すれば増大する一方のエントロピーを、下げよう下げようとします。それが生きるってことだ!とすら言えるかも。というわけで、生きるとはエントロピーを下げる行為、生物の矜持としてエントロピー増大則に甘んじてはならないのです、ってことで。
それはおいといて。
まあ、机がすっきりしたところでM嬢へのメールを送信。それから秋季講習会のポスターをひっつかみ、営業活動に出掛けました。
各部局の事務室、図書室、コンピュータ関連のセンター。様々な場所を巡って、ポスターをがっつり貼ってきました!ええ。10枚くらい、貼れました。でもお昼になっちゃったので戻ってきました。
途中で寄った生物系の図書室で、懐かしいものを見せてもらいました。その図書室は狭いので、第2書庫があるのですが、そちらの鍵の貸出記録でした。そんな大したものではなくて、自己申告でファイルに記名するだけの記録ですけれども。この書庫は基本的に非常に古い雑誌のバックナンバーだけが置かれています。菜の花が生まれる前の学術雑誌とか。その入室の記録が何と、古いものもちゃんととってありました。凄いかも。菜の花が卒研生時代のものまであったのです。確かに、今と変わらない菜の花の筆跡。自筆だ、間違いない。ぱらぱらページをめくると、数回、菜の花の名前が出てきました。菜の花の所属していたのは物理だったのですが、この生物系の図書室は結構利用していたのです。懐かしい名前が沢山で、思わず遠い目。あー、この方、今はK大学でポスドクだよね、とか、彼は企業さんで働いているんだっけ、とか、S先生、今頃どうしているかしら?とか。面白かったです、ええ。Sさん、どうもありがとうございました。
それにしても凄いのは、菜の花が来ていた初期は、この記録は毎日のように記入があるのですが、だんだん利用者が減っているのですよね。今年なんか5月くらいの次に8月だったりしましたからその減りっぷりの激しさよ。第2書庫は古い学術雑誌のバックナンバー、最近はうちの大学でも電子ジャーナルの導入が盛んで、これらが全部、オンライン上で読めちゃったりするようになったのです。それで、実際に書庫まで来る人が少なくなってしまったのですね。こういうのを見ているとやはり、図書館の将来に思いをめぐらせてしまいます。今のままの姿の図書館はきっともう、存続し得ない時代が来ているのです。この実例を見て下さい、と言いたい。
その対策を色々上の皆々様が考えていることは知っています。今日も回覧が来ていましたね、全国の数大学の図書館関係のお偉いさんが集まってやった会議の資料。そこでも盛んに問題提起されているこれ。でも、お偉いさんのやることは、お偉いさんの話。予算とか、運営とか…。それは、とても大事で、まずは予算の確保なく、または運営の方針なくことは絶対に進まないのですけれども、その円滑な進行に必要不可欠なのが、職員全体にいきわたる共通認識、ここでは特に危機感でしょうか。それは、足りているのだろうか。本当に、崖っぷちに立たされているというのが、肌で感じられ、目に見え、噂が耳に届いているのでしょうか。ここには、それがある。でも、この危機感を本気で図書館員全員が感じているのでしょうか。
やはり、たまには図書館から出て、もっと見て、訊いて、感じないと、と切に思います。でも聞こえないのですよね。この図書室の職員Sさんも、危機意識はあるものの、院生の声は届かず、何かを変える余裕もないようでした。何故なら彼女は、この図書室の唯一の職員だから。彼女しかこの図書室にはいないので、すべての仕事を1人で行なうことになります。そりゃ余裕なんて出来ない。
つい先ごろ、この図書室が所属図書室である院生の友人と話したばかりだったのですが、彼女の意見は「あの図書室、要らない。」でした。それが多分、院生の正直なところでしょうね。それは、殆どページが進まなくなったこの利用簿を見たって一目瞭然なのですから。院生にそう言わせてしまうこの図書室、どうしたら変えられるかを、思わずしばらく熟考してしまった菜の花でした。来年はうちの図書館、新規採用者が3名もいるようですが、願わくばその3名全員が、こういう危機意識を持ち、更にそれを何とかしていくすべを考えられる、柔軟なタイプの人でありますように。そうでなければ菜の花はきっと、どうしたら図書館を解体できるかについて考えをめぐらす人間になってしまいそうです。昔ながらの図書館を維持しようとするくらいなら、大学図書館は解体された方がいい。そしてすべてをシステム系の人間で置き換えた方が建設的で、費用対効果も高いと踏んでいるのですが、さすがにそれは暴論か。でもそれくらいの意識は、必要かもね。目先のことだけ、目先の忙しさだけを見ていては立ち行かない、ということを忘れないようにしようっと。
何て言っている間に時間がなくなってしまった…。困ったことです。こんなことをしている場合じゃなかった。何だかんだで今週は全然、帰宅してから仕事にならず。来週の目標は残業ゼロ&ブログ短文化。ということで。
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プロフィール
HN:
菜の花
性別:
女性
職業:
大学図書館職員11年目
趣味:
読書、アニメ、ゲーム、Alto&Tenor Sax
自己紹介:
理系院卒の大学図書館員。産休・育休を1年挟み、ついに採用11年目。「参考調査担当」(3年間)→「某文系図書室(主担当:和洋図雑の目録)」(3年間)→「某資料室(主担当:総括&和洋図雑の目録)」(2年10ヵ月)→産休・育休(1年2ヶ月)→「閲覧担当」(2016年4月~)
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