菜の花の大学図書館日誌
理系出身だったことを忘れかけている司書・菜の花の、大学図書館な日々。
びっくりした忘れ物。
- 2007/01/16 (Tue)
- 1-3年目(参考調査編) |
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178日目。火曜日ー。
今日はびっくりする忘れ物を発見しました。
いや、ほんとにびっくりしましたから。
何気なく、オンライン目録の端末に目をやったら、キーボードの前にぽんと、
近くのコンビニのレジ袋が置いてあったのです。
何だろう、ゴミでも放置されているのか?
…と多少ご立腹で手に取ってみたら、何だかむにゅ、という触感。
何だろう。覗き込むと、中にはTシャツかタオルを丸めたような布地が。
くすんだ赤色の柄ものでした。うーん、何だろう。どんな忘れ物?
こわごわ横から掴んだら、少し固い部分も。
うーん、もしかして、何かが包み込まれているのかも。
よくよく見るとこの布地、結び目もあるし。
そうか、大きなハンカチなのか。
それで、ちょっと中身を覗いてみることに。
こわごわ開けてみると、中からアルミホイルに包まれた何かと、
下の方にプラスチックの容器が。
これは…お弁当か!
アルミホイルは三角形。やや横に長い。
多分手作りおにぎりが2個ほど。
ということは、下の容器がおかずですか。
しかし小さめお弁当。きっと小食な女の子ですね。
とりあえず、危険な物体ではなかったようで一安心。
…って、何を想像していたのか、菜の花は。
いやあ、でも何ヶ月か前にですね、ネットの掲示板で、
うちの県内の大学の放火予告が書き込まれたことがあって、
サイバー警察(あるんですね、本当に)に通報され、
所轄の警察署から注意喚起が来ていたことがあったのです。
大学を狙って何をするつもりか…。
まあ、そういう方も世の中にはいらっしゃるようなので、
警戒してみた菜の花でした。
でもこれ、普通の忘れ物コーナーには置けません。
いつもなら、忘れ物コーナーに安置なんですが、これは賞味期限があるでしょう!
午前中だったので、夕方までに持ち主が現れなければ、
中身に関しては申し訳ないですが処分しないと危険な予感です、はい。
で、受付さんに渡しました。驚いていました。
いや、驚くでしょう。
一瞬、「元に戻しませんか?」と提案されそうな雰囲気が。
確かにこれ、黙って持っていってしまう人は少ないでしょうね。
まあ、またすぐに誰かに届けられるのは必至なので、受付保管で。
結局、お昼過ぎに持ち主が現れたそうです。
菜の花はたまたま席を外していて出会えず。
何でも「食べようと思ったら、ないことに気付いた」そうです。
うーん、その前に気付きましょうよ…(笑)。
きっと雨がやむと傘を忘れるタイプではないでしょうか、この方。
お昼休みに隣の掛のパートさんとバイトさんにPCの表示がおかしい、
と相談され、対応していたら「先生!」と呼ばれました。びみょー。
正直、菜の花はあまりハードにもソフトにも強くないのですが。
パソコン触るの好きですが、得意というほどでもありません。
システムの人に聞かれたら恥ずかしいからやめてくれーと。
そして
「(菜の花さんって)理系っぽいですよねー」
とバイトさんには言われました。
いや、理系っぽいではなく、理系ですけどね。
ちなみに職場の人たちを見ているとどうやら、
菜の花のことを理系出身と知っている人は
「やっぱり理系の人って変わってるよね」と思い、
知らない人は
「菜の花さんって変わってるよね」と思っているとかいないとか。
うーん、どちらに転んでも変わり者認定ですか。
原因は属性のせいか、個人の資質のせいか…さて?
本日のレファで一番「調べたー!」と感じたのは、メールでのレファレンス。
うちの大学出身の先生方のお名前というのが十数人、
ずらずらーと並べられまして、略史編纂のために
この方々の逝去日と享年を知りたい、ということでありました。
とりあえず菜の花の選んだ第一手は、ジャパン・ナレッジ。
有料のオンライン検索で、日本人名大辞典がひけます。
やってみたところ、半分弱の人が記載ありで、いきなり分かりました。
うーん、そうそうたる顔ぶれだったのですね、このお名前一覧は。
辞典に載っているとは驚きです。
哲学者、とか政治学者、とか宇宙物理学者とか、とにかく分野を問わず、
色々な学問の第一人者だったみたいです。
さてあと半分ちょっと、残っています。次にどうしよう、と悩んでいたら
掛長が菜の花の後ろで「最近亡くなった人なら新聞…」と
ぽつりと呟いていかれました。あ!そうか!
いやあ掛長、いつもいつもお手を煩わせております!
それでこの地方で優位の新聞のこれまたオンライン記事索引をひきました。
使えるのは80年代後半から。それ以前のものはひけません。
が、この新聞は地方に強いので、
うちの大学の先生であった人なら、きっと訃報を載せているはずです。
これで更に半数が見つかりました。
訃報には生年月日は書かれていませんが、逝去年月日と享年は分かります。
次は全国紙である別の新聞のオンライン記事索引に移りました。
全国紙なので必ずしもうちの大学の先生は取り上げていないかもしれませんが、
この新聞記事索引は、うちの大学が契約する収録範囲が1945年から。
つまり戦後に亡くなった先生であれば、取り上げられている可能性があります。
引いてみるとまた何人かがこれで判明致しました。
さて、残るはあとお二方。
この方々は、一体どういう方であろうか…。
お一人は著書がうちの大学にありました。
書架に見に行ってみると、古典文学の注釈書でした。
戦前に出た本でした。著者の名前の前に肩書きがあり、
確かにうちの大学の名前が出ていました。
この時点で助教授だったようです。
うーん、このあと何年ご存命だったか分かりませんが、
もしかしたらこれは、先ほどの新聞の収録範囲以前に
亡くなっていらっしゃるかもしれません。
それなら記事がヒットしなかったのも納得。
しかし、ここでまた手詰まり状態。
困った。。。困ったときの掛長だのみ。
ほんと、お手数お掛けいたします。
「雑誌記事索引を引いてみてはどうか?」という提案を頂きました。
なるほど。あれなら戦前も収録範囲になっているものがありますね。
その先生の論文なんか見つかるとヒントになるかもしれません。
で、サイニィを引いてみました。
一発でビンゴ!
何と、先ほどの助教授先生の、追悼論文が見つかったのです。
先生の年譜も4ページほどあるらしい!
急いで所蔵を確かめました。あった!
中身は…大当たり!しっかりした年譜で、
何とご長男誕生まできっちりと書かれておりました。
どうやらうちの大学に在職中に逝去されてしまったようで、
大学の紀要に載っていたのです。やはり、没年は戦前でした。
で、最後のお一人も同じくサイニィで引いて「略歴」発見。
またもうちの大学の紀要でした。見に行ってみたら…。
あった!先生の写真!そして略歴…ってあれ?没年ないじゃん。
と思ったら、どうやら在職の先生方の紹介だけだったようで、
この紀要が出た時点でまだご存命だった模様。
うーん、ではこの先生、いつまで生きていらっしゃったのか。
あれ…?1985年にもヒットがありました。対談みたいです。
最初は同姓同名かと思いましたが、
この先生はかなり変わったお名前で、ご本人である可能性が大変高い。
そういえばこの先生のお名前でひいた地方に強いあの新聞の記事、
訃報じゃないものがいっぱいヒットしてたっけ…と思い出しました。
もう一度戻ってみましょう。
で、分かったことは、どうやら2001年の新聞記事に出ていたのもご本人らしい…。
えー、ちょっと待って、この先生、明治の生まれですよ、
しかも大正との変わり目とかそんなぎりぎりでもありません。
ほんとに?
とにかく地方紙に20年の間に20件以上もお名前入りの記事が
載っていることが分かりました。肩書きなどを追いかけてみると、
どうやらすべてご本人だと思われます。
別に大きな事件を起こしたわけでもない人がこの頻度とは、
かなり、頻繁といってもいいでしょう。
そんな先生が、亡くなられて訃報を出さないなんておかしくないですか?
…まさか。
いや、そんなまさか。
うーん、でももしかして。
ひょっとしてひょっとするとこの先生、まだご存命なのでは…?
とりあえず本日は時間切れです。明日、再調査する予定です。
今日はびっくりする忘れ物を発見しました。
いや、ほんとにびっくりしましたから。
何気なく、オンライン目録の端末に目をやったら、キーボードの前にぽんと、
近くのコンビニのレジ袋が置いてあったのです。
何だろう、ゴミでも放置されているのか?
…と多少ご立腹で手に取ってみたら、何だかむにゅ、という触感。
何だろう。覗き込むと、中にはTシャツかタオルを丸めたような布地が。
くすんだ赤色の柄ものでした。うーん、何だろう。どんな忘れ物?
こわごわ横から掴んだら、少し固い部分も。
うーん、もしかして、何かが包み込まれているのかも。
よくよく見るとこの布地、結び目もあるし。
そうか、大きなハンカチなのか。
それで、ちょっと中身を覗いてみることに。
こわごわ開けてみると、中からアルミホイルに包まれた何かと、
下の方にプラスチックの容器が。
これは…お弁当か!
アルミホイルは三角形。やや横に長い。
多分手作りおにぎりが2個ほど。
ということは、下の容器がおかずですか。
しかし小さめお弁当。きっと小食な女の子ですね。
とりあえず、危険な物体ではなかったようで一安心。
…って、何を想像していたのか、菜の花は。
いやあ、でも何ヶ月か前にですね、ネットの掲示板で、
うちの県内の大学の放火予告が書き込まれたことがあって、
サイバー警察(あるんですね、本当に)に通報され、
所轄の警察署から注意喚起が来ていたことがあったのです。
大学を狙って何をするつもりか…。
まあ、そういう方も世の中にはいらっしゃるようなので、
警戒してみた菜の花でした。
でもこれ、普通の忘れ物コーナーには置けません。
いつもなら、忘れ物コーナーに安置なんですが、これは賞味期限があるでしょう!
午前中だったので、夕方までに持ち主が現れなければ、
中身に関しては申し訳ないですが処分しないと危険な予感です、はい。
で、受付さんに渡しました。驚いていました。
いや、驚くでしょう。
一瞬、「元に戻しませんか?」と提案されそうな雰囲気が。
確かにこれ、黙って持っていってしまう人は少ないでしょうね。
まあ、またすぐに誰かに届けられるのは必至なので、受付保管で。
結局、お昼過ぎに持ち主が現れたそうです。
菜の花はたまたま席を外していて出会えず。
何でも「食べようと思ったら、ないことに気付いた」そうです。
うーん、その前に気付きましょうよ…(笑)。
きっと雨がやむと傘を忘れるタイプではないでしょうか、この方。
お昼休みに隣の掛のパートさんとバイトさんにPCの表示がおかしい、
と相談され、対応していたら「先生!」と呼ばれました。びみょー。
正直、菜の花はあまりハードにもソフトにも強くないのですが。
パソコン触るの好きですが、得意というほどでもありません。
システムの人に聞かれたら恥ずかしいからやめてくれーと。
そして
「(菜の花さんって)理系っぽいですよねー」
とバイトさんには言われました。
いや、理系っぽいではなく、理系ですけどね。
ちなみに職場の人たちを見ているとどうやら、
菜の花のことを理系出身と知っている人は
「やっぱり理系の人って変わってるよね」と思い、
知らない人は
「菜の花さんって変わってるよね」と思っているとかいないとか。
うーん、どちらに転んでも変わり者認定ですか。
原因は属性のせいか、個人の資質のせいか…さて?
本日のレファで一番「調べたー!」と感じたのは、メールでのレファレンス。
うちの大学出身の先生方のお名前というのが十数人、
ずらずらーと並べられまして、略史編纂のために
この方々の逝去日と享年を知りたい、ということでありました。
とりあえず菜の花の選んだ第一手は、ジャパン・ナレッジ。
有料のオンライン検索で、日本人名大辞典がひけます。
やってみたところ、半分弱の人が記載ありで、いきなり分かりました。
うーん、そうそうたる顔ぶれだったのですね、このお名前一覧は。
辞典に載っているとは驚きです。
哲学者、とか政治学者、とか宇宙物理学者とか、とにかく分野を問わず、
色々な学問の第一人者だったみたいです。
さてあと半分ちょっと、残っています。次にどうしよう、と悩んでいたら
掛長が菜の花の後ろで「最近亡くなった人なら新聞…」と
ぽつりと呟いていかれました。あ!そうか!
いやあ掛長、いつもいつもお手を煩わせております!
それでこの地方で優位の新聞のこれまたオンライン記事索引をひきました。
使えるのは80年代後半から。それ以前のものはひけません。
が、この新聞は地方に強いので、
うちの大学の先生であった人なら、きっと訃報を載せているはずです。
これで更に半数が見つかりました。
訃報には生年月日は書かれていませんが、逝去年月日と享年は分かります。
次は全国紙である別の新聞のオンライン記事索引に移りました。
全国紙なので必ずしもうちの大学の先生は取り上げていないかもしれませんが、
この新聞記事索引は、うちの大学が契約する収録範囲が1945年から。
つまり戦後に亡くなった先生であれば、取り上げられている可能性があります。
引いてみるとまた何人かがこれで判明致しました。
さて、残るはあとお二方。
この方々は、一体どういう方であろうか…。
お一人は著書がうちの大学にありました。
書架に見に行ってみると、古典文学の注釈書でした。
戦前に出た本でした。著者の名前の前に肩書きがあり、
確かにうちの大学の名前が出ていました。
この時点で助教授だったようです。
うーん、このあと何年ご存命だったか分かりませんが、
もしかしたらこれは、先ほどの新聞の収録範囲以前に
亡くなっていらっしゃるかもしれません。
それなら記事がヒットしなかったのも納得。
しかし、ここでまた手詰まり状態。
困った。。。困ったときの掛長だのみ。
ほんと、お手数お掛けいたします。
「雑誌記事索引を引いてみてはどうか?」という提案を頂きました。
なるほど。あれなら戦前も収録範囲になっているものがありますね。
その先生の論文なんか見つかるとヒントになるかもしれません。
で、サイニィを引いてみました。
一発でビンゴ!
何と、先ほどの助教授先生の、追悼論文が見つかったのです。
先生の年譜も4ページほどあるらしい!
急いで所蔵を確かめました。あった!
中身は…大当たり!しっかりした年譜で、
何とご長男誕生まできっちりと書かれておりました。
どうやらうちの大学に在職中に逝去されてしまったようで、
大学の紀要に載っていたのです。やはり、没年は戦前でした。
で、最後のお一人も同じくサイニィで引いて「略歴」発見。
またもうちの大学の紀要でした。見に行ってみたら…。
あった!先生の写真!そして略歴…ってあれ?没年ないじゃん。
と思ったら、どうやら在職の先生方の紹介だけだったようで、
この紀要が出た時点でまだご存命だった模様。
うーん、ではこの先生、いつまで生きていらっしゃったのか。
あれ…?1985年にもヒットがありました。対談みたいです。
最初は同姓同名かと思いましたが、
この先生はかなり変わったお名前で、ご本人である可能性が大変高い。
そういえばこの先生のお名前でひいた地方に強いあの新聞の記事、
訃報じゃないものがいっぱいヒットしてたっけ…と思い出しました。
もう一度戻ってみましょう。
で、分かったことは、どうやら2001年の新聞記事に出ていたのもご本人らしい…。
えー、ちょっと待って、この先生、明治の生まれですよ、
しかも大正との変わり目とかそんなぎりぎりでもありません。
ほんとに?
とにかく地方紙に20年の間に20件以上もお名前入りの記事が
載っていることが分かりました。肩書きなどを追いかけてみると、
どうやらすべてご本人だと思われます。
別に大きな事件を起こしたわけでもない人がこの頻度とは、
かなり、頻繁といってもいいでしょう。
そんな先生が、亡くなられて訃報を出さないなんておかしくないですか?
…まさか。
いや、そんなまさか。
うーん、でももしかして。
ひょっとしてひょっとするとこの先生、まだご存命なのでは…?
とりあえず本日は時間切れです。明日、再調査する予定です。
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HN:
菜の花
性別:
女性
職業:
大学図書館職員11年目
趣味:
読書、アニメ、ゲーム、Alto&Tenor Sax
自己紹介:
理系院卒の大学図書館員。産休・育休を1年挟み、ついに採用11年目。「参考調査担当」(3年間)→「某文系図書室(主担当:和洋図雑の目録)」(3年間)→「某資料室(主担当:総括&和洋図雑の目録)」(2年10ヵ月)→産休・育休(1年2ヶ月)→「閲覧担当」(2016年4月~)
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