忍者ブログ

菜の花の大学図書館日誌

理系出身だったことを忘れかけている司書・菜の花の、大学図書館な日々。

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

地元の公共図書館来訪記

番外編。

みなさまゴールデン・ウィークをいかがお過ごしでしょうか?

菜の花はカレンダー通りの4連休なので、実家に帰省中です。で、折角帰ってきましたので、地元で図書館見学ということで、公共図書館に行ってきました。菜の花、実家の近くの公共図書館には初来訪です。こちらにいる頃には公共図書館とは縁のない生活をしていたので。今は、公共図書館なしでは文化的生活を危うくされるほどですが。

そんなわけで、菜の花の某K町図書館来訪記。単なる感想ばかりなんですけれどもね。


さて、緊張の第一歩。おお、綺麗だ。まだ新しいので建物がとても綺麗。入ってすぐ、正面にプラズマテレビの化け物みたいな、大きな画面があって、アクアリウムな映像を流しています。ちゃんと水の音声も。右手には階段と、その手前にギャラリー。ガラス張りで外も見られる明るい空間で展示をしています。広さは…、そんなに広くないですけど。階段は上に向かっていきます。上はあとから行ってみましょう。

左手には入り口。その前に館内案内図と利用案内の文章。暖色系の配色ですが、品よく落ち着いたいい色合いです。暖色系はどうしても「元気!」なイメージが先行しがちですが、これは暖かいのに落ち着いていて、知的かつ優しい感じがして好感度が高いですね。ざっと目を通してから、中へ。自動ドアを入ると、正面は2階までの吹き抜け。2階建てなので天井まで、ということです。この部分はバームクーヘンみたいに長細い円形の屋根。真上は普通の建材ですが、上部側面はガラスで(…はないかもしれないが、透明な建材ということ)、どうやっているかは分かりませんが、なかなかいい採光になっています。この真下のホール部分はそれほど電灯をつけていませんがとても明るい。いいですね、自然な感じでとても好感が持てます。ホール部分にあるのは、受付や貸出返却、相談カウンター。明るくていいのですが…、逆に問題だな、と思ったのは音。吹き抜けているのでとても響きます。しかもカウンターの人は2・3名で人が来たときにそちらにフォローに入ったり移動するのですが、この足音が響く!うわあ、書架にいても気になる…。更に、カウンターでおばちゃん同士のお話が始まったりすると、気になって気になって仕方ない…。入口を入ってすぐなので、子供が泣いたりもしていて、ちょっとどうしようもないな、この空間、という感じ。明るいのはいいんですけどねー…。もう少し防音の建材を利用した方がよかったのでは。まあ、今更建物に文句を言っても仕方ないのですけれども。

入口右手に振り返る形で児童コーナー。読み聞かせの部屋もあり、書架全体も「よくある工夫」がなされています。菜の花、公共図書館はよく知らないのですけれど、公共図書館って他のどの分野よりも児童サービスに関する研究が一番進んでいるような。どこの図書館でも「ほー、なるほど」な工夫、しかも挑戦的なものというより、すでに練られたものが多いですね。こどもに対するサービスって思わず真剣に研究してしまう優しい図書館員さんが多いのかもしれませんね。

もう一度視線を戻すと、入口から見て左手はサービスカウンター。右手はブラウジングコーナーで、雑誌コーナーが続いています。それから新着コーナー。ティーンズコーナー、AVコーナーなどの別置が続き、更に奥が日本十進分類法にのっとった図書のコーナー。OPACはタッチパネル式が1台、カウンターと新着コーナーの間辺りに。左手は、カウンターに続いてPCコーナー。6台くらい。申し込み制でインターネットが出来るようです。軽く制限のかかったWinですね。視覚障害者用の読み上げ機もありました。

AVコーナーはなかなか面白いボックス形式。これはありだなーと思いました。ボックスを取り囲む壁部分は書架なのです。ちょっと説明が難しいんですけど。これ、どこかでも見たけど…覚えてないや。でも、うちの図書館でも使えると思いましたね。ちょっと提案してみよう。

図書は、他に別置になっているものとして大型本と参考図書、文学全集など。文学全集は、9番台の並んでいる辺りの壁に作りつけの書棚で、種類ごとに並んでいました。参考図書は一番奥の壁作りつけの書棚。その正面に、全国の電話帳。最新版のみですが、バックナンバーはどうしているのかな。

閲覧席は窓際に幾つか。机の上だけガラス板で区切られた1人用の席も。ここはPC持込可能な場所のようです。なお、無線LANに対応していて、全館Free Spotらしいですよ。へー。一番奥の隅に、またガラス張りで外が見えるところがあり、そこには扇形の外側に座れるソファーが配されていました。どこに座っても外が見えます。その内側の円形空間には丸い机と椅子が何脚か。あ、これ、うまい!。これも参考になりますね。

2階は入口から見て正面奥に、吹き抜けていない部分がわずかにあり、そこへは左手奥の階段で上がれます。郷土資料コーナーなのですが、ちょっと資料が少ない…。ミニ展示空間もあり、郷土資料の展示がされていました。そこに向かい合う形でカウンターがあり、こちらは気難しそうなおじさんがひとり、古文書っぽいものを読んでいました。多分、専門員の職員さん。ちょっと怖くて近寄れず。郷土資料の中でも古いものに関してはガラス張りの保存室に入っているようでした。保存箱にちゃんと収められていました。閉架書庫もこのフロアにあるようですが、立ち入り禁止。

一旦戻って、入口から出てから今度は右手にあった階段から上ります。上ってすぐ右手には生涯学習室。ガラス張りの部屋に1人用にやはりガラス板で机の上が区切られた四角い机が並んでいます。お話不可の静寂空間です。様々な年齢層の方が、熱心に読書されていました。おおお、理想的な図書館の姿。

階段を挟んで逆側の丸いガラス張りの空間は、まったく正反対でおしゃべりOKの部屋。こちらは基本が全部丸のようで、高い机、低い机、どれも円形か楕円形で、飲食もOK、ドリンク売り場もあります。ガラスを透かして見ると、階段をはさんだ向こうにはさっきの静寂空間が見えていて、逆を振り返ると、緑豊か…というか、雄大な山脈が…(そういう田舎に実家があるもので)。なかなかいい空間ですが、中学生くらいの男の子の一団が占領していて、ちょっと入りづらい感じでした。

もう一度階段まで戻ります。さっきの静寂空間の奥側はウッドデッキで外に出られます。更に奥の部屋が展示室で、今は何かの写真展をやっているようでした。後で入口正面にあったプラズマテレビの化け物さんで「イベント情報」を流していたのでちらっと見たら、2週間単位か1ヶ月単位か、それくらいの頻度で展示を替えていくようでした。ちなみにこの展示は図書館がやっているのではなく、外部の活動の展示場のようです。写真展でしたしね、本日の場合も。

その他、電話をするスペースは入口の脇にありました。コピー機は1台。建物の関係としてはこんなものかな。


本の充実度などは…うーん、小さな図書館ですから、こんなものでしょうか。菜の花が小学生…いや、高校生の頃も、まだこの図書館はありませんでしたので、通うこともありえませんでしたけれども、もしも今現在、菜の花が高校生でここに住んでいたとしても、この図書館にはきっと通いませんね。正直な印象は、学習には使えない図書館だな、というもの。かと言って、小説等のエンターテイメント的な本が充実しているか?と言えばそれもまた…。一般娯楽雑誌は結構多いかな。しかし圧倒的に洋書が少ない!もう数えるほどしかありません。せめてハリポタとか、一般的な小説の原書みたいなものでもいいから、もっと置いたらいいのに、という感じ。

参考係の選書担当としては、是非見ておきたいのが参考図書の内容ですが、こちらはなかなか妥当、という印象でした。この規模の図書館としての必要最小限のものは揃えているし、結構いい選書してるなー、見習わなくちゃ、みたいな感じ。2冊ほど、今現在うちの図書館で選書候補に挙がっている本がすでに入っていたので読ませて頂きました。ほー。へー。というか、この本入れたのか!というのもあり。うちでもマニアックかな、と思っていた本を、この図書館が入れているとは…、どんなマニアな選書担当者がいるんだ?みたいな。でも全数としては、児童向け図書の何分の幾つかしかないし、ちょっと寂しいかな、とは思わなくもないのですが…。


と、まあこんな感じでありました。


残念ながら、菜の花はもうこの土地に住んでいませんので利用資格はなくなっていて、これから利用することもないのですが…、この図書館が地元で愛され、必要とされるところに成長するといいな、とお祈りしています。



拍手[0回]

PR

この記事へのコメント

Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
管理人のみ閲覧できます
 

この記事へのトラックバック

トラックバックURL

プロフィール

HN:
菜の花
性別:
女性
職業:
大学図書館職員11年目
趣味:
読書、アニメ、ゲーム、Alto&Tenor Sax
自己紹介:
理系院卒の大学図書館員。産休・育休を1年挟み、ついに採用11年目。「参考調査担当」(3年間)→「某文系図書室(主担当:和洋図雑の目録)」(3年間)→「某資料室(主担当:総括&和洋図雑の目録)」(2年10ヵ月)→産休・育休(1年2ヶ月)→「閲覧担当」(2016年4月~)

フリーエリア

カレンダー

04 2024/05 06
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31

菜の花にメールする

最新CM

アーカイブ

最新TB

ブログ内検索

アクセス解析

広告

忍者アナライズ

Copyright ©  -- 菜の花の大学図書館日誌 --  All Rights Reserved

Design by CriCri / Photo by momo111 / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]