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菜の花の大学図書館日誌

理系出身だったことを忘れかけている司書・菜の花の、大学図書館な日々。

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DBカバー率調査はついにフィナーレ。

52日目。ついにDB調査フィナーレ。

午前中にDB調査の結果を掛長にご報告。
やりかかった 分野別・出版地別はやはり諦めることに。
言語別も、ちょっと隠しておこうか、くらいの感じで…。
あとは、それぞれの値段を調べて欲しいということでしたので
業務用ソフトの収書業務の項を調べていたら、
とても不思議な事実に行き当たってしまいました。

そもそもDBカバー率を調査した対象は、
4冊の抄録・索引誌だったのですが、
その4冊のうち2冊が、うちの大学では何故か、
同じISSNを持っていることになっていたのです。
ISSNは逐次刊行物の標準番号でしたっけ?
ええと、8桁の数字で表されるものです。
よく本屋さんで本を裏返すと載っているISBN(10桁)は、
図書の場合の番号で、雑誌だと1巻ごとに番号をつけたら大変なので、
その雑誌の共通の番号としてISSNがあるわけです。
別書誌でこれが同じ値を持つことは、本来ありえないのです。
ですが、実際にそうなっている…。変だ…。
ローカルデータ(うちの大学の所蔵データ)がそうなっていたので、
NACSIS CAT(NII:国立情報学研究所の全国大学図書館等の所蔵データ)を
確認にいくことにしました。
うん、ここまですらすら出来るようになったとは、それなりに成長成長。
と、自己満足に浸りつつ、調査した結果は
2つどころか、4冊とも全部同じISSNでHITするし!という
衝撃的なものでした。そんなはずは…。おかしい。。。

こういうときは、元・目録屋さんの同僚のFさんです!
教えて、Fさん!
結果、分かったのはXISSNというフィールドがあるということ。
不正なISSNを登録するフィールドなんだそうです。
すると次は「不正なISSNとは何ぞや?」という謎が浮かぶわけです。
これは、雑誌に記されていたISSNに誤植があって、
どうもおかしいぞ???というときとか、
雑誌の変遷、つまり誌名や出版社などが変更した場合に、
継続前誌(元の雑誌)のISSNが併記されていたり、
間違ってそのままつけられていたりした場合に書き込むのだとか。
本来は書誌変遷があった場合は、別のISSNをつけるのです。

ちなみに、カバー率調査中に知ったこととして、
電子ジャーナルなどになっている雑誌は、プリント版と電子版で、
内容は同じでも別々のISSNを持つことがある、ということ。
かなりよくあるようです。そのせいでとても苦労したので…。

FさんがNIIのコーディングマニュアルを持ってきて
説明して下さったので読ませて頂きましたが…
うわあ、菜の花は絶対に目録屋さんにはなれないわー。
と、思ってしまったのでした。Fさんは凄い!

で、この4冊はどういう意図でそうなっているかはまだ謎なのですが、
とにかく1冊のISSNが、他の3冊のXISSNとして
登録されているのでした。シリーズだよ、という意味なのか…。
その辺は謎のままですが、元々4冊とも兄弟みたいな本だし。
全部採録誌が同じなんですよね、まず。
そこからして「元々同じ本でそれが分かれた」と言ってもおかしくないし、
むしろ同じ本が4巻組なんだよ、と言われてもそうかー、って感じ。
色々本って分からないことがいっぱいです。
何はともあれ、調査は終了。ちゃんとまとめて掛長に提出。
お疲れ様ー。1ヶ月近くかかっちゃいましたね、業務の合間にしていたから。

午後からはカウンター当番。
今日は書評の探し方などを勉強してしまいました。
質問が来るたびに掛長をお呼びたてして申し訳ない限り(苦笑)。
最後は本を探してやってこられた院生さん。
相当探されて、部局図書室でも対応してもらってそれでも駄目で、
最後に部局図書室から「中央の参考に行け!」と回されたみたいです。
ひええええ、それに菜の花が1人で太刀打ちできるはずなどなく…。
とりあえず、事情を伺ってから、余裕な笑顔で(表情だけ)、
「それではカード目録から見てみましょう」と誘導。
オンライン目録がうちの大学にもあるのですが、
何しろ本の数が半端じゃないので古い本はまで遡及入力が未終了で、
カード目録しかないのですよね。お探しの本は1946年出版とのことで、
これはカード目録オンリーの可能性が大変高かったわけです。

利用者さんがカード目録を繰っている間に菜の花は次の思案を…。
これは、国立国会図書館の蔵書目録だな…。
オンラインは調べたそうですが、国立国会だって古いのを
全部入れているとは限らない…かもしれない…ちょっと自信ないけど。
何か、もう遡及終わったー、なんて話もちらっと聞いた気もするけど。
書架をチェックしてから、カード目録を見終わった利用者さんを
国立国会図書館の昭和前期の蔵書目録(冊子体)の棚へご案内。
で、それを調べてもらっている間にさらに次の手を…。
えっと…。ここはもう、掛長ですね…。
急いで事務室へ走る走る。助けて、掛長!

それからインターネットでちょっと検索してみました。
古本屋さんのデータベースなんかで見つかることもあるよ、
という掛長のアドバイスにより。。。
しかし、残念、見つからず。その著者の別の本は結構ありましたけど…。
でも、著者についての情報は得られました。
学問分野なども分かったので、NDCでその分類の参考書架へ行って、
その分野専門の蔵書目録系の本を探すことに。

利用者さんとも少し話し合って、まず情報のソースを確定。
どうやら著者の遺作で、昔、こういう本書きました、というのが
ソースらしいのですが…。じゃあ、出版情報が欲しいですよね。
確実にその本が存在するという証拠が欲しい…。
人物事典などで著者さんを探しましたが見つからず。
うーん。。。出版社を探してみたら、どうやら今でもあるようでした。
ここまでで30分ほどカウンターの窓口業務時間をオーバー。
とりあえずこの辺で本日は終了で。
利用者さんにはメールアドレスを頂いておきましたので、
明日はこれについて、まずは出版社に確認の電話、
それから著者が創立したという学校に電話してみる予定です。
それでなかったら、国立国会にレファレンスで出すか、とか、
このテーマの大型コレクションを持っていそうな他大学にも、
所蔵調査依頼を幾つか投げてみるしかないのかなあ、という感じ。
明日、頑張るぞー。
DB調査も終わったことですしね。
ということで、この本探しは、明日に続く…。お楽しみに!?



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プロフィール

HN:
菜の花
性別:
女性
職業:
大学図書館職員11年目
趣味:
読書、アニメ、ゲーム、Alto&Tenor Sax
自己紹介:
理系院卒の大学図書館員。産休・育休を1年挟み、ついに採用11年目。「参考調査担当」(3年間)→「某文系図書室(主担当:和洋図雑の目録)」(3年間)→「某資料室(主担当:総括&和洋図雑の目録)」(2年10ヵ月)→産休・育休(1年2ヶ月)→「閲覧担当」(2016年4月~)

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