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菜の花の大学図書館日誌

理系出身だったことを忘れかけている司書・菜の花の、大学図書館な日々。

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本を探せ!なレファレンス調査。

53日目。昨日の調査、がっちりやります!な日。

とにかく調べまくりました。
何を?という方は昨日の日記を参照。
「著者別出版目録」みたいな出版系の参考図書で、
懸命に出版記録を探すも見つからず。
朝日新聞、日経新聞、中日・東京新聞などの
記事索引に当たって、著者の情報を探したところ、訃報発見。
1974年逝去か。そういえば、人名事典は拾ったっけ?
ということで、JapanKnowledgeにれっつごー。
ワンルック検索で、日本人名事典にHIT。
出身地や生年月日、功績などの通り一遍の情報はGET。

古い新聞なら、あわよくば書評なんかないかなあ…と思いつつ、
探している本の出版社が「新聞社」とつくことに気付き、
その会社の新聞を探してみました。
…、うーん、この会社、謎。
現在もある会社や、NIIの所蔵データ、国立国会の所蔵データなどを
丹念に調べまわった結果、同じ名前の出版社が3つあるらしい、
と気付きました。明治時代に創設されたのが第1期。
これは途中で社名を変更していることが確認できました。
戦前に設立し、戦後直後に新しく新聞を出版したりと活躍したのが第2期。
しかし、その後、この会社は消えていきます。
倒産したのか?それは謎。
でも、戦後少ししてから、この会社からの出版物が、
綺麗さっぱり抜け落ちています。
そして昭和50年に設立されたのが現存の同名会社。これが第3期。

どうも探している本を出したのは、このうちの第2期の会社らしい。
と、当たりはつけましたが、それ以上の手がかりは…。
しかし、お探しの本と同時期に、その会社はそのテーマの新聞を
発刊していることは確かで、そうすると紙面に探している本の
書評が載っている可能性は大いにありえますね。
で、その新聞ですが、どうやらたった2・3年で廃刊した模様。
詳しくは不明ですが、昭和21年の朝日年鑑、毎日年鑑をめくったら、
確かに創刊した、という記録がどちらにも掲載されていました。
しかしこれを現在も保管している大学はなさそうでした。
しかし、運がいいのかどうやら復刻版が90年代に出ている!
しかも、それを持っている大学あり。どころか、ふつーにオンラインの
本屋さんでお取り扱いしているところが数軒。
でもやっぱり高いのですけれどね。2万円以上します。
この線は、まあありえそう、ということでこの辺りで保留。

それから、著者の子孫はいるのかな?ということで調べてみました。
朝日新聞に載っていた訃報により、喪主を娘がつとめたことが判明。
この方を調べてみたら、どうやら親御さんと同様の職業についた模様。
東京都の公文書でこの方のお名前を発見しました。
また、学校の同窓会のお仕事のようなものもしているみたい。
住所や状況からいって、恐らく本人だと思われます。
恐らく、やる気になれば連絡はつけられそうでした。
ということでこの道もありだな、というところで保留。

次は著者ゆかりの施設。それは著者が設立したという学校です。
そちらにお電話してみました。校長先生が対応して下さって、
調べてくださる、ということに。ただしすぐには無理なので、
7月10日まで待ってくれ、とのことでした。
その頃に再びお電話することに。この線も、まだ生き残り、と。

まあ、やる気になればたどれるかもしれない細い糸を
幾つかめぐらせることが出来ました。
あとは利用者のガッツですね。
メールで利用者さんにもう一度ご来館くださるように、
とお知らせしました。そこで相談することにしましょう。
どれくらい頑張りたいか、それによって今後の方針が変わります。

さて、明日はー、選書会議!
というわけで、候補を挙げてみました。
前回は全滅しましたが、今回は何か買ってくれるかなー?



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無題

いやあ、文献探偵のお仕事お疲れ様です (^^;)☆\バキ

しかし昭和21年の日本で発行された資料とはまた、めちゃたいへんな相手ですね。
なにしろ戦争直後の混乱期でいろんなデータもおそらくきちんとしてないはずだし、そこに加えて、多くは2〜3号でつぶれてしまったのでカストリ雑誌と呼ばれた雑誌が雨後の筍のごとく大量刊行されては消えていった時代でもあります。
出版社の動向もまた同様。ということでその新聞もカストリ雑誌の系統であったかと思われます。

  • from horagai :
  • 2006/06/24 (02:58) :
  • Edit :
  • Res

>horagaiさん

まったくその通りですよ、文献探偵。
文献探検でもあります。

昭和21年は仰るとおり、凄い年です。
どれくらい凄いかと申しますと、
昭和21年の2月に創刊された新聞だけで21紙あります。
そのうちどれだけが生き残ったのか…。
菜の花がこの会社、あやしいなあ(探している本を発行したんじゃないのか?)と思った会社のうち1つはこの2年後に新聞を廃刊し、図書を数冊だしてから10年以内に消滅。もう一方は現在でも同じ新聞を出し続けています。そっくりの名前のこの2社、何がこれらの運命を変えたのか…。
  • from 菜の花 :
  • 2006/06/26 (12:56) :
  • Edit :
  • Res

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プロフィール

HN:
菜の花
性別:
女性
職業:
大学図書館職員11年目
趣味:
読書、アニメ、ゲーム、Alto&Tenor Sax
自己紹介:
理系院卒の大学図書館員。産休・育休を1年挟み、ついに採用11年目。「参考調査担当」(3年間)→「某文系図書室(主担当:和洋図雑の目録)」(3年間)→「某資料室(主担当:総括&和洋図雑の目録)」(2年10ヵ月)→産休・育休(1年2ヶ月)→「閲覧担当」(2016年4月~)

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