菜の花の大学図書館日誌
理系出身だったことを忘れかけている司書・菜の花の、大学図書館な日々。
理科年表!
- 2007/09/20 (Thu)
- 1-3年目(参考調査編) |
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344日目。終わったー!
本日はカウンターが長ーい一日でした。
5時間半超えましたよぅ(- -;)。
忙しさは…まあまあ。
一番時間を使ったのは、Ploneニュースの作成・管理マニュアル。でもまだ未完成。それから留守の間に託して行く業務についての覚書。
少しトラブルがあったのは、古い理科年表。
未遡及本で、うちの書架にあったのを遡及をしようと持ってきたところ、書類上は学内の別の図書室のもの扱いになっていたことが判明してしまったのですね。そうなんだー。それでそちらの図書室に連絡して、書類を作って配置換えしてもらうことにしました。
それにしても古い本は面白いですよ。理科年表って最初に出たのは大正14年です。それから今まで、発行されなかったのは3年だけであとは毎年出ているそうです。出なかった年は、昭和19,20,21年。さもありなん。さて、大正14年版は第1冊という名前。勿論大正15年版が第2冊。さて第3冊は?…見てびっくりです。第3冊は大正16年版。あ?大正…16年?印刷日を見てなるほど、です。大正15年の12月20日。発行日は12月23日。そうか、その時点ではまだ、翌年は大正16年だったのですね。納得。結局、発行された僅か2日後に運命は変わってしまったわけですが。が、目からうろこだったのはそのあと。第3冊は大正16年版。次の第4冊は?…正解は、昭和3年版。あれ?菜の花、一瞬理解できませんでした。抜けてる?って思っちゃった。でも発行されなかったのは昭和19,20,21年だけですよ。えーっと。
大正15年12月25日で大正時代は終わりました。1926年のことです。そして同じ1926年12月25日は昭和元年12月25日でもあります。理科年表は前年に翌年分を発行しているみたいです。この元号変更直前にも来年度の名前、つまり1927年版(=大正16年版)を印刷しました。大正15年=昭和元年なので、大正16年=昭和2年です。というわけで、印刷日がもう少し遅ければ、第3冊は昭和2年版だったのですね。で、この1年後に発行する第4冊は昭和元年でも2年でもなく、3年版なのです。少し落ち着いて考えれば、全然不思議でも何でもないことかなーと思うのですが、あれっ?と思わず立ち止まってしまいました。
書類を作るのに原簿を眺めていました。結構、古い本の備考欄には「戦災消失」という印が押されていたりします。そうかあ、戦争って怖いものだなあ。「日本帝国死因統計」なんて、ちょっと見てみたかったなあ…と思ったら、持っている図書館はふつーにありました。そっか、焼けたのはうちだけ?
中に驚きのものも。杉田玄白の解体新書。原簿上の出版日は安永3年。安永3年?1774年!?ま、まさか…最初の出版のもの!?今も持っているのだろうか…と思ったら、一応データ上は史料室にあることになっているようで…。(でもナクシスには入っていなかった。長崎大だけの所蔵。)本当に本物かなー。それとも、後の復刻なんでしょうか。現物に当たっていないので、それは不明です。ちょっと見てみたい。
昼間にカウンターで、懐かしい人にお会いしました。一応同期ですけどー、年上ですけど、卒業したのは後輩みたいな。色々面白いお人です。折角なのでひっ捕まえて、電子ジャーナルやらeBookやら、新聞記事データベースやら、山ほどアピールしておきました。
そうそう、その彼にも理科年表の古いもの、見せて差し上げたんですよ。そうしたら、みょーなものを見つけて教えてくれました。理科年表には「蝸牛の速度」まで載っているのです。知らなかったなあ。ちなみに気になる速度ですが、0.0016m/sだったかな。一桁足りないか?歩行速度が1くらいでした。はー。個人差・個体差はいいのだろうか?
あと、思わず理科年表で調べてしまったのは、各地の日最高気温の月平均。たまたま手元にあった分だけで調べましたけど、50年で8月の平均気温は1℃くらい、上がっているようでした。今はきっと、もう少し高いだろうなあ。…と思ってしまったので、今、気象庁のサイトで調べてしまいました。どれどれ?うーん、目で数字を追った感じ、あんまり有意差はないかも…?グラフとか作ってみないと何とも…。でも日最低気温の方は…これは有意差ありそうですね。夏・厳冬の年もあるので、10年分を平均すると某都市では1998-2007の1月は0.98℃、8月は24.5℃。1891-1900年は1月が-1.29℃、8月が23.01℃。どちらも1℃以上、上昇していますね。やっぱり温暖化しているってのは本当だったのかあ…。
…って、データ集というのは本当に面白いですね。古い理科年表、欲しくなっちゃいますね。まあ、気温なら気象庁サイトに行く方が詳細なんですけれども。他にも読んで楽しい記事がいっぱいですから。「都市名:バグダード」の所在地が「メソポタミヤ」なのはびっくりでしたけどね。「イタリヤ」「ロシヤ」などは分かりますけれども。「イスパニヤ」もびっくりしたかな。「都市名:ダンチヒ」で「所在地:ダンチヒ自由都市」を知らなかったのは、菜の花の勉強不足でした。そうかあ。ほんと、理科年表って面白い!
…って、何故に理科年表について語っているのだ?違う違う、そうじゃない。いや、そうなんだけど。何なんだ?
それはさておき。明日から菜の花、お休みに入ります!そう、菜の花の夏休み~。というわけで、しばらく旅に出ます。それではみなさま、御機嫌よう。また来週、お会いいたしましょうー。
本日はカウンターが長ーい一日でした。
5時間半超えましたよぅ(- -;)。
忙しさは…まあまあ。
一番時間を使ったのは、Ploneニュースの作成・管理マニュアル。でもまだ未完成。それから留守の間に託して行く業務についての覚書。
少しトラブルがあったのは、古い理科年表。
未遡及本で、うちの書架にあったのを遡及をしようと持ってきたところ、書類上は学内の別の図書室のもの扱いになっていたことが判明してしまったのですね。そうなんだー。それでそちらの図書室に連絡して、書類を作って配置換えしてもらうことにしました。
それにしても古い本は面白いですよ。理科年表って最初に出たのは大正14年です。それから今まで、発行されなかったのは3年だけであとは毎年出ているそうです。出なかった年は、昭和19,20,21年。さもありなん。さて、大正14年版は第1冊という名前。勿論大正15年版が第2冊。さて第3冊は?…見てびっくりです。第3冊は大正16年版。あ?大正…16年?印刷日を見てなるほど、です。大正15年の12月20日。発行日は12月23日。そうか、その時点ではまだ、翌年は大正16年だったのですね。納得。結局、発行された僅か2日後に運命は変わってしまったわけですが。が、目からうろこだったのはそのあと。第3冊は大正16年版。次の第4冊は?…正解は、昭和3年版。あれ?菜の花、一瞬理解できませんでした。抜けてる?って思っちゃった。でも発行されなかったのは昭和19,20,21年だけですよ。えーっと。
大正15年12月25日で大正時代は終わりました。1926年のことです。そして同じ1926年12月25日は昭和元年12月25日でもあります。理科年表は前年に翌年分を発行しているみたいです。この元号変更直前にも来年度の名前、つまり1927年版(=大正16年版)を印刷しました。大正15年=昭和元年なので、大正16年=昭和2年です。というわけで、印刷日がもう少し遅ければ、第3冊は昭和2年版だったのですね。で、この1年後に発行する第4冊は昭和元年でも2年でもなく、3年版なのです。少し落ち着いて考えれば、全然不思議でも何でもないことかなーと思うのですが、あれっ?と思わず立ち止まってしまいました。
書類を作るのに原簿を眺めていました。結構、古い本の備考欄には「戦災消失」という印が押されていたりします。そうかあ、戦争って怖いものだなあ。「日本帝国死因統計」なんて、ちょっと見てみたかったなあ…と思ったら、持っている図書館はふつーにありました。そっか、焼けたのはうちだけ?
中に驚きのものも。杉田玄白の解体新書。原簿上の出版日は安永3年。安永3年?1774年!?ま、まさか…最初の出版のもの!?今も持っているのだろうか…と思ったら、一応データ上は史料室にあることになっているようで…。(でもナクシスには入っていなかった。長崎大だけの所蔵。)本当に本物かなー。それとも、後の復刻なんでしょうか。現物に当たっていないので、それは不明です。ちょっと見てみたい。
昼間にカウンターで、懐かしい人にお会いしました。一応同期ですけどー、年上ですけど、卒業したのは後輩みたいな。色々面白いお人です。折角なのでひっ捕まえて、電子ジャーナルやらeBookやら、新聞記事データベースやら、山ほどアピールしておきました。
そうそう、その彼にも理科年表の古いもの、見せて差し上げたんですよ。そうしたら、みょーなものを見つけて教えてくれました。理科年表には「蝸牛の速度」まで載っているのです。知らなかったなあ。ちなみに気になる速度ですが、0.0016m/sだったかな。一桁足りないか?歩行速度が1くらいでした。はー。個人差・個体差はいいのだろうか?
あと、思わず理科年表で調べてしまったのは、各地の日最高気温の月平均。たまたま手元にあった分だけで調べましたけど、50年で8月の平均気温は1℃くらい、上がっているようでした。今はきっと、もう少し高いだろうなあ。…と思ってしまったので、今、気象庁のサイトで調べてしまいました。どれどれ?うーん、目で数字を追った感じ、あんまり有意差はないかも…?グラフとか作ってみないと何とも…。でも日最低気温の方は…これは有意差ありそうですね。夏・厳冬の年もあるので、10年分を平均すると某都市では1998-2007の1月は0.98℃、8月は24.5℃。1891-1900年は1月が-1.29℃、8月が23.01℃。どちらも1℃以上、上昇していますね。やっぱり温暖化しているってのは本当だったのかあ…。
…って、データ集というのは本当に面白いですね。古い理科年表、欲しくなっちゃいますね。まあ、気温なら気象庁サイトに行く方が詳細なんですけれども。他にも読んで楽しい記事がいっぱいですから。「都市名:バグダード」の所在地が「メソポタミヤ」なのはびっくりでしたけどね。「イタリヤ」「ロシヤ」などは分かりますけれども。「イスパニヤ」もびっくりしたかな。「都市名:ダンチヒ」で「所在地:ダンチヒ自由都市」を知らなかったのは、菜の花の勉強不足でした。そうかあ。ほんと、理科年表って面白い!
…って、何故に理科年表について語っているのだ?違う違う、そうじゃない。いや、そうなんだけど。何なんだ?
それはさておき。明日から菜の花、お休みに入ります!そう、菜の花の夏休み~。というわけで、しばらく旅に出ます。それではみなさま、御機嫌よう。また来週、お会いいたしましょうー。
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プロフィール
HN:
菜の花
性別:
女性
職業:
大学図書館職員11年目
趣味:
読書、アニメ、ゲーム、Alto&Tenor Sax
自己紹介:
理系院卒の大学図書館員。産休・育休を1年挟み、ついに採用11年目。「参考調査担当」(3年間)→「某文系図書室(主担当:和洋図雑の目録)」(3年間)→「某資料室(主担当:総括&和洋図雑の目録)」(2年10ヵ月)→産休・育休(1年2ヶ月)→「閲覧担当」(2016年4月~)
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