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菜の花の大学図書館日誌

理系出身だったことを忘れかけている司書・菜の花の、大学図書館な日々。

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受入判断

299日目(通算1674日目)。今日も書誌調整三昧。

本日は終日、未登録資料の整理。686.6「鉄道>貨物」の周辺の続きを進めていましたが、途中で685.1~685.7の「陸運」付近に飛び火。先にそちらを片付けてから、再び貨物に戻り、何とか終わりました。書誌調整&書誌作成が多いのは相変わらずでした。半分以上が書誌調整か、新規作成か、VOL追加でした。うーん、時間がかかります。でもそれは新規に利用可能になる資料群なわけで、今後の研究者のみなさまの利用可能な牌が増えていく、という大変好ましい状況なので、歓迎すべきことだとは思うのです。だから菜の花は頑張るのです。

今日一番悩んだことは、「この資料を受入するかどうか」という判断でした。未登録の資料でも、他大学で所蔵があり、うちが入れなかったとしてもどこかでは利用可能なもの、というのももちろん、多いです。ただ、今整理している資料は戦前のものが中心ですので、利用可能と言っても、CiNii Booksで検索したとき、所蔵が10館未満のものが普通です。比較的、レアな資料なのですね。そのとき、「主題がうちの収集対象ではなく、事前に行なっている先生方の利用希望でも受入希望がなかった」もので、「劣化が激しく、通常の利用に耐えない」または「水損したことがあるなど、カビの温床になる危険がある」というような資料だった場合…、悩みます。かなり悩みます。ページが完全に滲んでしまっていてまったく使えない、というわけではない状態だと諦めもつきますが、中途半端に「頑張れば使えないかしら…」的な状況だと困ります。全国的にそんなに数も多くないしなあ、と思い始めるともうダメです。迷宮入りです。悩みまくりです。

今日の最後に出会ったのは、表紙も標題紙も奥付も失われた明治の終わりの資料でした。情報源がないので、書誌同定も難しい本です。その上、自家製本された外側はぼろぼろ。水損と思しき劣化状態で、全体にカビたあともあるように見受けられました。これは…書架に並べるのはちょっと…。NACSIS所蔵館は数館。一応、あるのですね。先生判断では「特に本図書室では必要なし」。でもこのまま棄てられてしまったら、それはそれで心が…刊行の年代が年代なだけに、最入手は困難でしょう。まあ、こんな酷い状態だと「ここにあります」と言い切っていいのかどうかは不安ですが…あ、でも外側は酷いものの、中の方はかなり状態がよいのです。不思議なことに。ああ、困ったなあ、と思っていたら、見つけてしまいました。国立国会図書館のデジタル化資料。全部公開されてる!たっぷり十数秒、PC画面と手にした本を交互に見て、そっとブックトラックに本を載せておきました。そちらのブックトラックにある本は、整理中にすでにうちで所蔵があるなどの重複本など。今行なっている整理が終わったら、まとめて中央へ送るものです。中央でこれをどうするかは…分かりませんが。棄てられてしまう公算が高そうだ、と思い、なるべく載せないようにはしているのですが、もしかしたら受入して頂けるかもしれません。まあ、そんな場所はないかもしれませんが…。今はどこの図書館でも、場所が一番の貴重品ですものね。






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プロフィール

HN:
菜の花
性別:
女性
職業:
大学図書館職員11年目
趣味:
読書、アニメ、ゲーム、Alto&Tenor Sax
自己紹介:
理系院卒の大学図書館員。産休・育休を1年挟み、ついに採用11年目。「参考調査担当」(3年間)→「某文系図書室(主担当:和洋図雑の目録)」(3年間)→「某資料室(主担当:総括&和洋図雑の目録)」(2年10ヵ月)→産休・育休(1年2ヶ月)→「閲覧担当」(2016年4月~)

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