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菜の花の大学図書館日誌

理系出身だったことを忘れかけている司書・菜の花の、大学図書館な日々。

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行方不明本ハンティング

332日目(通算1030日目)。ホントに疲れた、色々な意味で。

何気なく読んだカレントアウェアネスに「ぬいぐるみのお泊まり会」の話があって、ほわーっと思った菜の花です。いいですね、こういう着想が凄く好き。まあ、大学図書館で同じことはしないですけれどもね。


今日は蔵書点検で行方不明疑いとなった資料を、徹底捜索。うちの図書室では、和書と洋書を別置していますが、この混配によって行方不明になってしまうことが結構よくあります。ということで、行方不明疑いリスト片手に、総員配置につきます、はい。和書のリストを持って洋書の棚へ、洋書のリストを持って和書の棚へ。さあ、出てくるかな!?

…結果。菜の花の担当した30冊のうち、2冊が発見されました。他の方も2冊発見。うーん、ざっと見た感じで4冊発見。でも焼け石に水ですよね。もっともっとあるはず。

リストをもう一度出力し直してみました。今度は情報量を増やします。登録された日や点検エラー回数も確認。点検エラー回数とは、蔵書点検のときに行方不明となった回数。これが1なら、今回初めて行方不明に、2だったら、前回から行方不明に、3なら前々回から…ということはかなり昔から見つからないもの。通常は2になった時点で資産から抹消されます。

さて、リストをじーっと見つめてみると…うむ、登録日が新しいものが何冊かありますね。昨秋とか。菜の花が目録の担当を始めたあとから登録されたもの…そういえば、今年の春まで菜の花は書誌を作成したらすべて、目録の部署に書誌データと現物を送って「チェック」をして頂いていました。それがまだ返ってきていないものがあったはず。というか、何故、11月初旬に送った資料が、まだ戻ってきていない…?おかしいな…。

というわけで、目録の部署までとっとこ出掛けてきました。

「すみませーん、うちの図書室の資料、どこにありますー?」
「所定の位置にないですか?」
「見当たらないんですけどー」
「じゃあ、全部返ってるんじゃないの?」
「そんなはずはないです!数十冊はこちらにあるはずです!」
「ええ~。でもないけど…って、あ、もしかして…」

目録のかかりちょう、ずんずん歩いていきます。席替えされて南の方に移られたのですが、替わる前にいらっしゃった北の方へ。で、そこを探ると…。出てくる出てくる、うちの図書室の資料、ざくざく。えええぇぇぇ~!!!ここで眠っていたのですか!通りで全然返ってこないはずです。菜の花ものんびりしすぎでしたが、まさかこんなところで束になって眠っているなんて思いもよらず。危ないところでした…ふぅ。

とりあえず、ここで11冊が発見されてました。眠っていた数はもっと沢山だったのですが、今回の蔵書点検の範囲外のものが多かったため。

図書室に戻り、またリストを眺めます。うーん、もう一度書架を見てくるかー。じろじろ、じろじろ、じろじろ…。うーん、そう簡単には見つからないか。一度戻って、ここまでの首尾を記録。していたら、書架整理をされていたN村さんが1冊の本を持って登場。

「これ、棚の奥の方に入っていたけれど、もしかして…」

リストを検索してみたら、ビンゴ!行方不明疑い本です!奥に入り込んじゃってましたか。1冊発見ー。その後もN村さんが更にもう1冊発見。むむう、菜の花も頑張らなくては…って、んー?後ろを振り返ったら、ブックトラックの向こうにあるブックトラックの上にある辞書に目が留まりました。ええとー…これ?目録作業をするとき用資料が満載されているブックトラックなのですが。この語学辞書って…ああっ、行方不明疑い本だ!執務参考用図書かと思ったら、普通の登録だったのですか!知らなかったー!!って、あらま、これも、これも、3冊もそうだー!んんー、灯台下暗し。いや、でもここにあるということは…、、、他に執務参考資料はないか!?探せ、探すのだー!!

というわけで、事務室内をなめ回すようにして探す菜の花。で、ブックトラックが何台も置いてあるエリアで、文字通り床に這いつくばっていたら(何故?)、奥の方のブックトラックの一番下の段に置いてあった1冊の本に目が留まりました。む、見たことのあるタイトル!あれは…!行方不明疑い本だー!何故こんなところに?、と思ったら、そういえばボールペンによる書き込みがあまりにも多く、同じ本を買いなおして頂いたので、今度除却処理をしようとしていた資料でした。ああ、まだ処理していないから、蔵書点検でひっかかっちゃったのね。とりあえず、1冊げっとー。

更にカウンター付近を這い回っていたら、また見たことのある資料が。こ、これは…!英和・和英辞典ですね。確かにリストにある本…ですが、んー、番号ついてないですね。完全に執務参考資料だ…。でもこれと同じものがもう1冊、どこかにあるはずなんですよね…。って、この英和・和英辞典って、箱のタイトルは日本語だけど、箱から出すと英語しか書いてない。ということはもしかして…、和書扱いだけど、洋書の棚にまぎれているのを、発見できなかったとか…?ちょっと見てこようっと。…んー、ビンゴ。あった。1冊はっけんー。

戻ってきて再び、リストとにらめっこ。あれ、何か請求記号が変なのがありますね。普通は別置資料は請求記号の1段目に種類が入るのですが、この資料は、3段目に「Videoコーナー」って…もしかして、Videoコーナーにあるのかな、そのままですけど。でもさすがに誰か見てきているんだろうとは思いますが…念のため、見てきましょうか。目を変えると物は見つかる、というのは図書館での資料探しの鉄則。で、行ってみて、また嘗め回すように探しましたとも。本来のVideoコーナーの配架資料は、NDC分類ではなく受入順に並べているだけで、分類番号と言うものが存在しません。が、隅々まで辿ってみたら、ぽつねん、と普通のNDC分類の資料が混じっていました。あ、これだ!はっけん!Videoの付属資料に近い扱いなのかな…。今後のためにも、直した方がよさそうな。

また事務室に戻り、リストとにらめっこ。それから書架を蠢きましたが、それ以上は見つからず。とぼとぼと事務室に戻ってきてから、また飽きもせずリストを眺めていたら…、あれ、この資料はどこかで見た。というか、あれだ!今、頭の中に映像が浮かんだ!多分あの資料だと思うんだ…!急いで書架に走り、思い出した場所に行って、横倒しになっていた古い資料をかき分けたら…あった!これ、この資料!また1冊、発見。


まあ、そんな感じで、行方不明本ハンターと化していました。しかし、最終的には今回点検分の、0.1%くらいは今年新たに不明になったことに。うーん、多いか少ないかと言われると…よく分かりませんが…やっぱり多いでしょうか。しかもこれまでの累積はその3倍くらいあるわけで。うーん、やっぱり多い。かかりちょうは南隣の図書室の人と会って、これくらいの不明数、と言ったら「その程度ですか」と返されたから、あっちの方がきっともっと多い(そちらは来週、蔵書点検をするそうです)から、大したことない、と仰いますが、北隣の図書室は先月蔵書点検して、うちの累積の10分の1以下らしいんですけど。それに菜の花の知っている某図書室、今回のうちの点検数と同じくらいの蔵書規模ですが、あそこの全蔵書数に対する不明冊数は更にその半分でしたけど。比べる相手もどうかと思いますし、比べて安心するようなものでもないですよ。行方不明本は当然、より少ない方が良いわけです。図書室内で話をするなら、「仕方ない理由」を並べ立てて心の平安を得ようとするよりも、ニュートラルな気持ちで「何故、不明本がこれくらいあるのか、これから出るかもしれない不明本をどのように防ぐか」について話し合うべきでは。そうでなければ単なる雑談にすぎませんもの。

今日もこれらの処理についてのシステムでの操作方法について、かかりちょうの後ろについて説明しました。最近、よくあること。でもこの業務、菜の花だってしたことがないのです。どうしてあんなに一生懸命マニュアルを読んでいるように見えるかかりちょうに、初めてやる操作を菜の花が説明しないといけないのか、とても謎。菜の花がマニュアルは流し読み程度でもこの操作で困らないのはそれが、全体の流れとどういうことをしたいのかさえ知っていれば何となくでも出来るようなしろものだから。というわけで、「これは難しい」という感想は、まあ、慣れれば大丈夫なんじゃないですかね、と返せますが「こんなの覚えられないよ」の言葉には「覚えなくても、考えれば出来るんじゃないですかね」としか言えません。マニュアルを幾ら熟読しても、それぞれの手順が何を目的にしてどういうことをしているのか、何故そのような手順を踏むのかを理解できていなければ、覚えるのはとっても大変です。意味の分からない公式を丸暗記するのが難しいのと同じ。そして幾ら公式だけ覚えても、それだけで数学や物理の問題が解けないのとも同じ。


蔵書点検だけしていても、自分の手持ちの仕事はちっとも減りませんので、少しずつでも日常業務も進めています。新着図書処理としては、今週支払分を一生懸命装備。ようやく所蔵登録スタート。毎週恒例の、広報用の掲示物の作成。それから来月あるイベントのため、管理課の課長補佐に内線をかけて相談。菜の花、うっかり失念しておりまして、ようやく今日思い出したという。それは大学のイベントで、図書館として参加するので、その中でうちの資料も一緒に配布していただく予定です。まず、参加の意思があることを伝えて、スケジュール等の確認。搬入のデッドライン。搬入場所は。どういう形でディスプレイするか。機材のレンタルをするのに、どういうものをうちが必要とするか。資料の数は。配置場所は。などなど。管理課のJ氏は、菜の花が採用された最初の年の上司。とても真面目でマメで、優秀な方です。いつも話が早くて助かります。菜の花、最初に本当にいい上司に恵まれたなあ、と。僅か1年でしたが、人事に感謝。その次のかかりちょうも、素敵に大人でしたし、その次はそれまでで最も練熟した、それなのに他の追随を許さないユニークさをも持ち合わせた凄い人材でしたね。菜の花、直属の上司には恵まれてきました。5年間で4人目のかかりちょうって、ちょっと多い気もしますが。


さて、来週はまた新着図書処理の続き。何とか2週間分まとめて、先生購入本だけでもすべて、月曜日のうちにやっつけたいところですが…うまくいきますでしょうか。ふぁいとー。



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プロフィール

HN:
菜の花
性別:
女性
職業:
大学図書館職員11年目
趣味:
読書、アニメ、ゲーム、Alto&Tenor Sax
自己紹介:
理系院卒の大学図書館員。産休・育休を1年挟み、ついに採用11年目。「参考調査担当」(3年間)→「某文系図書室(主担当:和洋図雑の目録)」(3年間)→「某資料室(主担当:総括&和洋図雑の目録)」(2年10ヵ月)→産休・育休(1年2ヶ月)→「閲覧担当」(2016年4月~)

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