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菜の花の大学図書館日誌

理系出身だったことを忘れかけている司書・菜の花の、大学図書館な日々。

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公共図書館からやってきた質問者さんは

688日目。停電の名残。

朝から、一部利用者端末が正常にネットワークに繋がらない、という報告。見に行きましたが分かりませんでした。うーん、ネットワークが死んでいるのでしょうか。LANの挿し口を変えてみましたが、変化なし。うーん。困りました。システム課に行くしかないですか…。

ということで、システム系のK氏を伴って、再び利用者端末に向き合います。ハブが駄目なのではないだろうか、ということになったのですが、あいにくこの端末のハブは2つ上の階だった気がする、ということで2階分、階段を昇ります。が、途中でそこに入るためには元いた階の奥の方にある「機械室」で鍵を借りてこないといけないことに気付き、引き返しました。そしてまた2階分上がって鍵を開けて中を覗いたら、ハブが無い…。あ、これはもうひとつ下の階だった、ということになり、また1階分を階段で降りました。で、鍵を開けて中を見たら、今度は非常に高い位置にハブが設置されているのが分かったので、ここから3つ上の階に置いてある脚立を取りに行かなくてはならない、と気付きました。さあ、昇れ昇れ。で、3階分昇ったら今度は、鍵がかかっているために脚立の置いてある倉庫に入れず。この倉庫に入るためには、エレベータから行くしかないのですが、そのエレベータはこのフロアではその倉庫の中に出入口があるわけで、別の階に行って該当のエレベータに乗らなくてはなりません。というわけでもう1階、階段で上がって、それから入りたい倉庫の真上まで歩いて行ってエレベータに乗り、1階分下がりました。何このダンジョン…。さて、脚立を手に入れた菜の花とK氏でしたが、今度はハブのあるフロアまで降りなくてはなりません。乗ってきたエレベータでそのまま降りたいところですが、あいにくこのエレベータはハブの置いてあるフロアではやはり倉庫の中に繋がっており、その倉庫を突っ切るためには鍵が必要です。が、この鍵は手元に無い。というわけで、このエレベータで降りることが出来ません。だから何このダンジョン?…仕方ないので3階分降りたいところを2階分だけエレベータで降り、そこから歩いて移動して、また階段で1階分降りました。ようやくハブが見られるようになったわけですが、ハブ自体の異常がこの時点では分からず。一旦また、階段を降りて最初の利用者端末のところに戻りました。そこで、一度確認をしたいことが発生したので、菜の花は事務室に戻って事情を知る最初の不具合発見者(お隣の係長)に訊きに行くことにしました。

…が、ここでうっかりレファレンスでつかまってしまい、そのまま1時間…。ごめんなさいごめんなさいK氏。ようやく開放されて利用者端末のところへ戻ったら、当然K氏はいらっしゃらず。うーん、すみません。仕方ないのでもう一度システム課へ行って相談。その後、業務システムの不具合が発生したようでK氏をとられてしまいました。うーん。どうするよ?でもどうしようもないよ…(- -;)。すごすごとまた事務室に戻る菜の花。朝からこの件とレファでメールチェックすらしていない!という状況…。うーん、凄い。珍しい。戻ってきてから朝の「定例」を片付けた頃にはお昼のカウンター当番。今日は本当に時間が無い…。カウンターに入っている間に、管理課長を見掛けたので、この不具合の話をしておきました。この時点で菜の花は、前日の電気工事の影響を疑っていたのです。何しろ昨日、さっき見に行ったハブの置いてある付近で、電気工事が行なわれていたのですから、そりゃ疑います。その工事を管轄しているのが管理課なので、管理課長に相談しておいたというわけです。

ですが、結局これは誤解だったことが分かりました。というも、午後になってから再び確認に行ったところ、何と不具合が解消されたり再現したり、ふらふらとしているのを発見したのがきっかけで。…こ、これは…。急いでシステム課に行き、あたふたと状況を述べだしたところ、どうも要領を得なかったらしく、システム課長とK氏の両方の連れ出しに成功。曰く「見た方が早い。」すみません、説明下手で。まあ、このときも色々紆余曲折があって(途中で菜の花、「急ぎの用事で係長が呼んでます!」とお呼び出しもされたし)、最終的にはハブと電源の両方が駄目になっている、ということに落ち着いた模様です。交換してもらったら直りました。おおお。どうも週末に電気工事のために館内の停電をしたのですけれども、そのときにおかしくなってしまったみたいです。ほー。そういうオチでしたか…。そういえば管理課長に「電気工事のせいじゃなかったです」とお伝えするのを忘れていました。まあ、停電したのも電気工事のためだったので、遠因にはなっていますけれどもね。明日、お伝えしないと。と、ここにメモ。



ところで、途中で1時間をかけたレファレンス。事項について調べるということだったので、関連のNDCを紹介しようとしたのですが、どうも質問が応用的な内容であり、関連分野が大きすぎる割には項目としては立ってこないような微妙な立ち位置のものだったので、図書のキーワード検索はあまり役に立たず。多分、そのものずばりをタイトルに入れることはありえない感じ。仕方が無いので、キーワードを変えながらじっくり探っていって、ようやく幾つかの資料を挙げたのですが、質問者さんとお話をしていくうちに、最初の質問の中に入っていた言葉の意味を、どうやら質問者さん本人が理解されていないかもしれない、と途中で気付きました。一般用語として誰もが使う言葉なのですが、紹介しようとした本でその言葉が出てくる場合、その言葉について最低でも高校物理レベル、出来れば大学1-2年生程度の知識がないと読み解けそうにない、というのが菜の花の印象(←一応、菜の花の専門分野のひとつで、大学院生時代に近い内容の学部生向け授業でティーチング・アシスタントをしていたため、何となく見積もってみた)。

それで、少し検索するのはやめて質問者さんともう一度、お話してみました。レファレンスとは、闇雲に関係資料を提示すればよいというものではない、と菜の花は考えます。一番良いのは「調べ方を提示する」という道ですが(大学図書館は特に、教育機関であるがゆえにそういう回答が多い。資料を直接提示することは少ない)、学生さんではない質問者さんの場合は、時と場合に応じて回答する内容を変えます。今回は、ブラウジング探索のスタート地点となるNDCを提示しようと最初は思ったのですが、お話していくうちに明確になった「質問者さんが求めている資料」=「提供すべき資料」は、大学図書館にある「学部生向け資料」よりも平易な、一般向けの資料でした。何ということ!というわけで、うちではむしろ適切なものが事典くらいしかない状況だった(しかもその事典は何と現在、工事のため箱詰め中)という。

この質問者さんは、こちらにいらっしゃる前に公共図書館に電話をしたところ、「大学図書館に行った方がいい」と言われたそうなのですが、本当は少し大きめの公共図書館で探された方が、ずっと良い資料(自分が求めているものに近いもの)が手に入ったのではないかと思います。実際のところ、Webcat Plusの連想検索を使って探したところ、うちの大学図書館には所蔵がないけれども公共図書館にはある、という図書の方が、この質問者さんには魅力的だったのです。何故この質問者さんが公共図書館で特に何も調べないうちに、こちらに紹介されてしまったのかというのは恐らく、「論文が読みたい」というようなことを仰ったのではないかと推察します。一般の方だとよくある例です。一般の方の傾向として「論文」というと何となく信憑性が高い、と感じるようで、学術論文とは何か?という前にとりあえず「論文が読みたい」と仰るものの、実際に欲しいのは一般向けの解説であったりします。

論文でも、平易に書かれたものであれば一般の方でも読めるかと思うのですが、学術論文の場合は専門家が専門家に向けて書いているものが多いので、どれでもいい、とはなかなかいきません。まずは基本的な事項や研究の周辺事情をある程度おさえておかないと、単体で読めない場合も多いものです。調べたい事柄に対して基礎的知識が十分ではない、という場合は出来ればいきなり論文検索するよりはまず、基礎資料から順に当たる方が確実に理解できるのではないかと菜の花は思います。何でもひとっとびにはいかないということ。そもそも雑誌論文のどれもが査読つきではないので、本当に信頼性が高いかどうかは、「雑誌論文であるかどうか」よりも「どの雑誌に載った論文であるか?」の方がずっと大きなファクターだと思います、はい。

それでも学術論文を読みたい、という場合は勿論、探すお手伝いをします。それが我々、レファレンサーの使命というもので。今回も折角なので調べたいということだったため、後半はこの論文検索についてサポートしました。

ことばの壁もあるので(特に専門用語満載の英語の論文は、分野が違うとちっとも読めない!)、一般の方が探されるのは主に日本語の論文になるかと思いますが、その場合はCiNiiが一般公開されていますから、ご自宅、もしもインターネットの環境がなければ近所の公共図書館さんで(最近は公共図書館さんでも検索できるようにしているところが多いですね)、CiNiiを検索してみる、というのも手軽で宜しいのではないかと思います。

まあ、そんなこんなで折角遠くから来館されて質問者さんでしたが、必要な本はうちの大学ではなくこの質問者さんのご自宅近くの公共図書館さんに所蔵がありましたし、うちでコピーされた資料はそちらの公共図書館さんでも所蔵の資料、更には検索して頂いたCiNiiすらそちらの公共図書館さんで検索できてしまうもの、という結果になってしまいました。とりあえず、うちで出来そうなことはなるべくやったので、今度は公共図書館さんでじっくり探して頂きたいと思います。NDCやWebcat Plus、CiNiiなどについてはある程度説明しましたので、あいまいな記憶だったとしても、きっとどこかで「こんなのがあったはずなんだけど…」と伝える役にくらいは立つのではないかと思います。というわけで、1時間。




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プロフィール

HN:
菜の花
性別:
女性
職業:
大学図書館職員11年目
趣味:
読書、アニメ、ゲーム、Alto&Tenor Sax
自己紹介:
理系院卒の大学図書館員。産休・育休を1年挟み、ついに採用11年目。「参考調査担当」(3年間)→「某文系図書室(主担当:和洋図雑の目録)」(3年間)→「某資料室(主担当:総括&和洋図雑の目録)」(2年10ヵ月)→産休・育休(1年2ヶ月)→「閲覧担当」(2016年4月~)

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