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菜の花の大学図書館日誌

理系出身だったことを忘れかけている司書・菜の花の、大学図書館な日々。

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ようやく特長が理解されてきた

669日目。結構、意外なところにあるものだ。

うちの係のF氏が昨日、通勤中に財布を落としてしまったそうで焦っていたのですが、結局普段、駅で自転車を預けているところに落ちていたのを、管理人さんが拾ってくれていたのだそうです。よかったですね。まさか盗難!?なんてことも言っていたのですが、鍵や定期券などの出し入れ時に一緒に落としてしまった、ということでしょうか。とてもありそうなことなのに、真相を言われるまで思いつきもしませんでした。


昨日言っていた「溜めてしまった仕事」のうちのWWW関係は、少し片付けられました。午前中の成果。他に午前中にあったことといえば、パスファインダーの統計とか。館内に置いてある「ご自由にお持ち下さい」な紙媒体の配布数は、去年度に比べて悲しいくらいの減少。一体全体、これは何割減なのですか!?くらいの勢い。衰退の一途を辿るパスファインダー。もう、「1枚もので手軽に館内で持ち歩ける資料」の時代は終わったということでしょうか。そもそもこれらを持って行ってくれるはずの入館者数自体が減っている可能性は高いですが(未確認情報)。菜の花も、その長ーい学生時代(学部から大学院修士、博士課程まで…でも図書系とは無関係というオチ(- -;))、年々図書館に行く回数は減っていった…というか、むしろ

「え?電子ジャーナルないの?図書館に紙はあるんだー。そうかあ、でも面倒だなー。
 あ、ねえねえS君、ちょっと行って、論文のコピーとってきてー」

…みたいな?まあ、そういうものでしたから、気持ちはとってもわかりますです、はい。だってねえ…電子ジャーナル使えちゃったら、もう図書館要らないよ?って思いましたもの。データベースもあるし。開館時間も考えなくていいし、コピー機でコピーをとるにもわざわざ校費だの私費だのごちゃごちゃしなくても、研究室のプリンタで出力しておしまいですし、PDFでPCに溜め込んでおけば、何かあったときもさっと取り出せますし。ゼミで論文紹介するときのレジュメ作りにも、PDFならグラフでも本文でもコピーしてぺたっと貼って、書き込みできますしね。その上図書まで、オンライン化されてeBookが主流になってしまったりすれば、もはや図書館は用済み、要らないよー、というわけです。もしかして大学院生・菜の花って、図書館の敵?…そしてごめん、卒研生S氏。元気ですか?

それにしても、かつてここまで「図書館要らないじゃん」と主張した図書館職員が存在したであろうか?いや、ない(反語的表現)。…自分で言ってみました。

いやいや、でもちょっと待って!なのです。結局その電子ジャーナルも、データベースも図書系のみなさまが契約して整備してメンテして、支えているわけですから、やっぱりそれも図書館だったんですよね。オンライン上に存在する図書館サービスだったわけです。契約している電子ジャーナルは、IP認証されちゃっているのでググってヒットしたものをクリックしても、自動的に見られてしまうので「大学が契約して、お金を払ってくれているから今、自分はこの論文をオンラインで見られている」という感覚は皆無なのです。特に、電子ジャーナル整備のためのお金について話し合う立場にない学生にとっては。

大学図書館は、電子ジャーナルやデータベースなどの電子リソースにも大変力を入れていて、学生・菜の花にとってそれは、本当にありがたいことだったのですけれども、それがありがたいことであって、そのために働いている人が存在していることはまったく知らなかった、というのは結構問題だったと思います。そんな菜の花みたいな学生が、「図書館要らないじゃん。でも何か凄いお金かかってるらしいよ。早く図書館なくした方がいいんじゃない?」と言い出すわけです。まあ、実際に事情をご存知の先生方がそんなことを許すはずはないのですけれども、電子ジャーナル購入費の重い負担に耐えかねているところだったら…何かが起こらないとも言い切れないと申しますか。「電子ジャーナル、高いのでこれ以上もう買えません!」となったときに「じゃあ、図書館員を辞めさせて、その給料を電子ジャーナルに回せばいいよ」と図書館に平気で言ってきた人もいましたからね(実話です。菜の花は見てしまった!でもさすがに誰も取り合わず、スルーされていましたけれども)。

えーと、何の話を書いていたのでしたっけ?もうすっかり忘れてしまいました。ああ、そうだ。いきなりですけれどもこれで結論。図書館はもっと、その功績(というか、サービス内容とカバー範囲)を明確にして、存在意義をこれでもか、これでもか!と主張していかなくてはいけませんよ!そうですよ!例えば、電子ジャーナルサイトにアクセスすると、いつだって図書館のマークが入っている!みたいな。自己主張が必要です。押しの強さが必要なのです。もう、物理的な資料を揃えた「やかた」で待っているだけで、利用者さんが自分でやってきて利用していく時代は終わったのです。利用者さんのフィールドは広がり続けていて、どんどん大学の外の世界に引っ張り出されていっているのですから、待っているだけじゃ駄目なわけです。動きにあわせて一緒に外へ追従していくか、それとももっと大きな網を広げて利用者さんをもう一度取り込み、自分たちの網の中から外へいけるようなシステムに変えていくか、または思わず利用者さん自身が「何て素敵」と便利に使えるGoogleにすら勝てるような有用システムを構築してもう一度こちらにひきつけるのか。色々なパターンが考えられるわけですが…。

多分、ここ2,3日、菜の花が眺めているNext OPAC(次世代OPAC、英語で言うならNext Generation OPAC、最近の流行のことばならOPAC2.0)は、このうちの「追従パターン」に近いのかな、と思います。本当は次世代というより「現代の、とりあえずのところよさげな」OPACなのかもしれないなーと、調べながら思えてきました。めちゃくちゃ、未来志向って感じでもないというか。だんだん、菜の花にもNext OPACの特長が見えてきたところです。こんな感じ?

 1.書誌情報が少し多め(表紙画像表示も含む)
 2.結果がビジュアル(アイコン等の多用)
 3.スペルチェックやサジェスト機能
  (タグクラウドやワードクラウド。主にキーワード範囲拡張機能)
 4.クラスタリング(ファセットブラウジング。絞り込み機能)
 5.絞り込み時のパンくずリスト表示(検索履歴、兼、キーワードの階層化)
 6.ソート機能(適合度ソートあり)
 7.RSS対応
 8.利用者参加型機能(コメント・レビュー・ソーシャルブックマーク等)
 9.統合検索機能(EJ, eBookのみならず、論文、リポジトリまで)


まだまだ足りないかもしれませんが…、これが今日のところの菜の花の認識。幾つか、これを考えながら実際に導入している大学図書館サイトで検索してみましたが、必ずしもどこでもすべての条件をそろえているわけでもないですね。それはそうでしょうね、違うソフトを使っていれば、まあ…。例えば、5のパンくずリストは、AquaBrowserを使っているシカゴ大やエディンバラ大では出てきましたけれども、Primoのオックスフォードでは見つけられず。VuFindはdemoでも筑波大の実験サイトでもスペルチェック機能が見当たらず、など。あ、しっかりは検証していないので「絶対にPrimoにはない」とか「VuFindでは不可能」などとは決して言い切れはしないのですが。でもぱっと見、見つけられなかったーということで。あ、これって「利用者視点」じゃないでしょうか。熟練しなくてもすぐに見て分かる機能が、すぐに使える機能、という意味で。

まあ、そんなこんなで、少しずつ進んでいます。どちらかというと迷走気味な気もしなくはないのですが…。これで特長が分かってきたので、これからようやく、実際に導入しているところの検索でどこを見ればいいのかが分かります。というか、むしろ今まで分かっていませんでした(^ ^;)。だってー、何が何だか分からないって最初に言いましたでしょう!もう、一体全体どこを見ていいのやら、って感じで。

それにしてもこんな調子でよたよたと進んできて、一体どこへ落とし込むんでしょう…。やっぱり不安。いやいや、そんなこと言っていないでもう少し勉強ですね。今日は「次世代OPAC」とかググってみて、「うわああ、菜の花って時代遅れ~」と赤面していましたからね!こんな話題、もうとっくにまとめている人がいるじゃん、とか、もっと前から盛り上がってるんじゃん、今までスルーか、菜の花よ!みたいな。まあ、いいのです。だって菜の花ですもの。いつだって、他人の一歩も二歩も後ろをひた走る菜の花なのです。(風除け!?)



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プロフィール

HN:
菜の花
性別:
女性
職業:
大学図書館職員11年目
趣味:
読書、アニメ、ゲーム、Alto&Tenor Sax
自己紹介:
理系院卒の大学図書館員。産休・育休を1年挟み、ついに採用11年目。「参考調査担当」(3年間)→「某文系図書室(主担当:和洋図雑の目録)」(3年間)→「某資料室(主担当:総括&和洋図雑の目録)」(2年10ヵ月)→産休・育休(1年2ヶ月)→「閲覧担当」(2016年4月~)

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