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菜の花の大学図書館日誌

理系出身だったことを忘れかけている司書・菜の花の、大学図書館な日々。

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花束に感謝を込めて

182日目(通算1557日目)。日常、戻る。

大きな試験が1つ、終わりました。ようやく図書館業務に戻れます。…と言いつつ、やっぱり書類書きとか、お金の計算・算段ばかりしているような気がするのです。あ、あれ?



よく図書室に出入りされている先生が夕方、花束を持って登場されました。とても可愛い花束。それからワインか何かの贈り物。どうしたのかと思ったら、直前の授業で、学生さんから贈られたそうです。1年生向けの全学共通科目の少人数ゼミの最終授業だったそうで。少人数ゼミだから、学生さんたち、結構な出費だったのではないかと推察します。まあ、3月末で定年のH先生が、これだけ大喜びしてくれれば、十分満足かも。花束に入っているお花のうちのひとつは、花言葉が「感謝」でした。先生、最後に良い学生さんに囲まれましたね。学生さんも、良い先生に恵まれたのかもしれません。素敵なこと。そして…そろそろそんな季節なのですねー…。


学生のみなさま、後期試験、そして卒論・修論・博論、頑張って下さいね。



そんな温かなエピソードのある本日ですが、せっせと調べる羽目になったのは「NACSIS-CATへの図書所蔵の新規登録数が、一昨年度(2010年度)は昨年度(2011年度)より非常に多いけれど、思い当たる点はある?」という質問への回答探しでした。菜の花が不在にしていた金曜日に、中央から問い合わせがあったそうで。NIIから昨年度の統計が届いたのを受けての質問らしいです。2010年度が多い?え、そんなの身に覚えが無いよ?

菜の花は本年度、2012年度から今の図書室に異動したわけですが、この統計はうちの図書室+お隣の図書室の合計されたものが出されています。で、お隣の図書室は菜の花が2009年度~2011年度の3年間、所属していたところ。だから一番事情が分かるのは他でもない、菜の花だろうというわけです。
そう言われても~。


それで、色々調べてみました。調べた結果、2010年度の数字が多いのではなくて、2011年度が少ないことが分かりました。まあ、2010→2011のときに図書予算が減っているから、購入冊数も減っていて、当然じゃない?と思ったのですが、更に調べるとここ数年の推移がそれだけではないことがわかりました。


■ 2図書室トータルのNC図書所蔵登録数
①高値安定→②半減→③安定→④半減

■ 図書室Aの受入冊数(下段は図書予算の動き)
①高値安定→②激減→③減→④減
(①増加→②安定→③減→④減)

■ 図書室Bの受入冊数
①減→②微増→③激増→④激減

確かこんな感じでしたでしょうか(うろ覚え)。何故、こういう動きになっているかについてはある程度、説明がつきました。

まず、図書室Aを見てみます。①の時期はまだ書誌情報が電子化される前…、過去に受け入れた資料を順次登録していく「遡及作業」というのを、特別に人員を配置して行なっていた時期のため、通常受入数以上の登録があった頃です。②の時期にこの「遡及作業」が完了したため激減しています。その後、図書予算の削減を③④で受け、それぞれ受入数が減少しました。

一方の図書室Bではこの期間中、図書予算の削減は行なわれていないのですが、増えたり減ったりしています。どうも②の時期の微増は、今まで図書として資料IDを取得していなかった雑誌扱い資料について、一気に受入作業を行なったからのようです。そして③で激増しているのは、地域のとある図書館が閉鎖し、そちらの資料を一気に寄贈受入したため。④では、その寄贈受入がなくなった分、平常値に戻ったための減。

さて、面白いのは③のとき。これは2009年→2010年のところですが、2図書室の合計では「安定」で前年度と変化が無いので誰も何も気にしませんでした。ところが内実としてはAが予算削減のため減少、Bが特別な寄贈受入で激増していて、それぞれの寄与が相殺されての安定だったのでした。ので、特別な寄贈受入の寄与がなくなった④の時点では、Aの予算削減がそのままトータルの数字に表れ、それどころか前年比でみるから、平常値に戻っただけなのに大幅減に見えるBからの寄与もあいまって、半減してしまったというわけです。ちなみに図書室A/Bは規模的にはA>>Bです。Bの資料受け入れが少ないのもありますが、Bは雑誌書誌の資料が多く、今回のように図書所蔵登録の方には寄与してこない資料が多数派となっています。

…と、ここ最近のうちの図書室とお隣の図書室の受入状況を見てみたのでした。いや、だから何?と言われても困りますが…まあ、そんな感じのことが起きているのであります。図書予算を削減されると、電子ジャーナル代と継続の雑誌代は削減できないので(継続中止すれば減にできますが)、多くの場合、図書書誌に属する本の購入費が抑えられがちです。こうして図書所蔵登録にかなりの確率で効いてきてしまうというわけですね。あと、個人的な実感としては、④の時期、つまり2011年度は、複数の先生方が同じ時期に同じ本で研究するため、それぞれ同じ本を研究費で購入する「複本」率が高めだった気がします。震災関係の本など。複本は1冊目だけ登録したら、2冊目以降はNACSIS所蔵登録を行ないませんので(Localには入れるけれど)、受入冊数が同じだったとしてもNACSIS所蔵登録数は減ります。まあ、実際に確認したところ、数十冊単位程度の差でしたけれど、若干はそれも寄与しているかもしれません。



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プロフィール

HN:
菜の花
性別:
女性
職業:
大学図書館職員11年目
趣味:
読書、アニメ、ゲーム、Alto&Tenor Sax
自己紹介:
理系院卒の大学図書館員。産休・育休を1年挟み、ついに採用11年目。「参考調査担当」(3年間)→「某文系図書室(主担当:和洋図雑の目録)」(3年間)→「某資料室(主担当:総括&和洋図雑の目録)」(2年10ヵ月)→産休・育休(1年2ヶ月)→「閲覧担当」(2016年4月~)

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