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菜の花の大学図書館日誌

理系出身だったことを忘れかけている司書・菜の花の、大学図書館な日々。

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引き際は大事

303日目(通算1678日目)。というわけで、調査はここまで。

参考調査…レファレンス業務の難しさというのは、「どこがゴールか分からない」ことが多々あることです。もちろん、とことん付き合う、というのは大事ですけれど、時間は無限にはありませんから、ある程度の「ゴール」を定めて、そこを目掛けていくのも大事。お医者さんは全員を助けたいけれど、どうしてもそれが出来ない場面で活躍するトリアージみたいな。いや、そこまで深刻ではありませんが。

というわけで、先週からやっていた「探偵業」、とある資料群の来歴調査は、本日最後の証言を得て、ここで切り上げることにしました。これ以上は菜の花単体で出来ることではありませんし。


最後の証言者は我らが希望の星、名誉教授のM先生です。いや、久々にお話しましたが、相変わらず驚くことばかりなM先生でした。まず、90歳超えて電話での会話に何の問題もないとか、その時点で菜の花としては驚異なのですが。耳は遠くないし、滑舌にも何の問題もないということですから。本当にクリアで聞き取りやすい話し方なので、今でも講演会ができるのはこのお蔭と。で、記憶の方も凄い。こちらが言う前に、細かい年号も、当時の担当者の名前もさらさらと出てきます。それも30年以上も前の。今日、即答された一番古い年代は、1950年度でした。ろ、六十年以上前のことを、そんなに鮮明に覚えていらっしゃるのですか…!?Σ( ̄ロ ̄lll)…いやはや、一体どんな記憶へのしまいかたをすると、こんなにどんどん引き出しが開けられるのか、是非是非ご教授願いたいものです。本当に。菜の花の、今は亡き祖父よりもずっと年上というのに、断然若い。いや、むしろ菜の花よりも脳が若い。知識量は菜の花の10倍でも済まなさそうですけれど。まさに超人です…。

まあ、そのM先生をもってしても、体験していないことはわからない、ということではありますが、とにかく最後の生きる歴史たるM先生に訊いても判明しないことは、余程の新しい手を編み出さない限り、もうどうしようもないことでしょう。というわけで、菜の花の探偵業務はこれにて停止。レポートを書いて、K先生にお送りしておきました。できることはここまでです、また何か新たな切り口が見つかったそのときは動きますから宜しくお願いします、という感じで。

微妙に、分かったような分からなかったような幕引きですが、今回のことで沢山の「昔」と「人」を知りました。菜の花が採用されたときにはすでに故人になっていた複数人の人々を、色々な人が評するのを聞きました。そうやって今は亡き人の人物像が少しずつ浮かび上がってくる、という体験をいくつかしました。不思議です。人はこの世を去っても、こうやって少しずつ、何かを残していくのだなあ、というのをしみじみと感じました。菜の花の中には、当初の目的とは違うものではありつつ、何か得るものがあったようです。






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プロフィール

HN:
菜の花
性別:
女性
職業:
大学図書館職員11年目
趣味:
読書、アニメ、ゲーム、Alto&Tenor Sax
自己紹介:
理系院卒の大学図書館員。産休・育休を1年挟み、ついに採用11年目。「参考調査担当」(3年間)→「某文系図書室(主担当:和洋図雑の目録)」(3年間)→「某資料室(主担当:総括&和洋図雑の目録)」(2年10ヵ月)→産休・育休(1年2ヶ月)→「閲覧担当」(2016年4月~)

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