菜の花の大学図書館日誌
理系出身だったことを忘れかけている司書・菜の花の、大学図書館な日々。
Encore、Endeca、Primoを試してみた。
- 2009/02/20 (Fri)
- 1-3年目(参考調査編) |
- TB() |
- CM(0) |
- Edit |
- ▲Top
671日目。ちょっとイライラしているかも。カルシウム、カルシウム。
今日も色々あったわけですが、とにかく中心は次世代OPAC!でしょう。昨日はAquaBrowserを試してみたわけですが、本日はがっつりとEncore, Endeca, そしてPrimoという3つの商用ソースを検索しまくりでした。今日は、その感想等について切々と…、語ってどうする!?…聞きたいですか?いやいや、読みたいですか?え?要らない?まあまあ、そんなこと言わずに、菜の花の独り言に付き合って下さいよー。
というわけで、書きます。ちょっとぐだぐだになりそうで怖いのですが…。
まずはEncore。
確認させて頂いたのは、Binghamton Universityと、University of Glasgowの図書館サイトです。お邪魔しまーす。さて、アクセスした最初のひと言。
「これ、どこのぐーぐる?」
何か、画面にぽつーんと緑のボードがあって、その中に窓が1つ、あいているんですけど!え、と。これだけ?えええ?いや、まあとりあえず検索してみようよ、というわけで、やってみました。どちらの大学も基本デザインは変えていないようで、同じような見た目。左右がついている3カラム式。左が絞込み、中央が検索結果、右が検索範囲拡張、という位置づけでしょうか。検索範囲拡張(サジェスト機能、右側)としては「タグクラウド」を採用。絞り込み機能(左側)はファセットですが、Binghamtonは別途、クラスタリングも用意しているみたいです。Grokkerというもの。クリックすると別ウインドウで開いて、ちょっと重たいです。Outline viewとMap viewが選べました。
Glasgowのヒット画面でいいなーと思ったのは、中央のそれぞれの書誌情報の部分。ヒット画面の中ですでに配置場所、請求記号が出ている所はAquaBrowserでもありましたけれども、Glasgowは貸出中か否か、貸出中の場合は返却期限も表示、禁帯出のものはそのように表示、ととても親切です。複本(図書室が違っても)の場合は何件あります、とだけ表示していて、それをクリックするとすぐ下に折りたたまれていた複数の配置情報も一度に表示できます。あ、これってかなり便利じゃないですか!?
でもBinghamtonはやっていないので、この表示はGlasgowオリジナルでしょうか。
ちなみにヒットした書誌がE-resourceの場合は、ここにオンラインのアクセスリンクが入ります。便利!。ただ気になるのはGlasgow、資料種別のアイコン表示がないのです。なので、ぱっと見てその資料が図書なのか雑誌なのか、電子リソースなのかが、
分かりにくい気がします。ちょっと惜しい。それはBinghamtonにはある表示なので、Encoreの機能としてないわけではなくて、Glasgowが単に表示していないだけみたいです。Binghamtonがアイコンを出している位置には代わりに、目次情報やサマリーがある場合にリンクを出していました。これも便利ではありますね。ここに更にアイコンを入れると、ごちゃごちゃするからアイコンは削ったのかもしれません。Glasgowはアイコンがなくても、貸出可・貸出中・参考図書、などが赤文字でしっかり書いてあるので、対象はすぐに認識できるだろう、という判断なのかな、とも思いました。
比較的良いイメージのEncoreでしたが一番、うーん、と思ったのは適合度でのソート。どうやら適合度を5段階くらいに分けて、そのうちの5, 4, 3を検索結果として表示しているようなのですが。同じ段階の中では出版年順に並んでいるみたいです。だから、適合度5, 4, 3がそれぞれ100件ずつあった場合、ごく最近の出版のものからどんどん古いものになっていって、1900年代初頭まで来たぞ、と思ったら突然、また2009年に戻ってまたどんどん古くなっていって…という順序。何か…変な感じ。しかも5のもの、4のもの、3のもの、が連続して掲載されているので、いきなり3のものへ飛べないとか、ちょっと見づらい気がします。まあ、上位だけ見ていてよ、ということなのでしょうか。ちなみに適合度は、そのキーワードの入っている位置(5はタイトルやsubjectに入っているものを出している模様)で、かなり簡易的に見えるのですが、よく分からない重み付け等、内部で変な計算をしているわけではないようでその意味では安心できるかも?これを好むかどうかは、人によるかな、という感じでした。
あと、論文単位の検索は出来なさそうです。見たところ。RSSも見当たりません。イマドキ珍しいかも。タグづけはできるようですが、ログインが必要なようでした。
ふう、ようやくEncoreが終わった。
次いってみましょう。次はEndeca。
確認はNorth Carolina State University(NCSU)の図書館とPhoenix Public Libraryです。Phoenixは今回確認した中で唯一の公共図書館さんでした。なるべく大学図書館を選びたかったのですが、よく分からなかったもので。
Endecaはワードクラウド・タグクラウドなどのサジェスト機能が見当たりませんでした。この機能、結構面白いので是非あって欲しかったので菜の花的にはマイナス要素です。スペルチェックはありました。また、絞込み支援のファセットはありました。Phoenixの方は、ファセットのそれぞれの件数が出てこないのが使いにくく思いました。大まかな値がないと、絞込みにくい気がします。
NCSUの方は、EncoreのGlasgowと同じく、ヒット画面の時点で配置場所・貸出状態が出ているのが分かりやすかったですね。Glasgowとは違い、複本の場合も折りたたまずに全部表示していました。英語圏が羨ましいなと思うのは、こういうときに文字サイズを下げても字がつぶれないため、小さい中に沢山の文字数を詰め込めるということ。日本語だと、このサイズまで縮小して表示すると見づらくなりそうです。ファセットで絞り込んだときの履歴に関しては、Encoreとほぼ同じような機能がありました。Encoreでは書き忘れましたが、複数の絞り込みをしたときに、それぞれ独立して絞り込みを解除できます。
結果の書誌データはNCSUのみ、RefWorksへの出力可能でした。論文を書くときにRefWorksやEndNoteに図書の書誌が取り込めるのは結構嬉しい機能だと思います。菜の花の場合は図書をReferenceに入れようとしたのは少なかったですけれども、それでも論文を書くときに「あ、これは図書かあ…自分で書誌データを書くのって、結構面倒だからイヤだなー、取り込めないかなー」と思いましたもの。雑誌論文を引用する場合は、Web of Knowledgeをはじめ、幾つかのデータベースでEndNote形式やRefWorks形式で出力出来るようになっていたのですが、この手のデータベースではなかなか図書は入っていませんからね。ああ、そういえばWeb of KnowledgeにくっついてくるEndNote Webでは確か、EndNote Webから直接、British LibraryだったかWorldCATだったかがひけるんですよね。そこからいけば、EndNote Webに図書の書誌情報を直接取り込みは出来ました。ちょっと動作が重かったのが難点。もう最近はEndNote Webなんて全然触っていないので、この機能が今でもあるかどうか、ちょっと自信がありませんが。それをしなくても、OPACから出力できるなら利用してみたいかな。というか、自分の大学の図書館がその本を持っていないことも多いので、むしろこの機能が使える海外の大学図書館サイトで検索してEndNote形式などで出力してきてしまう!という手が使えますよ!覚えておこうっと。なお、Phoenixにはこの出力機能はありませんでした。多分、公共図書館では不要機能として、削除されたのかと思います。代わりにPhoenixはWeb2.0的要素を多く取り込んでいて、RSSは勿論、「お気に入りに登録/共有」メニューの中に、Googleのほか、Myspace, Twitter, Slashdotなど様々なものがありました。そちら方向に頑張っているのですね。そういうところに「らしさ」を出しているのかも。
また、PhoenixはAmazonとの連携がとてもスムーズにいっているようでした。とても自然に繋がっている感じ。表紙画像は一部、AmazonかららしくAmazonマークあり、ものによっては、ヒット画面でAmazonでの評価の星マーク付き。書誌詳細画面のレビュータブをクリックすれば、Amazonのレビューが見られますしね。公共図書館らしくて、なるほど、という感じです。
Endecaは提供元が元々図書館ベンダーではないらしいですが、なかなか興味深かったです。月曜日に紹介した記事の中では「特にファセットブラウジングが優れている」とのことでしたが、どの辺りが優れているポイントか、菜の花にはちょっと分からず。他のと違う特長があったのを見落としているのでしょうか…。誰かご存知でしたらご教示下さい(切実)。
そうそう、書誌詳細画面はタブ形式で、配置場所や詳細、サマリー、目次などの他、近いsubject、親和性の高い他の資料のサジェスチョン、Amazonレビュー表示などが追加できるようでした。こういうのは、Encoreにはなかった気がします。まあまあ見やすいです。
さて、本日の最後はPrimo。
Vanderbilt UniversityとOxford Universityで確認しました。ビジュアルに関しては、無難にクリア。表紙も入っているし、資料種別のアイコンもありです。ただし、オンライン用のアイコンがないのか、それとも判別ができないのか分かりませんが、Bookとe-Bookの区別無く、両方Bookになるなど、e-Resourceの表示が出ません。思ったより見づらいです。ただ、ヒット画面の上部で「onlineのみ表示」を選択できるので、内部での認識はしているようでした。単に区別する必要がない、と2大学ともが考えたのかもしれません。ヒット画面での配置場所などの表示は特になし。Vanderbiltは一応、貸出状態だけは表示されているようです。ただし、配置場所や請求記号はもう1クリック必要。
サジェスト機能として、AquaBrowserのワードクラウドやEncoreのタグクラウドのような、派手な演出もなく右下にこっそり、New Search用のAuthor およびSubjectの関連語のリストがありました。あまり積極的に提案している感じはせず。しょんぼりした感じ。スペルチェックはちゃんと備えていました。絞込みの方はファセットで、他のものと大体同じ。絞り込みの履歴も、複数回やったときに独立して解除可能です。
気になった書誌を保存しておくe-Shelfがログイン無しでも利用可能で、ゲストユーザでも自由に保存できますし、検索結果表示の表示数も、10-50の範囲で選ぶことが出来て、親切な感じ。これはEncoreやEndecaにはなかった心配り。また、RefWorksやEndNoteへの出力機能もちゃんとありました。利用者参加型機能は他のものに比べてもかなり賑やかで、RSS, レビュー(要ログイン)、タギングなどが可能。これらが全部揃っていたのは、商用4種類のうちPrimoだけかも。あとのものももしかしたら、ログインすれば全部揃っていたのかもしれませんが、それはちょっと分かりません。
最も特長的なのは、タブ切り替えで統合データベース検索可能なこと。これってひょっとしたらPrimoの機能じゃない可能性もありますが…(MetaLibとか…ありませんでしたっけ、E社には)。とにかく、論文検索できます。フリーデータベースも一部入っていて、ゲストユーザもちょっとだけひけました。勿論、EJへのリンクなどもついています。EJに直接飛べないときは、リンクリゾルバを経由してくれます。ここが一番の売りですね。
あ、でもこれだけじゃない!というものを見つけました。出版年違いやonlineのものなどの同じ本(多分)を「This is 1 of 3 versions of this work」と言って、ヒット画面のうちにリンクを作ってくれます。これ、地味に便利です!ソート順を適合度で並べてしまうと、同じ本の書誌データでも、書誌データの多寡などで順位がかなり離れて、並んで出てこなくなってしまいます。そういうときに、「全部で3種類あるぞ、Bookと、他の年に出たBookと、オンライン版だぞ」と3つ並べてくれると「あ、ほんとだ、ありがとう!」って感じじゃないですか?どれくらいの精度で「これとこれは同じ本~」と言ってくれるかはちょっと分かりませんが。
全体にPrimoは若干、サジェスト機能が弱い気がしますが、それを補うかのごとくの、統合検索機能、ということになりますでしょうか。
そんなこんなで、Next Generation OPAC3種類の体験記、でした。これらについて、それぞれの機能を○×の表形式にして取りまとめています。来週はオープンソースのものをチェックする予定。こつこつ。
今日も色々あったわけですが、とにかく中心は次世代OPAC!でしょう。昨日はAquaBrowserを試してみたわけですが、本日はがっつりとEncore, Endeca, そしてPrimoという3つの商用ソースを検索しまくりでした。今日は、その感想等について切々と…、語ってどうする!?…聞きたいですか?いやいや、読みたいですか?え?要らない?まあまあ、そんなこと言わずに、菜の花の独り言に付き合って下さいよー。
というわけで、書きます。ちょっとぐだぐだになりそうで怖いのですが…。
まずはEncore。
確認させて頂いたのは、Binghamton Universityと、University of Glasgowの図書館サイトです。お邪魔しまーす。さて、アクセスした最初のひと言。
「これ、どこのぐーぐる?」
何か、画面にぽつーんと緑のボードがあって、その中に窓が1つ、あいているんですけど!え、と。これだけ?えええ?いや、まあとりあえず検索してみようよ、というわけで、やってみました。どちらの大学も基本デザインは変えていないようで、同じような見た目。左右がついている3カラム式。左が絞込み、中央が検索結果、右が検索範囲拡張、という位置づけでしょうか。検索範囲拡張(サジェスト機能、右側)としては「タグクラウド」を採用。絞り込み機能(左側)はファセットですが、Binghamtonは別途、クラスタリングも用意しているみたいです。Grokkerというもの。クリックすると別ウインドウで開いて、ちょっと重たいです。Outline viewとMap viewが選べました。
Glasgowのヒット画面でいいなーと思ったのは、中央のそれぞれの書誌情報の部分。ヒット画面の中ですでに配置場所、請求記号が出ている所はAquaBrowserでもありましたけれども、Glasgowは貸出中か否か、貸出中の場合は返却期限も表示、禁帯出のものはそのように表示、ととても親切です。複本(図書室が違っても)の場合は何件あります、とだけ表示していて、それをクリックするとすぐ下に折りたたまれていた複数の配置情報も一度に表示できます。あ、これってかなり便利じゃないですか!?
でもBinghamtonはやっていないので、この表示はGlasgowオリジナルでしょうか。
ちなみにヒットした書誌がE-resourceの場合は、ここにオンラインのアクセスリンクが入ります。便利!。ただ気になるのはGlasgow、資料種別のアイコン表示がないのです。なので、ぱっと見てその資料が図書なのか雑誌なのか、電子リソースなのかが、
分かりにくい気がします。ちょっと惜しい。それはBinghamtonにはある表示なので、Encoreの機能としてないわけではなくて、Glasgowが単に表示していないだけみたいです。Binghamtonがアイコンを出している位置には代わりに、目次情報やサマリーがある場合にリンクを出していました。これも便利ではありますね。ここに更にアイコンを入れると、ごちゃごちゃするからアイコンは削ったのかもしれません。Glasgowはアイコンがなくても、貸出可・貸出中・参考図書、などが赤文字でしっかり書いてあるので、対象はすぐに認識できるだろう、という判断なのかな、とも思いました。
比較的良いイメージのEncoreでしたが一番、うーん、と思ったのは適合度でのソート。どうやら適合度を5段階くらいに分けて、そのうちの5, 4, 3を検索結果として表示しているようなのですが。同じ段階の中では出版年順に並んでいるみたいです。だから、適合度5, 4, 3がそれぞれ100件ずつあった場合、ごく最近の出版のものからどんどん古いものになっていって、1900年代初頭まで来たぞ、と思ったら突然、また2009年に戻ってまたどんどん古くなっていって…という順序。何か…変な感じ。しかも5のもの、4のもの、3のもの、が連続して掲載されているので、いきなり3のものへ飛べないとか、ちょっと見づらい気がします。まあ、上位だけ見ていてよ、ということなのでしょうか。ちなみに適合度は、そのキーワードの入っている位置(5はタイトルやsubjectに入っているものを出している模様)で、かなり簡易的に見えるのですが、よく分からない重み付け等、内部で変な計算をしているわけではないようでその意味では安心できるかも?これを好むかどうかは、人によるかな、という感じでした。
あと、論文単位の検索は出来なさそうです。見たところ。RSSも見当たりません。イマドキ珍しいかも。タグづけはできるようですが、ログインが必要なようでした。
ふう、ようやくEncoreが終わった。
次いってみましょう。次はEndeca。
確認はNorth Carolina State University(NCSU)の図書館とPhoenix Public Libraryです。Phoenixは今回確認した中で唯一の公共図書館さんでした。なるべく大学図書館を選びたかったのですが、よく分からなかったもので。
Endecaはワードクラウド・タグクラウドなどのサジェスト機能が見当たりませんでした。この機能、結構面白いので是非あって欲しかったので菜の花的にはマイナス要素です。スペルチェックはありました。また、絞込み支援のファセットはありました。Phoenixの方は、ファセットのそれぞれの件数が出てこないのが使いにくく思いました。大まかな値がないと、絞込みにくい気がします。
NCSUの方は、EncoreのGlasgowと同じく、ヒット画面の時点で配置場所・貸出状態が出ているのが分かりやすかったですね。Glasgowとは違い、複本の場合も折りたたまずに全部表示していました。英語圏が羨ましいなと思うのは、こういうときに文字サイズを下げても字がつぶれないため、小さい中に沢山の文字数を詰め込めるということ。日本語だと、このサイズまで縮小して表示すると見づらくなりそうです。ファセットで絞り込んだときの履歴に関しては、Encoreとほぼ同じような機能がありました。Encoreでは書き忘れましたが、複数の絞り込みをしたときに、それぞれ独立して絞り込みを解除できます。
結果の書誌データはNCSUのみ、RefWorksへの出力可能でした。論文を書くときにRefWorksやEndNoteに図書の書誌が取り込めるのは結構嬉しい機能だと思います。菜の花の場合は図書をReferenceに入れようとしたのは少なかったですけれども、それでも論文を書くときに「あ、これは図書かあ…自分で書誌データを書くのって、結構面倒だからイヤだなー、取り込めないかなー」と思いましたもの。雑誌論文を引用する場合は、Web of Knowledgeをはじめ、幾つかのデータベースでEndNote形式やRefWorks形式で出力出来るようになっていたのですが、この手のデータベースではなかなか図書は入っていませんからね。ああ、そういえばWeb of KnowledgeにくっついてくるEndNote Webでは確か、EndNote Webから直接、British LibraryだったかWorldCATだったかがひけるんですよね。そこからいけば、EndNote Webに図書の書誌情報を直接取り込みは出来ました。ちょっと動作が重かったのが難点。もう最近はEndNote Webなんて全然触っていないので、この機能が今でもあるかどうか、ちょっと自信がありませんが。それをしなくても、OPACから出力できるなら利用してみたいかな。というか、自分の大学の図書館がその本を持っていないことも多いので、むしろこの機能が使える海外の大学図書館サイトで検索してEndNote形式などで出力してきてしまう!という手が使えますよ!覚えておこうっと。なお、Phoenixにはこの出力機能はありませんでした。多分、公共図書館では不要機能として、削除されたのかと思います。代わりにPhoenixはWeb2.0的要素を多く取り込んでいて、RSSは勿論、「お気に入りに登録/共有」メニューの中に、Googleのほか、Myspace, Twitter, Slashdotなど様々なものがありました。そちら方向に頑張っているのですね。そういうところに「らしさ」を出しているのかも。
また、PhoenixはAmazonとの連携がとてもスムーズにいっているようでした。とても自然に繋がっている感じ。表紙画像は一部、AmazonかららしくAmazonマークあり、ものによっては、ヒット画面でAmazonでの評価の星マーク付き。書誌詳細画面のレビュータブをクリックすれば、Amazonのレビューが見られますしね。公共図書館らしくて、なるほど、という感じです。
Endecaは提供元が元々図書館ベンダーではないらしいですが、なかなか興味深かったです。月曜日に紹介した記事の中では「特にファセットブラウジングが優れている」とのことでしたが、どの辺りが優れているポイントか、菜の花にはちょっと分からず。他のと違う特長があったのを見落としているのでしょうか…。誰かご存知でしたらご教示下さい(切実)。
そうそう、書誌詳細画面はタブ形式で、配置場所や詳細、サマリー、目次などの他、近いsubject、親和性の高い他の資料のサジェスチョン、Amazonレビュー表示などが追加できるようでした。こういうのは、Encoreにはなかった気がします。まあまあ見やすいです。
さて、本日の最後はPrimo。
Vanderbilt UniversityとOxford Universityで確認しました。ビジュアルに関しては、無難にクリア。表紙も入っているし、資料種別のアイコンもありです。ただし、オンライン用のアイコンがないのか、それとも判別ができないのか分かりませんが、Bookとe-Bookの区別無く、両方Bookになるなど、e-Resourceの表示が出ません。思ったより見づらいです。ただ、ヒット画面の上部で「onlineのみ表示」を選択できるので、内部での認識はしているようでした。単に区別する必要がない、と2大学ともが考えたのかもしれません。ヒット画面での配置場所などの表示は特になし。Vanderbiltは一応、貸出状態だけは表示されているようです。ただし、配置場所や請求記号はもう1クリック必要。
サジェスト機能として、AquaBrowserのワードクラウドやEncoreのタグクラウドのような、派手な演出もなく右下にこっそり、New Search用のAuthor およびSubjectの関連語のリストがありました。あまり積極的に提案している感じはせず。しょんぼりした感じ。スペルチェックはちゃんと備えていました。絞込みの方はファセットで、他のものと大体同じ。絞り込みの履歴も、複数回やったときに独立して解除可能です。
気になった書誌を保存しておくe-Shelfがログイン無しでも利用可能で、ゲストユーザでも自由に保存できますし、検索結果表示の表示数も、10-50の範囲で選ぶことが出来て、親切な感じ。これはEncoreやEndecaにはなかった心配り。また、RefWorksやEndNoteへの出力機能もちゃんとありました。利用者参加型機能は他のものに比べてもかなり賑やかで、RSS, レビュー(要ログイン)、タギングなどが可能。これらが全部揃っていたのは、商用4種類のうちPrimoだけかも。あとのものももしかしたら、ログインすれば全部揃っていたのかもしれませんが、それはちょっと分かりません。
最も特長的なのは、タブ切り替えで統合データベース検索可能なこと。これってひょっとしたらPrimoの機能じゃない可能性もありますが…(MetaLibとか…ありませんでしたっけ、E社には)。とにかく、論文検索できます。フリーデータベースも一部入っていて、ゲストユーザもちょっとだけひけました。勿論、EJへのリンクなどもついています。EJに直接飛べないときは、リンクリゾルバを経由してくれます。ここが一番の売りですね。
あ、でもこれだけじゃない!というものを見つけました。出版年違いやonlineのものなどの同じ本(多分)を「This is 1 of 3 versions of this work」と言って、ヒット画面のうちにリンクを作ってくれます。これ、地味に便利です!ソート順を適合度で並べてしまうと、同じ本の書誌データでも、書誌データの多寡などで順位がかなり離れて、並んで出てこなくなってしまいます。そういうときに、「全部で3種類あるぞ、Bookと、他の年に出たBookと、オンライン版だぞ」と3つ並べてくれると「あ、ほんとだ、ありがとう!」って感じじゃないですか?どれくらいの精度で「これとこれは同じ本~」と言ってくれるかはちょっと分かりませんが。
全体にPrimoは若干、サジェスト機能が弱い気がしますが、それを補うかのごとくの、統合検索機能、ということになりますでしょうか。
そんなこんなで、Next Generation OPAC3種類の体験記、でした。これらについて、それぞれの機能を○×の表形式にして取りまとめています。来週はオープンソースのものをチェックする予定。こつこつ。
PR
この記事へのトラックバック
トラックバックURL
プロフィール
HN:
菜の花
性別:
女性
職業:
大学図書館職員11年目
趣味:
読書、アニメ、ゲーム、Alto&Tenor Sax
自己紹介:
理系院卒の大学図書館員。産休・育休を1年挟み、ついに採用11年目。「参考調査担当」(3年間)→「某文系図書室(主担当:和洋図雑の目録)」(3年間)→「某資料室(主担当:総括&和洋図雑の目録)」(2年10ヵ月)→産休・育休(1年2ヶ月)→「閲覧担当」(2016年4月~)
フリーエリア
カレンダー
菜の花にメールする
カテゴリー
最新記事
(07/17)
(03/13)
(04/21)
(01/01)
(12/26)
この記事へのコメント