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菜の花の大学図書館日誌

理系出身だったことを忘れかけている司書・菜の花の、大学図書館な日々。

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同定できない…

189日目(通算1564日目)。いや、大体はこれっぽいけど。

目録作業をしていて意外に困るのは、書誌の同定。作るぞ!と決めてしまえば、書誌を作成するハードルはそこまで高くないのですが、同定作業、つまりは「今、手元にあるこの本は、確かにこの書誌に所属するものである」ということを確認するのが難しいことがあります。なーんか、似てるんだけど、ちょっと違うような気もするんだよね、という気持ちになるというわけです。これが一番困ります。新しく書誌を作るわけにはいかないし、かと言って資料の放置も出来ないし、何とかしてこの書誌でいいの、間違いないの、それとも別のものなの?を見極めないといけません。

今日、途方に暮れていたのは昭和2年に謄写されたという資料。中身は大正時代っぽいのですが…、そして書誌はあるのですが…うーん、これは一体。雑誌書誌で、ファミリーは14件の書誌が絡む、複雑なもの。うちの図書室にはうち、3件が所蔵の該当になりそうですが、何かあやしい…。継続関係でと出版年の行きつ戻りつが特にあやしい。散々、悩みに悩んで、最終的に菜の花は力尽きました。力及ばず。とりあえず、いつものあそこに頼るー。梱包して送りつけることに。

でも、こうして頼れる先があることの幸せさときたら。小さな大学の目録担当者さんが「誰にも頼れない」と嘆いていらっしゃったのを思い出しました。菜の花は本当に幸せな目録担当者。


昭和2年といえば、偶然ですが他の資料で1冊、学内の他図書室に譲渡することにしたのも昭和2年の資料でした。うちの図書室では分野外かつ1冊しかないのですが、この本は明治時代から出ているようで、学内の別の図書室では明治、大正、そして昭和二桁に至るまでの所蔵がありました。残念ながら昭和2年が欠号していたので、そちらに譲渡を打診して、OKということで。変な風に泣き別れるのが一番、悲しいですからね。あちらで大事にして頂けるといいなと思います。ちなみに状態はとても良かったです。紙の劣化がそれほど酷くなく、やる気になれば再製本も余裕そうでした。ちなみに昭和15年以降の資料は結構、紙質が悪いので機械製本の業者さんには「無理です」と言われてしまうことも多々あります。紙にある程度の強度が残っていないと、穴を開けた時点で終わりですからね。



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プロフィール

HN:
菜の花
性別:
女性
職業:
大学図書館職員11年目
趣味:
読書、アニメ、ゲーム、Alto&Tenor Sax
自己紹介:
理系院卒の大学図書館員。産休・育休を1年挟み、ついに採用11年目。「参考調査担当」(3年間)→「某文系図書室(主担当:和洋図雑の目録)」(3年間)→「某資料室(主担当:総括&和洋図雑の目録)」(2年10ヵ月)→産休・育休(1年2ヶ月)→「閲覧担当」(2016年4月~)

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