菜の花の大学図書館日誌
理系出身だったことを忘れかけている司書・菜の花の、大学図書館な日々。
初・決裁
89日目(通算1464日目)。やったことないことは、どっきどき。
すでに6年も勤めておいて、新人さんのようなことを言ってすみません。菜の花、決裁書類を起案して、ハンコください!と出掛けたことがありません。上の人たちに回すような書類は、菜の花ではなくてかかりちょうなどの上司が作成していましたし、菜の花が実務以外の書類上で責任者っぽいことをするような機会は、昨年度までは殆どなかったのです。
でも4月に異動してきた今の図書室では、かかりいんは菜の花ひとり、それに非常勤さんがお二人。上司は、お隣の図書室のかかりちょうなので、まあお隣の分室みたいな扱いなのですが、一応独立の図書室です。学内的な予算は別枠をとっているものの、最終的な図書費としてはお隣と合算処理なので、半独立という中途半端な立場の図書室ですけれど。
まあ、そんな変な立ち位置の図書室ですが、とにかく同じ事務室内にいるメンバーとしては、菜の花が一番責任者っぽいことをせざるを得ないポジションですので、決裁書類の起案も菜の花のおしごとなのです、はい。ようし、作るぞー。
と言っても、ちょこちょこっと書くだけですが…。本日の決裁は、5月くらいから某公共施設から相談を受けていた件。展示会で、うちの図書室の資料も展示したいそうです。貸出、展示、および広報用の写真撮影などを取りまとめた「許可願」が郵送されてきました。
超レア!という資料ではないのですが、少なくとも県内の大学には所蔵がなさそうですし、全国的に見てもそれほど所蔵館は多くない、昭和戦前期の雑誌です。菜の花的には、使ってもらえるなんて嬉しいー!という感じですが、まあ、色々ありまして…。「本当に貸すの?」という声もあるのです。比較的状態は良い資料ではありますが、戦前期資料は場合によっては劣化が進みやすいものでもありますからね。それに、周りが心配するのには実は別の理由があります。前回、先方に展示会で利用できるかどうかの事前チェックとしてお貸しして返却された際、若干の破損があったと、ILL担当者からの報告があったのです。曰く、コピーをとろうとして、無理に開いてコピー機のガラス面に押し付けたのではないか、と。簡易製本だったのですが、外側の綴じ糸がかかっている表紙部分が破損していました。貸出前には異状はなかった、というのが貸出を担当したILL担当者と、送付で経由する中央のILL担当者の共通の証言でした。一般的な対応かどうかは、ILLを担当したことのない菜の花には分かりませんが、少なくともうちではILLで外部に貸し出すとき、事前に破損・汚損をチェックして、万が一異状があった場合は「ごめんなさい、ここ破れてますので気をつけてね」とお手紙を入れているそうです。そうだったのですねー。確かにそれをしておくと相手も「あれっ!?これって最初からだっけ!?それともうちがやっちゃったんだろうか…(どきどき)」とならずに済みますものね。でもその資料の場合は2人の目を通っているのに何もなかったので、あちらでの破損ではないか、と推測されるのですが、そういう場合は相手から「もしかしたらうちで破れてしまったかも…」というコメントがくるものなのに、何もなかったから「何となく、資料を大事にしてくれないところなんじゃないかと思う…」と全体に不安を呼んでいる、という感じです。でもまあ、絶対に相手館さんで破損したかどうかは分からなくて、こちらの見落としという可能性もゼロではないのですし(でも菜の花もその資料は最初の問い合わせ時に確認していますが、その時点での破損には気付きませんでした。特に破れてはいなかったはず)、もしかしたら輸送中に…ということも…ちょっと苦しいですが。
でも怪しい状態のときは一言、返却時に「初期から破れていたのですが、これ以上壊さないように丁寧に扱わせて頂きました」とか最初に破れに気付いていなかったならば「最初からかもしれませんが、こちらでの破損でしたらすみません」的な添え書きさえして下されば、それで好感度はアップなのです。別に破損部分はうちでやった簡易製本の裏表紙部分なので、幾らでも修理はきくし、大したことでもないのですが、何の言及もない場合、「破損に気付いていながら何のコメントもない」と、あれ!?となりますし、「そもそも破損に気付いていない」としたら、資料をちゃんと見ないで適当に扱っているということで、本当にそんなところに資料を貸しても良いのか、と不安にもなります。
しかも、今回の許可願の中に、簡易製本を一度ばらしてから展示し、その後に戻して返却したい、という希望があったため、周りから「大丈夫?」という声が上がったのでした。まあ、元に戻してくれるということですから、そんなひどいことには…と思いつつ、実は若干どきどきしている菜の花です。でも折角の機会ですもの、その辺りは条件の中にきちんと戻してね、丁寧に扱ってね?と念押ししつつ、貸出許可願います、と上に決裁を取ることにしたというわけです。ああ、前置き長い。すみません。それに不完全な証拠で疑いをかけて、先方さまにもごめんなさい。
とにかく、書類をコピーして、そこに起案として「こういう感じできてます、こういう条件を出します、許可してよいか伺います」と書いて、押印欄を作成し、ハンコを貰いに出掛けました。とりあえず、自分の印を捺してから、うちの図書室のある部署の長である教授を最初に訪問。それからお隣の図書室のかかりちょう(上司)の印を頂いて、最後に総務のかかりちょうのところへ。そこからはそちらにお任せして、総務のかかりちょう、総務の課長、そしてうちの学部の長である教授まで、この書類を、「印鑑を頂く旅」に出すのです。肝心の総務のかかりちょうが本日はお休みだったので、以降の旅は明日以降に延期になりましたけれどもね。まあ、却下されることはないと思いますが、とにかく初なので、菜の花的にはどきどきなのです。
すでに6年も勤めておいて、新人さんのようなことを言ってすみません。菜の花、決裁書類を起案して、ハンコください!と出掛けたことがありません。上の人たちに回すような書類は、菜の花ではなくてかかりちょうなどの上司が作成していましたし、菜の花が実務以外の書類上で責任者っぽいことをするような機会は、昨年度までは殆どなかったのです。
でも4月に異動してきた今の図書室では、かかりいんは菜の花ひとり、それに非常勤さんがお二人。上司は、お隣の図書室のかかりちょうなので、まあお隣の分室みたいな扱いなのですが、一応独立の図書室です。学内的な予算は別枠をとっているものの、最終的な図書費としてはお隣と合算処理なので、半独立という中途半端な立場の図書室ですけれど。
まあ、そんな変な立ち位置の図書室ですが、とにかく同じ事務室内にいるメンバーとしては、菜の花が一番責任者っぽいことをせざるを得ないポジションですので、決裁書類の起案も菜の花のおしごとなのです、はい。ようし、作るぞー。
と言っても、ちょこちょこっと書くだけですが…。本日の決裁は、5月くらいから某公共施設から相談を受けていた件。展示会で、うちの図書室の資料も展示したいそうです。貸出、展示、および広報用の写真撮影などを取りまとめた「許可願」が郵送されてきました。
超レア!という資料ではないのですが、少なくとも県内の大学には所蔵がなさそうですし、全国的に見てもそれほど所蔵館は多くない、昭和戦前期の雑誌です。菜の花的には、使ってもらえるなんて嬉しいー!という感じですが、まあ、色々ありまして…。「本当に貸すの?」という声もあるのです。比較的状態は良い資料ではありますが、戦前期資料は場合によっては劣化が進みやすいものでもありますからね。それに、周りが心配するのには実は別の理由があります。前回、先方に展示会で利用できるかどうかの事前チェックとしてお貸しして返却された際、若干の破損があったと、ILL担当者からの報告があったのです。曰く、コピーをとろうとして、無理に開いてコピー機のガラス面に押し付けたのではないか、と。簡易製本だったのですが、外側の綴じ糸がかかっている表紙部分が破損していました。貸出前には異状はなかった、というのが貸出を担当したILL担当者と、送付で経由する中央のILL担当者の共通の証言でした。一般的な対応かどうかは、ILLを担当したことのない菜の花には分かりませんが、少なくともうちではILLで外部に貸し出すとき、事前に破損・汚損をチェックして、万が一異状があった場合は「ごめんなさい、ここ破れてますので気をつけてね」とお手紙を入れているそうです。そうだったのですねー。確かにそれをしておくと相手も「あれっ!?これって最初からだっけ!?それともうちがやっちゃったんだろうか…(どきどき)」とならずに済みますものね。でもその資料の場合は2人の目を通っているのに何もなかったので、あちらでの破損ではないか、と推測されるのですが、そういう場合は相手から「もしかしたらうちで破れてしまったかも…」というコメントがくるものなのに、何もなかったから「何となく、資料を大事にしてくれないところなんじゃないかと思う…」と全体に不安を呼んでいる、という感じです。でもまあ、絶対に相手館さんで破損したかどうかは分からなくて、こちらの見落としという可能性もゼロではないのですし(でも菜の花もその資料は最初の問い合わせ時に確認していますが、その時点での破損には気付きませんでした。特に破れてはいなかったはず)、もしかしたら輸送中に…ということも…ちょっと苦しいですが。
でも怪しい状態のときは一言、返却時に「初期から破れていたのですが、これ以上壊さないように丁寧に扱わせて頂きました」とか最初に破れに気付いていなかったならば「最初からかもしれませんが、こちらでの破損でしたらすみません」的な添え書きさえして下されば、それで好感度はアップなのです。別に破損部分はうちでやった簡易製本の裏表紙部分なので、幾らでも修理はきくし、大したことでもないのですが、何の言及もない場合、「破損に気付いていながら何のコメントもない」と、あれ!?となりますし、「そもそも破損に気付いていない」としたら、資料をちゃんと見ないで適当に扱っているということで、本当にそんなところに資料を貸しても良いのか、と不安にもなります。
しかも、今回の許可願の中に、簡易製本を一度ばらしてから展示し、その後に戻して返却したい、という希望があったため、周りから「大丈夫?」という声が上がったのでした。まあ、元に戻してくれるということですから、そんなひどいことには…と思いつつ、実は若干どきどきしている菜の花です。でも折角の機会ですもの、その辺りは条件の中にきちんと戻してね、丁寧に扱ってね?と念押ししつつ、貸出許可願います、と上に決裁を取ることにしたというわけです。ああ、前置き長い。すみません。それに不完全な証拠で疑いをかけて、先方さまにもごめんなさい。
とにかく、書類をコピーして、そこに起案として「こういう感じできてます、こういう条件を出します、許可してよいか伺います」と書いて、押印欄を作成し、ハンコを貰いに出掛けました。とりあえず、自分の印を捺してから、うちの図書室のある部署の長である教授を最初に訪問。それからお隣の図書室のかかりちょう(上司)の印を頂いて、最後に総務のかかりちょうのところへ。そこからはそちらにお任せして、総務のかかりちょう、総務の課長、そしてうちの学部の長である教授まで、この書類を、「印鑑を頂く旅」に出すのです。肝心の総務のかかりちょうが本日はお休みだったので、以降の旅は明日以降に延期になりましたけれどもね。まあ、却下されることはないと思いますが、とにかく初なので、菜の花的にはどきどきなのです。
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プロフィール
HN:
菜の花
性別:
女性
職業:
大学図書館職員11年目
趣味:
読書、アニメ、ゲーム、Alto&Tenor Sax
自己紹介:
理系院卒の大学図書館員。産休・育休を1年挟み、ついに採用11年目。「参考調査担当」(3年間)→「某文系図書室(主担当:和洋図雑の目録)」(3年間)→「某資料室(主担当:総括&和洋図雑の目録)」(2年10ヵ月)→産休・育休(1年2ヶ月)→「閲覧担当」(2016年4月~)
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