菜の花の大学図書館日誌
理系出身だったことを忘れかけている司書・菜の花の、大学図書館な日々。
除菌ちゅう
664日目(通算1361日目)。あと、要・地震対策。
朝から、図書室に業者さんが入っています。
貴重書室の除菌作業です。
去年、散々悩まされ、現在も完全解決には至っていない
「カビ」に対して、ついにプロが介入です。
カビ対策の燻蒸や、拭き取り作業などをやってくれる業者さんに
依頼したのです。本日と明日、そして来週のどこかで、
作業をして頂く予定。というわけで、今日が初日。
狭い貴重書室に、6人もの屈強(何故か見た目が屈強)な男性が
せせこましーく引きこもって作業されています。
…怖くて中が覗けません!
一体、どんな作業が行なわれているのか…、
知っているのはかかりちょうのみです。。。
この作業が終わったら、貴重書の棚に
ビニール紐を張ろうと思っています。
東北の大震災の際には、山ほど資料が落下したわけですが、
貴重書の場合、和装本は軽くて落下も少なく、
落下したものに関しても破損はあまり見られなかったらしいのですが、
洋書の革装本は、かなり悲惨なことになったそうで。
重い上に、すでに劣化が始まっている資料には、
落下の衝撃に耐えることができないようです。
うちの図書室の貴重書室にあるのは、
殆どが革装本のヨーロッパの古い書物。
なので、絶対に落下させてはいけない、と。
去年、菜の花は東北の某大学さまに出張したとき、
この「本を書架にくくりつけちゃう作戦」を見てきました。
余震でも落下しないらしいです。
問題は通常の利用上、使いづらいというところらしいですが、
うちの場合は閉架の貴重書室であって、利用者さんの
通常利用に供する場所ではありませんから、
これは結構、いけるのではないかと。
本を振り落とせないと、書架自体が倒れる、というような事例も
多々見られているようですけれども、貴重書室は狭いので
書架が倒れても壁にぶつかって隙間はできます。
そもそも人が中にいる確率はとてつもなく低い。
本を保持したまま倒れてくれた方が、
恐らく復旧がスムーズにいくだろう、と想像されます。
というわけで、業者さんによる除菌作業が終わったら、
その作業に取り掛かりたいなと考えています。
今日は、ちょうどそんな話をちらっと聞いてきたもので。
いや、やっぱり経験者のことばは重いです。
色々と対策の参考にさせて頂きたいと思います。
明日はわが身。
利用者さんの安全確保第一、
その上で資料の保護も考えていきたいもの。
そうそう、今日は利用者サービスの話として、
オンラインでの貸出延長を受け付けるかどうかを、
かかり内で話し合いました。
今まで、うちの大学ではそういうサービスをしていなかったのですが、
これについて、導入するか否かの判断を迫られたのです。
現在は、延長を認めているのは貸出期限が2週間の場合、
1回のみ、カウンターに学生証と資料本体を持参して
特に予約などが入っていなければ貸出延長処理が行なわれます。
それが、オンライン上で学生証のナンバーなどでログインして、
現在では「貸出中資料名」「期限」などが見られる画面で、
「貸出延長」も行なえるようにするというもの。
導入すれば、学生さんがわざわざ図書室に来なくても、
どこでもネット接続して延長手続きが出来ます。
かかりちょうは、導入反対でした。
やはり、延長は現物を持ってきて見せて頂かないと、
紛失している場合に早期発見できないから不安だ、ということです。
まあ、確かに。
でも、わざわざ資料を持ってきて「延長したいです」
と申し出る人に、そもそもそういう不安ってあるのでしょうか?
確かに、延滞したり紛失したり、図書館資料をルーズに扱う利用者さんは
少なからず存在はします。そういう人は、注意してもあまり効果なく、
結局、延長処理なんてしないのでは、と。
いや、そんな風に図書館員が諦めちゃいけないのかもしれませんが。
でもオンラインで延長できるなら、そういう人だって
延長のハードルが下がって、「延滞」になる前に、
ちゃんと「延長」してくれて、結果的に延滞者が減るかもしれません。
延滞って、一度するとそのあとも何度もやってしまう
「常習犯」が出てくるものです。最初の一回を回避できたら、
「延滞」についての意識も高まるかもしれない…というのは、
さすがに菜の花の淡い期待かもしれませんが、ないとは言えないかと。
そして、いつもちゃんと「延長」のために来室してくれる、
きちんとした利用者さんには、どこでも「延長が出来る」という
メリットを享受して頂くことも出来ます。
それなら、プラスの方が多い、と菜の花は考えました。
あと…、実は菜の花自身、公共図書館ユーザなのですが、
その図書館では以前はやっていなかったものの、
新サービスとして何年か前から、オンラインでの延長処理サービスを
スタートしていまして…、これにとても助けられています。
後ろに予約が入ってしまったり、1日でも遅れれば延長が出来ないので、
常に自分の貸出状況をネットでしっかり確認するようになりましたし、
本の借り方もちょっと変わって、貸出冊数も多くなりました。
とにかく、凄く便利なのです、このサービス。
大学は、まあ大体毎日登校するところですから、
公共図書館とはちょっと違うかもしれませんが…、
でもないよりある方が絶対、便利!…と、力説しまくり、
結局、押し切ってしまいました。
実は、システム上、かなり重大な問題が発生するのですが
それの回避方法も一生懸命、模索しましたとも。
で、最終的に「この方法でいきましょう!」と提案しました。
若干の手間は増えますが、比較的安全で、
しかもミスしても二重チェックのかかる方法です。
これならよほど、大きな問題は起きないだろうと。
というわけで、無理矢理通しちゃいましたが…、
図書館員なら持つであろう何となくの不安を
強引に吹き飛ばしちゃって、みなさますみません。
もしかしたらそれは、図書館員の「長年の勘」であって、
そう簡単にねじ伏せてはいけないものだったかもしれません。
でも菜の花は、折角の機会を逃したくなかったので…。
なので、
万が一、何らかのトラブルが発生した場合は、
速やかにサービスを停止することをためらわないこと。
と、主張しておきました。
菜の花自身、強引だった分、ちょっと不安だったのです。
それに導入したからには、何が何でも…という姿勢は怖いですから。
さて…うまく動いてくれるといいのですが。
いきなりトラブル発生しちゃったら菜の花、
図書室内で平謝りしないといけませんね…。むむ。
朝から、図書室に業者さんが入っています。
貴重書室の除菌作業です。
去年、散々悩まされ、現在も完全解決には至っていない
「カビ」に対して、ついにプロが介入です。
カビ対策の燻蒸や、拭き取り作業などをやってくれる業者さんに
依頼したのです。本日と明日、そして来週のどこかで、
作業をして頂く予定。というわけで、今日が初日。
狭い貴重書室に、6人もの屈強(何故か見た目が屈強)な男性が
せせこましーく引きこもって作業されています。
…怖くて中が覗けません!
一体、どんな作業が行なわれているのか…、
知っているのはかかりちょうのみです。。。
この作業が終わったら、貴重書の棚に
ビニール紐を張ろうと思っています。
東北の大震災の際には、山ほど資料が落下したわけですが、
貴重書の場合、和装本は軽くて落下も少なく、
落下したものに関しても破損はあまり見られなかったらしいのですが、
洋書の革装本は、かなり悲惨なことになったそうで。
重い上に、すでに劣化が始まっている資料には、
落下の衝撃に耐えることができないようです。
うちの図書室の貴重書室にあるのは、
殆どが革装本のヨーロッパの古い書物。
なので、絶対に落下させてはいけない、と。
去年、菜の花は東北の某大学さまに出張したとき、
この「本を書架にくくりつけちゃう作戦」を見てきました。
余震でも落下しないらしいです。
問題は通常の利用上、使いづらいというところらしいですが、
うちの場合は閉架の貴重書室であって、利用者さんの
通常利用に供する場所ではありませんから、
これは結構、いけるのではないかと。
本を振り落とせないと、書架自体が倒れる、というような事例も
多々見られているようですけれども、貴重書室は狭いので
書架が倒れても壁にぶつかって隙間はできます。
そもそも人が中にいる確率はとてつもなく低い。
本を保持したまま倒れてくれた方が、
恐らく復旧がスムーズにいくだろう、と想像されます。
というわけで、業者さんによる除菌作業が終わったら、
その作業に取り掛かりたいなと考えています。
今日は、ちょうどそんな話をちらっと聞いてきたもので。
いや、やっぱり経験者のことばは重いです。
色々と対策の参考にさせて頂きたいと思います。
明日はわが身。
利用者さんの安全確保第一、
その上で資料の保護も考えていきたいもの。
そうそう、今日は利用者サービスの話として、
オンラインでの貸出延長を受け付けるかどうかを、
かかり内で話し合いました。
今まで、うちの大学ではそういうサービスをしていなかったのですが、
これについて、導入するか否かの判断を迫られたのです。
現在は、延長を認めているのは貸出期限が2週間の場合、
1回のみ、カウンターに学生証と資料本体を持参して
特に予約などが入っていなければ貸出延長処理が行なわれます。
それが、オンライン上で学生証のナンバーなどでログインして、
現在では「貸出中資料名」「期限」などが見られる画面で、
「貸出延長」も行なえるようにするというもの。
導入すれば、学生さんがわざわざ図書室に来なくても、
どこでもネット接続して延長手続きが出来ます。
かかりちょうは、導入反対でした。
やはり、延長は現物を持ってきて見せて頂かないと、
紛失している場合に早期発見できないから不安だ、ということです。
まあ、確かに。
でも、わざわざ資料を持ってきて「延長したいです」
と申し出る人に、そもそもそういう不安ってあるのでしょうか?
確かに、延滞したり紛失したり、図書館資料をルーズに扱う利用者さんは
少なからず存在はします。そういう人は、注意してもあまり効果なく、
結局、延長処理なんてしないのでは、と。
いや、そんな風に図書館員が諦めちゃいけないのかもしれませんが。
でもオンラインで延長できるなら、そういう人だって
延長のハードルが下がって、「延滞」になる前に、
ちゃんと「延長」してくれて、結果的に延滞者が減るかもしれません。
延滞って、一度するとそのあとも何度もやってしまう
「常習犯」が出てくるものです。最初の一回を回避できたら、
「延滞」についての意識も高まるかもしれない…というのは、
さすがに菜の花の淡い期待かもしれませんが、ないとは言えないかと。
そして、いつもちゃんと「延長」のために来室してくれる、
きちんとした利用者さんには、どこでも「延長が出来る」という
メリットを享受して頂くことも出来ます。
それなら、プラスの方が多い、と菜の花は考えました。
あと…、実は菜の花自身、公共図書館ユーザなのですが、
その図書館では以前はやっていなかったものの、
新サービスとして何年か前から、オンラインでの延長処理サービスを
スタートしていまして…、これにとても助けられています。
後ろに予約が入ってしまったり、1日でも遅れれば延長が出来ないので、
常に自分の貸出状況をネットでしっかり確認するようになりましたし、
本の借り方もちょっと変わって、貸出冊数も多くなりました。
とにかく、凄く便利なのです、このサービス。
大学は、まあ大体毎日登校するところですから、
公共図書館とはちょっと違うかもしれませんが…、
でもないよりある方が絶対、便利!…と、力説しまくり、
結局、押し切ってしまいました。
実は、システム上、かなり重大な問題が発生するのですが
それの回避方法も一生懸命、模索しましたとも。
で、最終的に「この方法でいきましょう!」と提案しました。
若干の手間は増えますが、比較的安全で、
しかもミスしても二重チェックのかかる方法です。
これならよほど、大きな問題は起きないだろうと。
というわけで、無理矢理通しちゃいましたが…、
図書館員なら持つであろう何となくの不安を
強引に吹き飛ばしちゃって、みなさますみません。
もしかしたらそれは、図書館員の「長年の勘」であって、
そう簡単にねじ伏せてはいけないものだったかもしれません。
でも菜の花は、折角の機会を逃したくなかったので…。
なので、
万が一、何らかのトラブルが発生した場合は、
速やかにサービスを停止することをためらわないこと。
と、主張しておきました。
菜の花自身、強引だった分、ちょっと不安だったのです。
それに導入したからには、何が何でも…という姿勢は怖いですから。
さて…うまく動いてくれるといいのですが。
いきなりトラブル発生しちゃったら菜の花、
図書室内で平謝りしないといけませんね…。むむ。
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プロフィール
HN:
菜の花
性別:
女性
職業:
大学図書館職員11年目
趣味:
読書、アニメ、ゲーム、Alto&Tenor Sax
自己紹介:
理系院卒の大学図書館員。産休・育休を1年挟み、ついに採用11年目。「参考調査担当」(3年間)→「某文系図書室(主担当:和洋図雑の目録)」(3年間)→「某資料室(主担当:総括&和洋図雑の目録)」(2年10ヵ月)→産休・育休(1年2ヶ月)→「閲覧担当」(2016年4月~)
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