菜の花の大学図書館日誌
理系出身だったことを忘れかけている司書・菜の花の、大学図書館な日々。
一般的な利用者視点って何?
- 2009/02/16 (Mon)
- 1-3年目(参考調査編) |
- TB() |
- CM(0) |
- Edit |
- ▲Top
667日目。突然、降ってきたしごと。
それは、次世代OPACに関する検討の件。うーん、次世代OPACですか。正直、これまでまったく興味なしでした。OPACなんてうちの図書館にその本があるかないかと、どこにあるかが分かればいいじゃん?と思っていました。本を探して特定するのはGoogleでもAmazonでもNACSIS Webcat Plusでも何でもあるし、そもそもOPACになんて最初からまったく期待なんかしていないというか。所詮、OPAC。そんな感じ。
いや、でも確かに考えてみるとそもそも図書館員がそう思っているような駄目駄目なシステムが現在のOPACなわけで、それに対して新たなる一歩を踏み出そう、というのは結構重要なことではないのか!?と。で、まあ「次世代OPAC」について検討して来い、というのがシステム課からやってきた、我ら「OPACサブ・グループ」の当面の宿題というわけです。はあ…。とりあえず、ゼロからのスタートなんですけど。2週間で何がどこまで検討されるのかは不安ですが、検討して来いと言われたからには、検討して来ないと駄目でしょう。むむ。
とりあえずの検討材料というか、スタート地点はこれ↓。
工藤 絵理子, 片岡 真.
“次世代OPACの可能性―その特徴と導入への課題―”.
情報管理. Vol. 51, No. 7, (2008), 480-498 .
http://www.jstage.jst.go.jp/article/johokanri/51/7/51_480/_article/-char/ja/
とりあえず、話を聞きながら5分足らずで速読して、事務室に戻ってからこれを検討してもらうことになるサブ・グループメンバーにこの論文を印刷して手渡ししてきました。J-STAGEなのでメールして各自で落としてもらってもよいのですけれども、ここは必死さをアピールして少しでもメンバーに動いてもらうために、対面で説明してきました。今週中に、として提案した宿題は3つ。
「この論文を読むこと」
「うちの大学のOPACが直面している問題を挙げること」
「その問題を現実問題、【次世代OPAC】が解消可能か否かを検討すること」
来週には更に、
「現実的に考えて【次世代OPAC】は今、必要なのか?」
「他に代替案はないのか?」
「不要の場合はその理由を、必要な場合は具体的にどうするか?」
まあ、そんな流れ?…ここまで来て単純に「不要」は無理ですよねえ。だってみな、OPACに満足していないわけでしょうから。だからシステム課は、OPACサブ・グループに検討しろ、と要請してきたわけで。「不要」の場合は、それなりの理由が必要(最近の【次世代OPAC】ごときにうちの問題は解消できない!とか)。でも「必要」の場合は今度は「じゃ、どれにするよ?」という問題が。「商業ベース」か「オープンソース」か。
「商業ベース」はサポートが受けられる可能性が高いものの、高額なのとカスタマイズに制限がありそうなのがネック。日本語対応がどれくらい進んでいるかも不安。
「オープンソース」は自前でやることが沢山あるはず。そんなスキルも人材も足りないでしょうから、どこかに委託して管理してもらうことになると結局お金もかかるかも。でも、カスタマイズは比較的自由度が高いかも。
今のところ、手持ちの情報はこれくらい。さて、どこへ落とすか。それはまだ分かりません。そしてそれを、どこまでここに書けるかも現時点では不明。。。急に菜の花が黙り込んでも、あまり深く追求しないであげて下さい。最近、不景気だからブログで職を失いたくないのですよー、というのは冗談ですが(これ、冗談じゃなくなったら嫌ですね)。
結局、一番大切なのは「利用者視点」と仰るのです、誰もが。でも、本当に一般的な「利用者視点」って何なんだろう?というのが、菜の花の前に立ちはだかった最大級の難問なのです。だって最近の菜の花、思いっきりだらけきった生活を満喫中なのですよ。だから、研究関係の本なんてちっとも読みません。ライトな本(ラノベとか、ごくごくやさしい一般書とか)ばかり、公共図書館で見繕って借りてくる生活です。研究者や学生の視点なんて、欠片もないわけですよ!いや、それは菜の花が悪いとして。もっと振り返ってみてもやっぱり難問なのです。
院生時代は本なんて読みませんでした。うちの研究分野は、本なんて教科書しかなくて、研究内容はほぼ間違いなく、学術雑誌の論文から探してこなくてはならなかったので。だからOPACなんてひきません。むしろデータベースが必要でした。そのデータベースが統合検索されるなら確かに意義がある…かもしれませんが、それも菜の花の分野の話。別の研究室の友人は、特定雑誌しか読まない(その分野は幾つかの雑誌だけがすべて、というところもあるのです)ので、データベースすら不要で、ScienceDirectがあればそれでいい、と言っていました。更にはWeb of Science、何それ?なんて言う化学系の友人もいました。Web of Scienceはとっても大きなデータベースで使い出はありますが、問題がまったくないわけではなくて、言葉でしか引けないのですよね。化学系だと、構造式からひきたいなんて人もいるわけで。更に、文系の中には、とにかく本、本、本、図書が商売道具!という分野だってあると聞きます。
結局、何が標準かなんて分からないし、何が一般的とも言い切れないし。利用者って千差万別、菜の花の知っている世界が、世界の総てではないのです。そうすると、真の利用者視点って何なんだー、誰が便利に感じたらいいんだー、そしてそれをどうやって想定したらいいんだーということに。。。「次世代OPAC」、オープンソースを使ったって、人件費はかかるわけで、その意味ではどう転んでも、お金はある程度かかってしまいます。だから、ごく一部の想定する人だけにしか利にならない、では困るわけです。だって図書館が使うお金は、大学のお金なのですからね。
でも、とにかく想像してみないと何も始まりません。ええ、想像してみます。まずは学部生視点にレッツ・チャレンジ。菜の花だって10年前はこの大学で学部生していたわけで、図書館も使っていたのですよ!そのときはどうしていた?と言われれば…。
OPACなんてひいたこともない、です。そんなのなくても、ブラウジングで十分!というか、ブラウジングしないと本なんか見つけられないよ!というわけ。本のタイトル見たって、内容なんか分からないし…。と、ここでひとつ、今のOPACの問題点発見。つまりは書誌情報が少なすぎて、それが欲しい本かどうか分からないってことですね。で、請求記号で近いところにいけば、似た本が並んでいるよ、と図書館の人は仰るわけですよ。ということは、OPACなんて「大体その分野のところへ行けばいいや程度しか分からない」ってわけですね。ああ、確かに問題だ。うん、問題だ。うんうん。何かこれ、上記の論文の中にも書いてあったような。ってことは、これは【次世代OPAC】で解消されるのでしょうか?うーん、Amazonにでも繋がっていれば、少しは軽減されるかもしれませんね。いちいちクリックしないと詳細が見られないと、それはそれで面倒ですけど。ブラウジングした方が早かったりして。いやいやいや、ここで電子リソースの登場です。最近は和書のeBookも出ていますからねえ。もしもうちの大学でその本のeBookなんて買っていたら…、検索したその場で読めちゃうかも?あ、それも【次世代OPAC】にはうまく組み込めさえすれば、検索されてくるのですね。「eBook」と明示されて。
おっと、ここで忘れていたことがあったのを思い出しました。そもそも【次世代OPAC】って何よ?の定義をしていませんでした。ああ、でも何だかとっても長くなったので、それはまた明日以降に持ち越しましょう。とにかく着手したよ!ということで。今日はこれくらいに。
ええと、あと今日あったことー。菜の花は電磁場をゆがめる体質の持ち主疑惑が発生したこと、とか。図書館の本って、勝手に持ち出すと出口のところでアラームが鳴っちゃったりするじゃないですか。今日、菜の花、鳴りませんでした。テストしてみてびっくり。あれ?持ち出せちゃう、って。でも本だけくぐらすと鳴ってましたし。菜の花が何らかの遮蔽を!?そういえば、飛行機の金属探知機ですか?あのチェック、今まで引っかからなかったことがありません。必ずひっかかります。いつも引っかかるのはベルトなんですけどね。
あとはー、何か色々ありました。まあ、省略!(適当な)。
それは、次世代OPACに関する検討の件。うーん、次世代OPACですか。正直、これまでまったく興味なしでした。OPACなんてうちの図書館にその本があるかないかと、どこにあるかが分かればいいじゃん?と思っていました。本を探して特定するのはGoogleでもAmazonでもNACSIS Webcat Plusでも何でもあるし、そもそもOPACになんて最初からまったく期待なんかしていないというか。所詮、OPAC。そんな感じ。
いや、でも確かに考えてみるとそもそも図書館員がそう思っているような駄目駄目なシステムが現在のOPACなわけで、それに対して新たなる一歩を踏み出そう、というのは結構重要なことではないのか!?と。で、まあ「次世代OPAC」について検討して来い、というのがシステム課からやってきた、我ら「OPACサブ・グループ」の当面の宿題というわけです。はあ…。とりあえず、ゼロからのスタートなんですけど。2週間で何がどこまで検討されるのかは不安ですが、検討して来いと言われたからには、検討して来ないと駄目でしょう。むむ。
とりあえずの検討材料というか、スタート地点はこれ↓。
工藤 絵理子, 片岡 真.
“次世代OPACの可能性―その特徴と導入への課題―”.
情報管理. Vol. 51, No. 7, (2008), 480-498 .
http://www.jstage.jst.go.jp/article/johokanri/51/7/51_480/_article/-char/ja/
とりあえず、話を聞きながら5分足らずで速読して、事務室に戻ってからこれを検討してもらうことになるサブ・グループメンバーにこの論文を印刷して手渡ししてきました。J-STAGEなのでメールして各自で落としてもらってもよいのですけれども、ここは必死さをアピールして少しでもメンバーに動いてもらうために、対面で説明してきました。今週中に、として提案した宿題は3つ。
「この論文を読むこと」
「うちの大学のOPACが直面している問題を挙げること」
「その問題を現実問題、【次世代OPAC】が解消可能か否かを検討すること」
来週には更に、
「現実的に考えて【次世代OPAC】は今、必要なのか?」
「他に代替案はないのか?」
「不要の場合はその理由を、必要な場合は具体的にどうするか?」
まあ、そんな流れ?…ここまで来て単純に「不要」は無理ですよねえ。だってみな、OPACに満足していないわけでしょうから。だからシステム課は、OPACサブ・グループに検討しろ、と要請してきたわけで。「不要」の場合は、それなりの理由が必要(最近の【次世代OPAC】ごときにうちの問題は解消できない!とか)。でも「必要」の場合は今度は「じゃ、どれにするよ?」という問題が。「商業ベース」か「オープンソース」か。
「商業ベース」はサポートが受けられる可能性が高いものの、高額なのとカスタマイズに制限がありそうなのがネック。日本語対応がどれくらい進んでいるかも不安。
「オープンソース」は自前でやることが沢山あるはず。そんなスキルも人材も足りないでしょうから、どこかに委託して管理してもらうことになると結局お金もかかるかも。でも、カスタマイズは比較的自由度が高いかも。
今のところ、手持ちの情報はこれくらい。さて、どこへ落とすか。それはまだ分かりません。そしてそれを、どこまでここに書けるかも現時点では不明。。。急に菜の花が黙り込んでも、あまり深く追求しないであげて下さい。最近、不景気だからブログで職を失いたくないのですよー、というのは冗談ですが(これ、冗談じゃなくなったら嫌ですね)。
結局、一番大切なのは「利用者視点」と仰るのです、誰もが。でも、本当に一般的な「利用者視点」って何なんだろう?というのが、菜の花の前に立ちはだかった最大級の難問なのです。だって最近の菜の花、思いっきりだらけきった生活を満喫中なのですよ。だから、研究関係の本なんてちっとも読みません。ライトな本(ラノベとか、ごくごくやさしい一般書とか)ばかり、公共図書館で見繕って借りてくる生活です。研究者や学生の視点なんて、欠片もないわけですよ!いや、それは菜の花が悪いとして。もっと振り返ってみてもやっぱり難問なのです。
院生時代は本なんて読みませんでした。うちの研究分野は、本なんて教科書しかなくて、研究内容はほぼ間違いなく、学術雑誌の論文から探してこなくてはならなかったので。だからOPACなんてひきません。むしろデータベースが必要でした。そのデータベースが統合検索されるなら確かに意義がある…かもしれませんが、それも菜の花の分野の話。別の研究室の友人は、特定雑誌しか読まない(その分野は幾つかの雑誌だけがすべて、というところもあるのです)ので、データベースすら不要で、ScienceDirectがあればそれでいい、と言っていました。更にはWeb of Science、何それ?なんて言う化学系の友人もいました。Web of Scienceはとっても大きなデータベースで使い出はありますが、問題がまったくないわけではなくて、言葉でしか引けないのですよね。化学系だと、構造式からひきたいなんて人もいるわけで。更に、文系の中には、とにかく本、本、本、図書が商売道具!という分野だってあると聞きます。
結局、何が標準かなんて分からないし、何が一般的とも言い切れないし。利用者って千差万別、菜の花の知っている世界が、世界の総てではないのです。そうすると、真の利用者視点って何なんだー、誰が便利に感じたらいいんだー、そしてそれをどうやって想定したらいいんだーということに。。。「次世代OPAC」、オープンソースを使ったって、人件費はかかるわけで、その意味ではどう転んでも、お金はある程度かかってしまいます。だから、ごく一部の想定する人だけにしか利にならない、では困るわけです。だって図書館が使うお金は、大学のお金なのですからね。
でも、とにかく想像してみないと何も始まりません。ええ、想像してみます。まずは学部生視点にレッツ・チャレンジ。菜の花だって10年前はこの大学で学部生していたわけで、図書館も使っていたのですよ!そのときはどうしていた?と言われれば…。
OPACなんてひいたこともない、です。そんなのなくても、ブラウジングで十分!というか、ブラウジングしないと本なんか見つけられないよ!というわけ。本のタイトル見たって、内容なんか分からないし…。と、ここでひとつ、今のOPACの問題点発見。つまりは書誌情報が少なすぎて、それが欲しい本かどうか分からないってことですね。で、請求記号で近いところにいけば、似た本が並んでいるよ、と図書館の人は仰るわけですよ。ということは、OPACなんて「大体その分野のところへ行けばいいや程度しか分からない」ってわけですね。ああ、確かに問題だ。うん、問題だ。うんうん。何かこれ、上記の論文の中にも書いてあったような。ってことは、これは【次世代OPAC】で解消されるのでしょうか?うーん、Amazonにでも繋がっていれば、少しは軽減されるかもしれませんね。いちいちクリックしないと詳細が見られないと、それはそれで面倒ですけど。ブラウジングした方が早かったりして。いやいやいや、ここで電子リソースの登場です。最近は和書のeBookも出ていますからねえ。もしもうちの大学でその本のeBookなんて買っていたら…、検索したその場で読めちゃうかも?あ、それも【次世代OPAC】にはうまく組み込めさえすれば、検索されてくるのですね。「eBook」と明示されて。
おっと、ここで忘れていたことがあったのを思い出しました。そもそも【次世代OPAC】って何よ?の定義をしていませんでした。ああ、でも何だかとっても長くなったので、それはまた明日以降に持ち越しましょう。とにかく着手したよ!ということで。今日はこれくらいに。
ええと、あと今日あったことー。菜の花は電磁場をゆがめる体質の持ち主疑惑が発生したこと、とか。図書館の本って、勝手に持ち出すと出口のところでアラームが鳴っちゃったりするじゃないですか。今日、菜の花、鳴りませんでした。テストしてみてびっくり。あれ?持ち出せちゃう、って。でも本だけくぐらすと鳴ってましたし。菜の花が何らかの遮蔽を!?そういえば、飛行機の金属探知機ですか?あのチェック、今まで引っかからなかったことがありません。必ずひっかかります。いつも引っかかるのはベルトなんですけどね。
あとはー、何か色々ありました。まあ、省略!(適当な)。
PR
この記事へのトラックバック
トラックバックURL
プロフィール
HN:
菜の花
性別:
女性
職業:
大学図書館職員11年目
趣味:
読書、アニメ、ゲーム、Alto&Tenor Sax
自己紹介:
理系院卒の大学図書館員。産休・育休を1年挟み、ついに採用11年目。「参考調査担当」(3年間)→「某文系図書室(主担当:和洋図雑の目録)」(3年間)→「某資料室(主担当:総括&和洋図雑の目録)」(2年10ヵ月)→産休・育休(1年2ヶ月)→「閲覧担当」(2016年4月~)
フリーエリア
カレンダー
菜の花にメールする
カテゴリー
最新記事
(07/17)
(03/13)
(04/21)
(01/01)
(12/26)
この記事へのコメント