菜の花の大学図書館日誌
理系出身だったことを忘れかけている司書・菜の花の、大学図書館な日々。
そのデジタルデータ、本当に安泰ですか?
294日目(通算1669日目)。「ショックです」って言われて、ショック。
朝から、先々週に問い合わせを出していた回答メールがきました。何てのんびりさん。でも問い合わせた業者Aさんから、業者Pさんに連絡が行って、そこからJ社に問い合わせしていたようなので、こんなものかもしれません。
そしてこの回答内容は、考えうる限りの中でも最悪の状況でございました。データ、完全に散逸。
長らく契約していた、とあるデータベース。ところが提供元がこのデータベース事業から撤退する、ということになり、競合していた別のデータベースの作成元にデータを売り払って、そちらに乗り換えて欲しい、データは大体引き継がれて、内容は充実する、ということだったのです。で、乗り換えたのが半年ちょっと前。でも若干、引き継がれないデータがある、という話ではあったのですが、まさにそのデータをN先生は大変、欲していたようで。過去データを何とか手に入れられないか、というご相談があったのですが、残念ながら元々のデータベース提供元はそのデータについては別の会社に外注しており、外注されていた会社は契約が切れた(前のデータベースが終了した)時点で、当然ながらデータ作成をやめているのですが、過去データまですべて廃棄していたみたいで。ああ。貴重なデータが、どこかの狭間に…。結局、誰一人かえりみなかったのですね、そのデータについて。で、N先生にご報告した結果、数分後にたった一言、
「ショックです。」
というメールがぽつんと返ってきました。申し訳ない気持ちでいっぱいですが、もはやどうしようもなく。半年前、データベース乗り換えのときなら、まだデータを貰うことが出来たのでしょうか…。でもあの時点でも引き継がれないデータについて業者さんに相談したら「著作権の問題で~」という説明があったのでしたっけ。でもまさか、1年も経たずにその大事な大事な著作権で護られていたはずのデータが、廃棄されてしまっていたなんて。棄てるなら下さい!…と大声で叫びたい。そのデータを必要としている人がいるのです!あああ。
世の中では今、Webアーカイブなんかも進んでいるわけですが、これは何しろ相手が有料データベース。アーカイブとしては対象外かと。今回、商業データベースに何かがあったときの怖さを、あらためて思い知りました。有料電子ジャーナル、商業データベース…段々紙ベースのものが消えていく中、本当にそのデータは、安泰ですか?あるとき突然、提供元が撤退したり…倒産したりしてしまったら、そのデータは大丈夫ですか?
実のところ、このデータベースに関しては、今後のことを考えて、とデータベースの中身のバックアップCDを毎年ちゃんと受け取っていたのです。ですが、きちんと確認してみたら何と、今回欲しかったデータに関しては、収録対象外だったのですね。バックアップが全データではないとはちらっと聞いていた気もしましたけれども、思った以上にこのデータベースについて理解していなかったみたいです。もっと食い下がらないといけなかったのか…。でも「もう撤退します」と、元のデータベースの提供元さんは結局一度も来て頂けませんでしたし、幾つか問い合わせたことも軒並み「出来ない」という回答でしたし…。やっぱりデータベース、怖いです。
しかしこれ、全国の導入機関さん全部が同じ状況だと思うのですが、他のところでは特に何もなかったのでしょうか…。うーん。
ひとつのデータベースの終焉は、人間の最期と同じような感じ。何か色々なものを遺して去っていきました。。。
朝から、先々週に問い合わせを出していた回答メールがきました。何てのんびりさん。でも問い合わせた業者Aさんから、業者Pさんに連絡が行って、そこからJ社に問い合わせしていたようなので、こんなものかもしれません。
そしてこの回答内容は、考えうる限りの中でも最悪の状況でございました。データ、完全に散逸。
長らく契約していた、とあるデータベース。ところが提供元がこのデータベース事業から撤退する、ということになり、競合していた別のデータベースの作成元にデータを売り払って、そちらに乗り換えて欲しい、データは大体引き継がれて、内容は充実する、ということだったのです。で、乗り換えたのが半年ちょっと前。でも若干、引き継がれないデータがある、という話ではあったのですが、まさにそのデータをN先生は大変、欲していたようで。過去データを何とか手に入れられないか、というご相談があったのですが、残念ながら元々のデータベース提供元はそのデータについては別の会社に外注しており、外注されていた会社は契約が切れた(前のデータベースが終了した)時点で、当然ながらデータ作成をやめているのですが、過去データまですべて廃棄していたみたいで。ああ。貴重なデータが、どこかの狭間に…。結局、誰一人かえりみなかったのですね、そのデータについて。で、N先生にご報告した結果、数分後にたった一言、
「ショックです。」
というメールがぽつんと返ってきました。申し訳ない気持ちでいっぱいですが、もはやどうしようもなく。半年前、データベース乗り換えのときなら、まだデータを貰うことが出来たのでしょうか…。でもあの時点でも引き継がれないデータについて業者さんに相談したら「著作権の問題で~」という説明があったのでしたっけ。でもまさか、1年も経たずにその大事な大事な著作権で護られていたはずのデータが、廃棄されてしまっていたなんて。棄てるなら下さい!…と大声で叫びたい。そのデータを必要としている人がいるのです!あああ。
世の中では今、Webアーカイブなんかも進んでいるわけですが、これは何しろ相手が有料データベース。アーカイブとしては対象外かと。今回、商業データベースに何かがあったときの怖さを、あらためて思い知りました。有料電子ジャーナル、商業データベース…段々紙ベースのものが消えていく中、本当にそのデータは、安泰ですか?あるとき突然、提供元が撤退したり…倒産したりしてしまったら、そのデータは大丈夫ですか?
実のところ、このデータベースに関しては、今後のことを考えて、とデータベースの中身のバックアップCDを毎年ちゃんと受け取っていたのです。ですが、きちんと確認してみたら何と、今回欲しかったデータに関しては、収録対象外だったのですね。バックアップが全データではないとはちらっと聞いていた気もしましたけれども、思った以上にこのデータベースについて理解していなかったみたいです。もっと食い下がらないといけなかったのか…。でも「もう撤退します」と、元のデータベースの提供元さんは結局一度も来て頂けませんでしたし、幾つか問い合わせたことも軒並み「出来ない」という回答でしたし…。やっぱりデータベース、怖いです。
しかしこれ、全国の導入機関さん全部が同じ状況だと思うのですが、他のところでは特に何もなかったのでしょうか…。うーん。
ひとつのデータベースの終焉は、人間の最期と同じような感じ。何か色々なものを遺して去っていきました。。。
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プロフィール
HN:
菜の花
性別:
女性
職業:
大学図書館職員11年目
趣味:
読書、アニメ、ゲーム、Alto&Tenor Sax
自己紹介:
理系院卒の大学図書館員。産休・育休を1年挟み、ついに採用11年目。「参考調査担当」(3年間)→「某文系図書室(主担当:和洋図雑の目録)」(3年間)→「某資料室(主担当:総括&和洋図雑の目録)」(2年10ヵ月)→産休・育休(1年2ヶ月)→「閲覧担当」(2016年4月~)
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