菜の花の大学図書館日誌
理系出身だったことを忘れかけている司書・菜の花の、大学図書館な日々。
◆菜の花の英語メモ16
●本日のことば
他の大学図書館から、本を取り寄せることが出来ます。
"Books are available through inter-library loan from other university libraries."
他の大学図書館から、本を取り寄せることが出来ます。
"Books are available through inter-library loan from other university libraries."
図書館は図書館同士で本の貸し借りをします。これがInter-library loan、ILLです。菜の花は司書講習を受けるまで、そういうサービスがあることを知りませんでした。そういえば、院生時代に確かにILLサービスを用いて論文の複写を取り寄せたりしていましたが、それが一体どこからやってくるのか、とかあんまり考えたこともなかったのですよね。
図書館によっては、所属しない人が本を借りるには図書館を通して借りるILL以外に道がないこともあります。個人に貸した場合、その個人に持ち逃げされる恐れがあるから…なのかなあ、と菜の花は思っているのですが。図書館に貸せば、その相手の図書館は絶対に逃げられませんからね、本に何かあったときに責任追及がしやすいのではないかと。まあ、元々の理念は「すべての必要とする人に、必要な資料を」とか、高邁なものだと思いますけれど、打算的に考えれば幾らでも考えられると。実際につい最近も、うちの図書館が公共図書館に貸した高額(数十万円?)の図書が戻らずに、もめていました。その後どうなったのかまでは知りませんけれども。ただし、最近は大学図書館でも地域貢献として、市民に対して貸出をしているところが増えてきています。これからトラブルが増えなければよいのですが。
もうひとつ、凄いな、と思うのはこのILLを出版側や著作権者が許容している辺りかな。勿論、ILLは著作権法または著作権団体との協定の範囲内で行なうことになるのですが、それにしても…。業者側がその昔、これを許容したのが解せません。いや、現状を見ればありだと思うのですけれど。ILLが一切出来なければ、資料入手はより困難なものになって殆ど出回らない資料群が出来てしまい、それらが日の目を見ることなく朽ち果てて行く、それによって廃刊に追い込まれる雑誌が増える、という可能性が高かったと思うのです。そういう未来を見越せたのだろうか、と思うと最初に「これはビジネスモデルとしてOKだ」と判断した人は凄いのではないか、なんて思ってしまうわけです。(単に流れで、それまで図書館員同士の個人的な努力でやっていたことがそのまま制度化されたのかもしれませんけれど。その辺りの歴史は、残念ながら菜の花は勉強不足なので知りません。)
ILLとはちょっと違いますが、最近浮上している「機関リポジトリ」、菜の花としてはこれがビジネスとしてうまく回っていく姿がまったく想起できません。ので、菜の花はこの件に関しては、誰かが納得させてくれない限り、協力的にはなれません。でも、ILLがない時代に、いきなりILLのしくみを導入する!ってことに立ち会っていたとしたら、やっぱり菜の花は今の未来を想起できなかったと思うのです。その意味では、今は謎だらけの「機関リポジトリ」も、いつかは「あのとき立ち上げた人は凄いな」と思える日がくるのかもしれません。
◆菜の花の英語メモ0・目次
図書館によっては、所属しない人が本を借りるには図書館を通して借りるILL以外に道がないこともあります。個人に貸した場合、その個人に持ち逃げされる恐れがあるから…なのかなあ、と菜の花は思っているのですが。図書館に貸せば、その相手の図書館は絶対に逃げられませんからね、本に何かあったときに責任追及がしやすいのではないかと。まあ、元々の理念は「すべての必要とする人に、必要な資料を」とか、高邁なものだと思いますけれど、打算的に考えれば幾らでも考えられると。実際につい最近も、うちの図書館が公共図書館に貸した高額(数十万円?)の図書が戻らずに、もめていました。その後どうなったのかまでは知りませんけれども。ただし、最近は大学図書館でも地域貢献として、市民に対して貸出をしているところが増えてきています。これからトラブルが増えなければよいのですが。
もうひとつ、凄いな、と思うのはこのILLを出版側や著作権者が許容している辺りかな。勿論、ILLは著作権法または著作権団体との協定の範囲内で行なうことになるのですが、それにしても…。業者側がその昔、これを許容したのが解せません。いや、現状を見ればありだと思うのですけれど。ILLが一切出来なければ、資料入手はより困難なものになって殆ど出回らない資料群が出来てしまい、それらが日の目を見ることなく朽ち果てて行く、それによって廃刊に追い込まれる雑誌が増える、という可能性が高かったと思うのです。そういう未来を見越せたのだろうか、と思うと最初に「これはビジネスモデルとしてOKだ」と判断した人は凄いのではないか、なんて思ってしまうわけです。(単に流れで、それまで図書館員同士の個人的な努力でやっていたことがそのまま制度化されたのかもしれませんけれど。その辺りの歴史は、残念ながら菜の花は勉強不足なので知りません。)
ILLとはちょっと違いますが、最近浮上している「機関リポジトリ」、菜の花としてはこれがビジネスとしてうまく回っていく姿がまったく想起できません。ので、菜の花はこの件に関しては、誰かが納得させてくれない限り、協力的にはなれません。でも、ILLがない時代に、いきなりILLのしくみを導入する!ってことに立ち会っていたとしたら、やっぱり菜の花は今の未来を想起できなかったと思うのです。その意味では、今は謎だらけの「機関リポジトリ」も、いつかは「あのとき立ち上げた人は凄いな」と思える日がくるのかもしれません。
◆菜の花の英語メモ0・目次
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プロフィール
HN:
菜の花
性別:
女性
職業:
大学図書館職員11年目
趣味:
読書、アニメ、ゲーム、Alto&Tenor Sax
自己紹介:
理系院卒の大学図書館員。産休・育休を1年挟み、ついに採用11年目。「参考調査担当」(3年間)→「某文系図書室(主担当:和洋図雑の目録)」(3年間)→「某資料室(主担当:総括&和洋図雑の目録)」(2年10ヵ月)→産休・育休(1年2ヶ月)→「閲覧担当」(2016年4月~)
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