菜の花の大学図書館日誌
理系出身だったことを忘れかけている司書・菜の花の、大学図書館な日々。
図書館員が忘れてはいけないこと
198日目(通算1573日目)。「資料」って図書館用語だよね…。
今日はバレンタイン。まあ、お祭りにはのっておくもの。というわけで、うちの図書室では節分以降、バレンタイン仕様の飾りつけでした。色々可愛いのですけれども、残念ながら利用者さんUPには繋がっていないようです。がっかり…。これは、入る前の入口を遠目から見ても分かるレベルに飾り付ける必要があるのではないか、なんて考えたりもしているのですが、何だか主眼が変わってきている気がするのは気のせいでしょうか…。むむ。
そして明日からは、ひな祭り仕様に変更なのです。可愛いので、是非是非見に来て下さいね?
今日はとある資料の発注をSさんにして頂いたのですが、午後、Sさんの勤務が終わって不在のときに業者さんから電話がかかってきました。メールで発注していただいた件ですが、と。
その業者さんには毎年、紙媒体の資料(仮に資料「Z」と呼びましょう)を図書室の費用で発注・購入しているのですが、ここ最近はうちに所属されている先生が、同じ資料「Z」のCD-ROM版(あちらの方は「データ版」と呼ばれていた)も欲しいとのことで、先生の研究費で単独発注・購入をしています。まあ、向こうから見ればお金の出所がどこであれ、払ってくれるのは大学なので関係ないとは思いますが。
で、先週も今年の資料「Z」のCD-ROM版をSさんがメールで発注されているのですが、同じメールの宛先で、Sさんは本日、資料「D」の紙媒体の発注をしたそうです。これについて業者さんは、これもデータ版でいいのですか?と。いやいやいや、資料「D」は、紙媒体でお願いしたはず。Sさんからのメールには「いつも通り」と書かれていたらしいのです。で、メールを受け取った人は「じゃあデータ版(CD-ROM)なのか?でも何か変だな?」と思ったそうで。よくよく聞いてみるとこの担当者さん、うちの図書室が資料「Z」の紙媒体を購入している(つまりSさん的には「いつも通り」)をご存じなかったようなのです。社内で紙媒体とCD-ROM版では扱う部署が違っていて、紙媒体については知らないと。ああ、そうなんですね。そういえばSさん、資料「Z」の紙媒体はいつもFAXで発注していると仰っていたのに、何故か今回の資料「D」の紙媒体は突然メール発注していました。紙媒体の担当者はFAX受付で、CD-ROM版担当者はメール受付なんだ…しかも両者に交流が殆どないって…ふ、不思議な会社…。
まあ、とにかく誤解は解けたので、ちゃんと資料「D」の紙媒体が送られてくることになったのですが、業者さんにはもうひとつ謎があったそうなのです。
「『いつも通り、資料と見積・納品・請求書の3種類を同梱して送付して下さい』とあるのですが、『資料』って何ですか?」
電話口で菜の花、5秒くらい考え込みました。資料…資料…しりょう?あ…。
「購入する冊子のことだと思うのですが」
「え?資料が?」
「紙媒体の本のことです」
「いつも、他のデータなどのご案内も一緒にお送りしているのですが、それのことではなく?」
「いや、図書館用語では『資料』といえば、『図書』や『雑誌』を合わせた、図書館で扱う物体全体を指すことが多くてですね」
「………」
「………」
「………」
「まあ、特殊な用語だと思って下さい。というわけで、本体と一緒に、3書類を送って頂ければ」
図書館員はよく「資料」ということばを何気なく使いまくりますが(菜の花も結構使ってますね)、考えてみれば通常「資料」と言われたら、パンフレットとかレジュメとか、そういう書類っぽいものを想起するのが一般的な気がするのです。
あれです、「参考図書」と同じ。図書館員にとって「参考図書」といえば、統計とか辞典とか名鑑とか蔵書目録とか、そういう「レファレンスブック」のことを指すのが当たり前ですが、実際のところ一般の人にとっては中学や高校で使う副読本や解説本のような「参考書」などが思い浮かぶのがせいぜいでは?少なくとも菜の花はそうでした。「参考図書」って何なんだ、という気持ちが、徐々に薄れていくにつれて、図書館にどっぷり漬かりすぎじゃないか、と危機感を覚えたものですが、最近はそれすら忘れがちでした。ああ、いけない。
いつも絶対に忘れてはいけない、アウトサイダーな感覚。それを忘れたら我々は単なる「図書館屋さん」になってしまうと思うのです。「図書館」というハコモノの単なる維持管理でお金をもらっている人に堕ちてしまいかねない。ちゃんと世間の中で図書館と自分たちがどのような立場におかれているか知った上で、これからのより良い発展を希求する「真の図書館員」としては、通常の利用者の気持ちを忘れてしまってはおしまいだな、と。まあ、こんなことくらいで大袈裟だ、と言われてしまいそうですが、そういう些細な物事の端々にこそ、色々な真実が浮かんでくるものです。気をつけたいものですね。
「早く図書館に慣れて下さい、でも染まらないで下さい」
数年前の着任直後に館長から頂いたことばが、今でも時々思い出されます。もう2代前の館長になりますが、良い先生でしたね。よく図書館の危機を理解されていたのだと思います。うん、また気を引き締めて頑張りたいと思います。
で、気を引き締めたところで、明日は私用により、おやすみを頂きます。ちょっとばかり、趣味とボランティアを兼ねてお出掛け。というわけでまた来週、お会いいたしましょう。
今日はバレンタイン。まあ、お祭りにはのっておくもの。というわけで、うちの図書室では節分以降、バレンタイン仕様の飾りつけでした。色々可愛いのですけれども、残念ながら利用者さんUPには繋がっていないようです。がっかり…。これは、入る前の入口を遠目から見ても分かるレベルに飾り付ける必要があるのではないか、なんて考えたりもしているのですが、何だか主眼が変わってきている気がするのは気のせいでしょうか…。むむ。
そして明日からは、ひな祭り仕様に変更なのです。可愛いので、是非是非見に来て下さいね?
今日はとある資料の発注をSさんにして頂いたのですが、午後、Sさんの勤務が終わって不在のときに業者さんから電話がかかってきました。メールで発注していただいた件ですが、と。
その業者さんには毎年、紙媒体の資料(仮に資料「Z」と呼びましょう)を図書室の費用で発注・購入しているのですが、ここ最近はうちに所属されている先生が、同じ資料「Z」のCD-ROM版(あちらの方は「データ版」と呼ばれていた)も欲しいとのことで、先生の研究費で単独発注・購入をしています。まあ、向こうから見ればお金の出所がどこであれ、払ってくれるのは大学なので関係ないとは思いますが。
で、先週も今年の資料「Z」のCD-ROM版をSさんがメールで発注されているのですが、同じメールの宛先で、Sさんは本日、資料「D」の紙媒体の発注をしたそうです。これについて業者さんは、これもデータ版でいいのですか?と。いやいやいや、資料「D」は、紙媒体でお願いしたはず。Sさんからのメールには「いつも通り」と書かれていたらしいのです。で、メールを受け取った人は「じゃあデータ版(CD-ROM)なのか?でも何か変だな?」と思ったそうで。よくよく聞いてみるとこの担当者さん、うちの図書室が資料「Z」の紙媒体を購入している(つまりSさん的には「いつも通り」)をご存じなかったようなのです。社内で紙媒体とCD-ROM版では扱う部署が違っていて、紙媒体については知らないと。ああ、そうなんですね。そういえばSさん、資料「Z」の紙媒体はいつもFAXで発注していると仰っていたのに、何故か今回の資料「D」の紙媒体は突然メール発注していました。紙媒体の担当者はFAX受付で、CD-ROM版担当者はメール受付なんだ…しかも両者に交流が殆どないって…ふ、不思議な会社…。
まあ、とにかく誤解は解けたので、ちゃんと資料「D」の紙媒体が送られてくることになったのですが、業者さんにはもうひとつ謎があったそうなのです。
「『いつも通り、資料と見積・納品・請求書の3種類を同梱して送付して下さい』とあるのですが、『資料』って何ですか?」
電話口で菜の花、5秒くらい考え込みました。資料…資料…しりょう?あ…。
「購入する冊子のことだと思うのですが」
「え?資料が?」
「紙媒体の本のことです」
「いつも、他のデータなどのご案内も一緒にお送りしているのですが、それのことではなく?」
「いや、図書館用語では『資料』といえば、『図書』や『雑誌』を合わせた、図書館で扱う物体全体を指すことが多くてですね」
「………」
「………」
「………」
「まあ、特殊な用語だと思って下さい。というわけで、本体と一緒に、3書類を送って頂ければ」
図書館員はよく「資料」ということばを何気なく使いまくりますが(菜の花も結構使ってますね)、考えてみれば通常「資料」と言われたら、パンフレットとかレジュメとか、そういう書類っぽいものを想起するのが一般的な気がするのです。
あれです、「参考図書」と同じ。図書館員にとって「参考図書」といえば、統計とか辞典とか名鑑とか蔵書目録とか、そういう「レファレンスブック」のことを指すのが当たり前ですが、実際のところ一般の人にとっては中学や高校で使う副読本や解説本のような「参考書」などが思い浮かぶのがせいぜいでは?少なくとも菜の花はそうでした。「参考図書」って何なんだ、という気持ちが、徐々に薄れていくにつれて、図書館にどっぷり漬かりすぎじゃないか、と危機感を覚えたものですが、最近はそれすら忘れがちでした。ああ、いけない。
いつも絶対に忘れてはいけない、アウトサイダーな感覚。それを忘れたら我々は単なる「図書館屋さん」になってしまうと思うのです。「図書館」というハコモノの単なる維持管理でお金をもらっている人に堕ちてしまいかねない。ちゃんと世間の中で図書館と自分たちがどのような立場におかれているか知った上で、これからのより良い発展を希求する「真の図書館員」としては、通常の利用者の気持ちを忘れてしまってはおしまいだな、と。まあ、こんなことくらいで大袈裟だ、と言われてしまいそうですが、そういう些細な物事の端々にこそ、色々な真実が浮かんでくるものです。気をつけたいものですね。
「早く図書館に慣れて下さい、でも染まらないで下さい」
数年前の着任直後に館長から頂いたことばが、今でも時々思い出されます。もう2代前の館長になりますが、良い先生でしたね。よく図書館の危機を理解されていたのだと思います。うん、また気を引き締めて頑張りたいと思います。
で、気を引き締めたところで、明日は私用により、おやすみを頂きます。ちょっとばかり、趣味とボランティアを兼ねてお出掛け。というわけでまた来週、お会いいたしましょう。
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プロフィール
HN:
菜の花
性別:
女性
職業:
大学図書館職員11年目
趣味:
読書、アニメ、ゲーム、Alto&Tenor Sax
自己紹介:
理系院卒の大学図書館員。産休・育休を1年挟み、ついに採用11年目。「参考調査担当」(3年間)→「某文系図書室(主担当:和洋図雑の目録)」(3年間)→「某資料室(主担当:総括&和洋図雑の目録)」(2年10ヵ月)→産休・育休(1年2ヶ月)→「閲覧担当」(2016年4月~)
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